本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。
AIは手間を減らしたいタスクに活用する
前回(関連記事:「第2回 手間がかかる議事録作成はAIを使ってサクッと作ってしまおう」)は、会議の音声データからAI文字起こしサービス「LINE WORKS AiNote」を使って会話をテキストに変換し、そのデータをChatGPTで要約してもらったり、簡単な議事録にまとめてもらった。もちろん、間違いなく作業してくれたのだが、会話の内容を箇条書きにしただけで、社内のフォーマットなどは考慮していなかった。今回は、ChatGPTに意図したフォーマットで議事録を書いてもらう方法を紹介しよう。
前回のように、プロンプトに「議事録を作ってください」としか書かないと、満足いかない場合、どんな議事録が欲しいのかを具体的に、明確に記載すればいい。その際、文章で入れてもいいのだが、テンプレートのような形でフォーマットを指定すると手っ取り早い。
フォーマットを指定する際は、「###フォーマット」といった区切り文字を付けて、そのあとに入力するとユーザー側も生成AI側も理解しやすくなるのでお勧めだ。例えば、「集中力を持続させるアドバイスを5個教えてください」というと、色々なスタイルで出力して来るが、心得その1のように箇条書きにしろ、とフォーマットを指示すると狙った形で出力してくれるようになる。
■プロンプト
集中力を持続させるアドバイスを5個教えてください。解説は不要。
###フォーマット
心得その1:1つ目のアドバイス
心得その2:2つ目のアドバイス
と箇条書きにしてください。
■出力
心得その1:短い休憩を定期的に取り入れる(例:ポモドーロテクニック)。
心得その2:作業環境を整理整頓し、集中しやすい空間を作る。
心得その3:1日の目標を具体的かつ小分けに設定する。
心得その4:作業の合間に軽いストレッチや運動を行う。
心得その5:スマホや通知をオフにし、作業への集中を妨げないようにする。
では、議事録を作成してもらおう。利用するデータは前回と同様、会議の録音データから生成した、3万文字近いテキストファイルとする。「AIチャットシステムの導入」というテーマで、あえて導入するかどうかの検討から、導入決定、その後のプロセスまで幅広く議論してもらっている。テキストファイルはドラッグ&ドロップでアップロードし、プロンプトを入力する。
会社で決まっている議事録のフォーマットに合わせて、欲しい情報をまとめてもらおう。例えば、録音にない開催場所などの情報は後で自分で入力すればいい。
■プロンプト
会議の録音から文字起こししたデータを添付するので、議事録を作ってください。
###フォーマット
議題:議題を入れてください
開催日時:開催日時を入れてください
開催場所:場所を入れます。不明であれば空欄にしてください。
出席者:出席者を入れてください。「さん」は付けないでください。
議論:主な議論を3~4個にまとめて、見出しと簡単な説明文を付けてください。
決定事項:決定したこと、アクションプランなどを具体的に入れてください。担当者がいるなら、カッコで名前を付けておいてください。
備考:上記に当てはまらない備考を入れてください。
■出力
議事録
議題:サポート部門へのAIチャットシステムの導入
開催日時:2024年12月9日 13:05
開催場所:未記載
出席者:柳谷智宣、加藤課長、田中
議論
1.現状の課題と対応ニーズ
問い合わせ件数の増加、特に新商品リリース後や繁忙期に対応が追いつかない。
24時間対応のニーズが増加し、深夜の問い合わせ対応が課題。
オペレーターの業務負担増大と離職率の増加。
~略
さくっと、議事録をまとめてくれた。きちんと指示通りに議論を4つにまとめ、決定事項、アクションプランをまとめてくれた。備考として、他社の事例を参考にして、導入計画や運用ルールを策定する、などと完ぺきだ。
会議で雑談したり、脱線している場合は、ここに不要な項目が混じるかもしれない。プロンプトで、雑談は省いて、と指示してもいいのだが、そのくらいの修正は人の手で行った方が早い。もし、例えばどこか不満なところがあるなら、「3番目の議論のみ深堀りしてください」などと再作業してもらうこともできる。
フォーマットを指定することで、生成AIの出力をコントロールすることは基本技だが、ずっと使うテクニックなので最初に覚えておこう。
注目の最新AIニュース
OpenAIは12月5日から平日12日間連続で、様々なサービスを発表した。ただでさえ、物凄いペースで開発し、相次いで新機能を追加してきていたのに、12連続というのは驚きだ。1日目に「ChatGPT Pro」を投入し、料金は月額約3万円。高度な推論を行える「o1 pro」モードを使いまくれるのは魅力だが、そこまで万能ではなく、普通のビジネスタスクであればGPT 4oでも対応できるので契約するかどうかは悩みどころだ。2日目は、ファインチューニングに関する発表で週末をはさみ、3日目には引っ張りまくった画像生成AI「Sora」を発表。「ChatGPT Pro」で使えるというので、すぐに契約した。数日使っているが、「Sora」で手軽に動画を生成できるのはとても楽しい。加えて、「ChatGPT Pro」の性能も驚くべきもので、日々使い倒して研究している。
🎄🎅starting tomorrow at 10 am pacific, we are doing 12 days of openai.
— Sam Altman (@sama) December 4, 2024
each weekday, we will have a livestream with a launch or demo, some big ones and some stocking stuffers.
we’ve got some great stuff to share, hope you enjoy! merry christmas.

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