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コンテンツ中心のワークフロー自動化も多数の新サービスで強化

自社に最適化できるBoxの“AIエージェント”、新最上位プランで間もなく利用可能に

2024年12月19日 08時00分更新

文● 大河原克行 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

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 Box Japanは、2024年12月11日、米サンフランシスコで11月に開催したグローバルの年次イベント「BoxWorks 2024」における発表内容について説明した。

 同イベントは、5年ぶりにリアルイベントとして開催。「Content+AI」をテーマに、「Box AI Studio」や「Box Apps」など、同社が提唱するインテリジェントコンテンツ管理(ICM)を実現する新しい機能やサービスを発表した。日本からは12社のパートナーおよびユーザー企業が参加したという。

 Box Japanの代表取締役社長である古市克典氏は、「インテリジェンスと自動化を強化するための数多くの機能や製品を発表して、Content+AIの世界をより現実的なものすることができた」と振り返った。

Box Japan 代表取締役社長 古市克典氏

“Box AI元年”の集大成となった「BoxWorks 2024」の発表

 Boxでは、2024年を「Box AI元年」と位置づけるとともに、インテリジェンスと自動化をキーワードとした「第3章」に突入したことを宣言している。そして、BoxWorks 2024はそれを裏づけるイベントになったといえそうだ。

 インテリジェンスの進化では、「最先端AIのいいところどり」として、Azure OpenAI ServiceやGoogle Cloud Vertex AI、Amazon Bedrock、IBM watsonxなどの主要生成AIサービスのほか、顧客が持つ独自のAIを活用できる環境を用意。「世の中で広く使われているAIのすべてを、Boxのユーザーは使いこなすことができる」と古市氏。

最先端AIのいいところどり

 さらに、AIに関しては、企業に最適化されたAIエージェントが作成できる「Box AI Studio」を発表。古市氏は、「いまは、人がAIに直接訊ねるAIアシスタントの利用にとどまっているが、今後は人が“AIエージェントを介して”、AIに訊ねる世界がやってくる。Box AI Studioは、この世界を実現するもので、業務や用途に最適なAIを、AIエージェントが自ら選ぶ」と強調。加えて、「いま、AIの機能を活用している企業こそが、将来のアドバンテージを持つ。グローバルの企業は躊躇することなくAIを活用しており、日本との差を感じざるを得ない」とも指摘した。

 また、自動化においては、従来から提供しているワークフロー自動化の「Box Relay」、電子署名の「Box Sign」に加えて、「Box Apps」、「Box Forms」、「Box Doc Gen」、「Box AI for Metadata」の新サービスを追加して、文書のライフサイクル管理全体へと自動化の領域を広げている(詳細は後述)。

文書ライフサイクル管理全体を自動化

 なお、Boxの国内における導入企業数は1万9000社以上に達し、日経225企業のうち76%が導入していることも明らかにした。グローバルでは11万5000社が導入し、Fortune 500企業のうち67%がBoxを導入しているという。

インテリジェンスと自動化を強化する新サービスは、追加された最上位プランで丸ごと提供

 BoxWorks 2024で発表された新サービスの詳細については、Box Japanの上席執行役員 プロダクトマネジメント部 部長である坂本真吾氏から説明された。

Box Japan上席執行役員 プロダクトマネジメント部 部長の坂本真吾氏

 まず、Box AI Studioは、Boxの生成AI機能を企業に最適化するために、ノーコードでカスタマイズできるサービスだ。業界固有のニーズやワークフローに基づき個々の企業の最適化された“Box AIエージェント”を構築して、ビジネスを強化することができる。社員は業務において、どのAIを使用するかを指示することなく、自動選択されるAIから最適な回答を得られるようになる。

Box AI Studio

 新たに登場したBox Apps、Box AI for Metadata、Box Forms、Box Doc Genは、既存の機能であるBox RelayやBox Signなどを組み合わせることで、統合されたワークフロー自動化ソリューションを形成する。

 Box Appsは、2024年に買収したCroozeをBoxに統合したサービスで、コンテンツ中心のビジネスプロセスを管理するインテリジェントなアプリケーションをノーコードで作成できる。このアプリケーションには、機能豊富なダッシュボードやカスタマイズされたコンテンツビュー、ワークフロー自動化などを用途に応じて実装可能だ。

Box Apps

 Box AI for Metadataは、AIを活用してコンテンツからメタデータを抽出する機能で、企業のデータの90%以上を占める非構造化データを、構造化データのように活用できるようにする。さらに、Box Formsは、フォーム起点のビジネスプロセスを効率化し、Box Doc Genは、カスタム文書の生成を自動化する。

 ここまで紹介した新サービス、およびコンプライアンスを遵守しつつコンテンツの長期保存を可能にする「Box Archive」は、新たに追加される最上位プラン「Enterprise Advanced」を通じて提供する。日本における価格は、2025年1月以降に発表される予定だ。

Box AIなどが利用できる「Enterprise Plus」より上位の「Enterprise Advanced」プランが追加される

 その他、BoxWorks2024ではセキュリティ機能として「Ransomware Protection and Recovery」が発表された。ランサムウェア攻撃からコンテンツを迅速に復旧することができる機能で、ローカルPCが被害にあっても、Boxによるバージョン管理により、データをリカバリーできる。

 なお、直近にBoxは、Adobeとの協業強化も発表している。すべてのBoxユーザーは、Adobe Expressをデフォルトの画像編集ツールとして利用でき、Box上でビジュアルコンテンツを直接制作および編集できるようになっている。

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