本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「曖昧な業務指示にどう対応する?効果的な7つのステップ」を再編集したものです。
曖昧な業務指示への対応方法
業務を遂行する中で、上司から曖昧な指示が与えられることは少なくありません。
そのような状況下で適切に対処することは、効果的な業務遂行と信頼関係の構築において重要です。
本記事は、社会人3年目のエンジニアが『曖昧な業務指示』への対処方法を言語化した内容となります。
1. ゴールを仮決めする
まず最初に、与えられた限られた情報から自分なりにタスクのゴールを仮設定します。
この段階では完璧なゴールを設定する必要はありませんが、大まかな方向性を持つことで次のステップへ効果的に進むことができます。
2. 前提条件をリストアップする
タスクを効果的に遂行するためには、背景や条件を正確に理解することが不可欠です。
ここでは、タスクに関連する前提条件や背景情報を整理し、明確化します。
2.1 「なぜ」や「どうして」を把握する
まずは、Slackやメール、会議の議事録などのコミュニケーションツールの履歴を活用して、上司や関係者がそのタスクを指示した意図や目的を探ります。過去のやり取りから背景を推測し、不明点があれば質問しましょう。
具体的な手順:
・履歴を確認する: 関連する過去のメッセージやドキュメントを読み返します。
・質問を準備する: 不明点を整理し、明確な質問としてまとめます。
・コミュニケーションを取る: 上司や関係者に対し、チャットやミーティングなどで確認します。
2.2 既存システムの復旧・改修の場合
既存システムに関するタスクの場合、システムの構造や設計思想を理解することが重要です。そのためには、以下の手順を踏みます。
具体的な手順:
・ドキュメントを収集する: システム設計書、仕様書、過去の変更履歴などを入手します。
・コードをレビューする: 実際のコードを読み、システムの動きを確認します。
・担当者にヒアリングする: 過去にシステムを開発・保守していたメンバーから直接話を聞きます。
ポイント:
・システムの全体像を把握することで、問題の原因や解決方法が見えてきます。
・独自の設計や特殊なロジックがないか注意深く確認します。
2.3 新規開発の場合
新しい機能やシステムの開発では、目的達成に必要な要件や期待される成果を明確にすることが重要です。
具体的な手順:
・ビジネス目標を確認する: 新規開発が目指すビジネス上の目的や効果を理解します。
・ユーザー視点で考察する: エンドユーザーにとっての利点や価値を考えます。
・将来の展望を検討する: 今後の拡張性や他のプロジェクトとの関連性を考慮します。
3. 作業開始前に想定できる作業をリストアップ
タスクを進める上で、必要となる作業や検討事項を事前に洗い出すことで、計画的に作業を進めることができます。
3.1 作業のカテゴライズ
リストアップした作業項目を以下の4つのカテゴリに分類し、優先順位を明確にします。
・Must(必須): タスクの完了に絶対に必要な作業。
・High(優先度高): 重要度が高く、早期に対応すべき作業。
・Middle(優先度中): 可能であれば対応したい作業。
・Low(優先度低): 時間やリソースに余裕があれば対応する作業。
具体的な手順:
・作業項目の列挙: 思いつく限りの作業や検討事項を全て書き出します。
・カテゴリ分け: 各項目を上記のカテゴリに振り分けます。
・確認と調整: 上司やチームメンバーと共有し、分類が適切か確認します。
ポイント:
・優先順位を明確にすることで、効率的な時間配分とリソースの活用が可能になります。
・必要に応じて、タスクの範囲を調整し、過度な負荷を避けます。
4. Mustの調査内容を調査
「Must」に分類した項目について、詳細な調査や検証を行います。これは、タスクを進める上での基盤となる重要なステップであり、ここでの漏れは後々大きな問題となり得ます。
具体的な手順:
・情報を収集する: 必要なデータや資料、関連するシステムの情報を集めます。
・現状を分析する: 現在の問題点や課題を明確にします。
・技術的検証を行う: 必要に応じてプロトタイプの作成や技術的なテストを行います。
5. ゴールを確定する
前段階で得られた情報や調査結果をもとに、仮設定していたゴールを見直し、正式な目標として確定します。ここでのゴール設定が明確であればあるほど、以降の作業がスムーズに進みます。
具体的な手順:
・ゴールを明文化する: 具体的かつ測定可能な目標として文章化します。
・上司と確認する: ゴールが上司の意図と一致しているか確認し、合意を得ます。
・チームと共有する: ゴールをチームメンバーと共有し、全員の認識を統一します。
6. ロードマップを検討する
ゴールに到達するための具体的な計画を立てます。ここでは、作業の順序やスケジュール、リソース配分などを詳細に検討します。
6.1 作業の重み付け
先にカテゴライズした作業項目に対し、さらに優先度や重要度を考慮して重み付けを行います。
具体的な手順:
・評価基準を設定する: 重要度、緊急度、難易度などの評価基準を設定します。
・スコアリングする: 各作業項目に対し、評価基準に基づいてスコアを付けます。
・優先順位を再設定する: スコアに基づき、作業の優先順位を最適化します。
6.2 依存関係の検証
作業項目同士の依存関係を明確化し、効率的な作業順序を決定します。
具体的な手順:
・依存関係を図示する: フローチャートやネットワーク図を用いて、作業間の関係性を視覚化します。
・クリティカルパスを特定する: タスク完了までの最長経路を特定し、遅延リスクを把握します。
・調整と最適化を行う: 必要に応じて作業順序を調整し、効率化を図ります。
6.3 スケジュールの決定
期日やリソースを考慮し、現実的かつ効果的なスケジュールを策定します。
具体的な手順:
・リソースを把握する: 利用可能な人員、時間、設備などを確認します。
・タイムラインを作成する: ガントチャートなどを用いて、作業項目ごとのスケジュールを作成します。
・リスクを考慮する: 予期せぬ事態に備え、バッファ期間を設けます。
ポイント:
・スケジュールは定期的に見直し、進捗状況に応じて柔軟に対応します。
・関係者へのスケジュール共有と合意形成を徹底します。
7. 開発
計画が整ったら、実際の作業に着手します。ここでは、計画に沿って着実にタスクを進め、必要に応じて調整を行います。
具体的な手順:
・定期的に進捗報告する: 上司やチームメンバーと共有し、状況を把握してもらいます。
・問題の早期発見と対処: 課題や障害が発生した場合、迅速に報告・対応します。
・品質を確保する: コードレビューやテストを通じて、成果物の品質を維持します。
ポイント:
・コミュニケーションを密に取り、チーム全体で問題解決に取り組みます。
・ドキュメンテーションを適切に行い、情報共有を促進します。
まとめ
曖昧な業務指示に対して適切に対応するためには、以下のポイントが重要です。
・主体的な行動: 自分から積極的に情報を収集し、仮のゴールを設定する。
・計画的なアプローチ: 作業を整理し、優先順位をつけて効率的に進める。
・柔軟な対応: 状況の変化に応じて計画を見直し、最適な解決策を模索する。
これらのステップを踏むことで、曖昧な指示であっても確実にタスクを遂行し、成果を上げることができます。
西村凌/FIXER
四日市事業所所属のクラウドエンジニア。
趣味でFlutterやRustを勉強しているキーボードオタク


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