プロセスのオーケストレーションなど、エージェンティックオートメーション関連で3製品を投入
AIエージェント組込みでも「安心・安定」の自動化を、UiPathが新製品発表
2025年04月16日 17時30分更新
AIエージェント/ロボット(RPA)/人間を組み合わせることで、企業の業務プロセス全体をエンドツーエンドで高度に自動化する――。UiPathでは、こうした次世代の業務プロセス自動化を「エージェンティックオートメーション」と定義している。
UiPathは2025年4月16日、こうした業務プロセス全体をオーケストレーションする「UiPath Maestro」など、エージェンティックオートメーション関連の3製品を発表した。
UiPath Maestro:プロセスのモデル化から最適化までのオーケストレーション製品
今回発表されたのは、前述のUiPath Maestroのほか、ソフトウェアテストプロセスの自動化製品「UiPath Test Cloud」、メールや非定型ドキュメントからの構造化データ抽出製品「UiPath IXP」の3製品。Test Cloudは4月14日から国内提供を開始しており、残る2製品については今年第2四半期からの提供開始を予定している(現在はプレビュー提供中)。
オーケストレーション製品のUiPath Maestroは、業界標準の「BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)」に対応した「モデル化」、AIエージェント/RPA/人(Human-in-the-Loop)による処理をシームレスに統合する「実装」、プロセスの実行状況を把握/分析する「運用」、過去の実行結果を分析し、修正する「監視」「最適化」といった機能を備える。
UiPath プロダクトマーケティング部 部長の夏目健氏は、デモ動画を見せながら具体的な特徴を説明した。まず「モデル化」においては、ノーコードで業務プロセス全体をモデリングできるほか、業界標準のBPMN 2.0に対応しているため、ほかのツールで作成したモデルをインポートすることも可能だという。
「実装」では、UiPath上で作成したAIエージェントやRPAワークフローを呼び出したり、人間によるチェックや判断のステップを加えることができる。さらに、他のベンダーが提供するAIエージェントやAPIも呼び出すことが可能だ。ここではコネクタも提供する予定だとしている(具体的な対応サードパーティについては製品提供開始時に発表予定)。
「運用」では、プロセスの実行状況をグラフィカルに確認できるほか、詳細な情報(たとえば各ステップの処理時間、変数の値など)も参照できる。プロセスに例外や不具合が発生した場合には、処理を一時停止して修正し、再実行することも可能だ。
プロセスの実行結果は「監視」のツールで継続的に監視/分析し、ボトルネックの特定と修正、変更の影響シミュレーションといったツールで「最適化」していくことができる。
夏目氏は、エージェンティックオートメーション環境の中でMaestroが提供する価値として、特に「安心して、安定して業務プロセスの自動化が実行できる」「業務の中で実際に使っていけるエージェントが構築できる」点を強調した。
通常、AIエージェントによる処理だけでは結果の不確実性が避けられないが、定型処理の得意なRPA、さらに確認作業を行う人間(Human-in-the-Loop)を適切かつシームレスに組み合わせられるため、「想定したアクションに近いものが実現しやすい」(夏目氏)と説明する。
そのほか、UiPathのオープンなプラットフォームを通じてさまざまなサードパーティ製アプリにアックセスできる点、「運用」「監視」「最適化」の各ツールを通じてプロセスの挙動状態を理解し、継続的な改善につなげられる点も、Maestroの価値だと述べる。










