第488回 SORACOM公式ブログ

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M5StackからSORACOM、そしてAWSを体験!北陸のIoTイベント ― IoT Get Started Day レポート

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 本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「M5StackからSORACOM、そしてAWSを体験!北陸のIoTイベント ― IoT Get Started Day レポート」を再編集したものです。

こんにちは、ソラコムの松下(ニックネーム: Max)と、井出(ニックネーム: Takao)です。

ソラコムは、12/21に石川/金沢でのIoTイベント「IoT Get Started Day」にワークショップの提供をしました。ここでは、このイベントの様子を紹介します。

IoT Get Started Dayのねらいと背景

このイベントのきっかけは、2024年7月の「SORACOM with M5Stack ハンズオン(金沢開催)」、そして10月の「SORACOM UG Explorer 2024」でした。ここで集まった北陸のIoT活用を進めている方、そしてSORACOMを支えてくれている方々が「北陸でのIoT利用、そして情報発信をもっと高めたい!」という熱い思いを語っていただき、実現したものです。

ソラコムは、ワークショップで利用するSORACOM IoT SIM やテキストの提供、そして講師派遣でこのイベントを支援しました。

会場の様子

IoT Get Started Dayは、金沢の中心地に位置するITビジネスプラザ武蔵で開催しました。

ここではイベントホールや研修室・会議室、あとは起業家・小規模ビジネス向けのオフィス提供をされています。私たちがお借りしたのはオープンスペースです。

参加者は地元企業のエンジニアから学生までと、幅広い層に参加いただきました。

IoT ワークショップ / M5Stack・SORACOM・AWS

ここからは、本編の様子です。今回のワークショップは、IoTシステム学習となります。

IoTは「デバイス・ネットワーク・クラウド」の3つの要素で成り立っています。それぞれにM5Stack・SORACOM・AWSを用いて IoT アーキテクチャ全体を体系的に学ぶというのが狙いで、構成は以下の通りです。

デバイスは M5Stack Core2 を利用し、 PIR(人感)センサーを接続します。そのデータを LTE-M 通信を通じて SORACOM のデータ蓄積・可視化サービス「SORACOM Harvest Data」で、デバイスとネットワーク間の確認を行いました。

AWS では AWS IoT Core でデータを受け取り、その先で4つのワークショップ(Amazon OpenSearch Service でニア・リアルタイムデータ可視化等)から選びつつ実装をする内容です。

M5Stack と AWS IoT Core 間は、SORACOM のクラウドアダプター(データ転送)サービス「SORACOM Funnel」でつなぎます。本来は AWS の認証情報を M5Stack に入れる必要がありますが、そこを IoT SIM で置き換えることができ、デバイスの開発の手間を減らしています。

当日はテキストに沿って自分のペースで進める “もくもくスタイル” でした。パート毎に進めて、全員の達成を目指していきます。

資料やテキストの公開

当日利用した資料やテキストは、以下で公開しています。環境が整えば、皆さんでも始められますので、参考いただけると幸いです。

参加者の声と質疑応答、記念撮影

参加者からは「センサーとクラウドのつなげ方がわかった」や「Wi-Fi以外にも通信の選択肢があることが知れて、現場にも使えるかもしれない」といった感想がいただけました。開催の手ごたえを感じています。6時間近くにわたるワークショップへのご参加、ありがとうございました!

ワークショップの途中や最後にQAをいただきました。当日いただいた内容を、できる限り共有したいと思います。

Q: SORACOM Funnel に設定する認証情報の「AWS IAM ロール認証」とはなんですか?

A: AWS IAM ユーザーではなく、AWS IAM ロールを作成して SORACOM に登録いただく方式です。AWS IAM ユーザーを管理する情報が減るメリットがあり、また、AWS からもベストプラクティス(IAM ロールなどの一時的なセキュリティ認証情報)として紹介されています。この認証方式は SORACOM Funnel だけでなく、AWS Lambda を実行できる「SORACOM Funk」でも利用可能です。

Q: LTE-M 通信では「切断処理」を行わなくて良いのですか?

A: LTE-M を含むセルラー通信では、接続処理に対して切断処理も存在します(実装としては AT コマンド内に切断コマンドがある場合がほとんどです)。不意な通信を避ける目的で切断処理は有効ですが、ソラコムが発行している「デバイス実装ガイドライン」では “接続・切断処理といったシグナリングを含めたデータ通信量を最小限に抑えるように設計を推奨” としています。この背景は、LTE 自体がデバイスが常時接続されることを前提として作られた通信規格であることと、切断(接続も同様)はネットワークへの負荷が比較的高い処理であるためです。ガイドラインを参考に、切断処理の目的を明確にしたうえで実装などを検討してください。

Q: AWS IoT Core の役割は何ですか?必ず使わなければいけませんか?

A: AWS IoT Core(以下、IoT Core) は、デバイスとAWSをつなげる出入口となるサービスです。Web における Amazon API Gateway(以下、API Gateway) のような役割を持っています。必ず使う必要は無く、IoT デバイスから API Gateway を通じて AWS サービスを利用する構成もありうるでしょう。IoT Core の利点は「並列型アーキテクチャ(ファンアウト・パターン)」による拡張性・柔軟性の高さです。段階的に増えるビジネス要求に、既存の仕組みに影響なく新機能を着脱可能な形で導入できるという利点があるため、IoT Core の積極的な利用をおススメしています。この詳細はIoTだからこそ、サーバーレスを活用すべき3つの理由をご覧ください。

最後は記念撮影でした。達成感に満ちたいい笑顔だったことが印象的でした!

おわりに 〜 SORACOM UG 石川の立ち上げへ

このイベントは、コミュニティイベントにおける熱量がきっかけでした。

その思いをイベントという形にできたのは、主催いただいた皆さま(EdelWorksPhalanXwareXMAKERS)には全体設計や会場手配に当日の講師、そして協賛・協力の皆さまとの関係づくりを行っていただきました。そして北陸地域のソラコムのパートナーやご厚意で参加いただいた企業の面々(株式会社アイ・オー・データ機器株式会社金沢エンジニアリングシステムズ北菱電興株式会社マルツエレック株式会社)の協賛、そしてコミュニティ側ではJAWS-UG 金沢のご協力あってこそです。

本当に感謝しております、お礼申し上げます!

IoTの本質は「遠くの現場をデジタルで把握・操作する」です。地域だからこそIoTが輝きますし、IoTだからこそ実現できる事もあるでしょう。本イベントは、北陸でのIoT活用とコミュニティ形成の第一歩となる意義深いイベントでした。

IoTに対する盛り上がりを受け、金沢を中心としたIoTのコミュニティ立ち上げへとつながり、2025年中に「SORACOM UG 石川」を開催しようとなりました。続報は勉強会プラットフォーム「connpass」でお伝えしていきます!

※SORACOM UG そのものについてはこちらをご覧ください

おまけ ― 2024年の北陸と力強さ

北陸では2024年初頭の地震や秋の豪雨と、多くの災害があったことは記憶に新しいところですが、それでも北陸の人々の温かさや前向きなエネルギーがあふれていて、ランチでいただいた海鮮丼にもその魅力が感じられました。

みなさんも是非、冬の北陸/金沢へいらしてください!(もちろん、いつ来ても素敵なところです!)

― ソラコム松下 (Max)、井出 (Takao)

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