アップルが第7世代の「iPad mini」を発表。A17 Proチップを搭載する新iPad miniを10月23日の発売を前に試しました。前モデルとなる第6世代iPad miniを愛用する筆者が、最新モデルの進化と購入を検討する際に注目すべきポイントを解説します。
■新しいiPad miniは何が変わった?
■名称が「iPad mini(A17 Pro)」に
新しいiPad miniは歴代モデルと区別する際の名称が“第7世代”ではなく、「iPad mini(A17 Pro)」になりました。今年の5月に発売した「iPad Pro(M4)」「iPad Air(M2)」のように搭載するチップセットで呼び分ける方式に統一しています。
どうせならM2かM1を載せてくればよかったのにとも思いますが、iPad miniの設計に適しているのがA17 Proだったということなのでしょう。
アップルが2021年秋に発売した第6世代のiPad miniから、iPad mini(A17 Pro)が変わったところ/変わらなかったところを振り返ります。名前が長いので、以下本文ではA17 Proモデルを「新しいiPad mini」と呼びます。
■新iPad miniで変わらなかったところは3点
■デザインやカメラの仕様、Touch IDは変わらず
まず、「変わらなかったところ」は大きく3点。「大きさとデザイン」「リア側のメインカメラの仕様」、そしてトップボタンに埋め込んだ「Touch IDによる指紋認証」です。
メインカメラは12MP広角カメラのシングル。iPhone SEと同じく、気軽に写真やビデオが撮れます。M2搭載の最新iPad AirにはないTrue ToneフラッシュがiPad miniには“ある”ことも特徴です。
■変わった点はApple Pencil ProやApple Intelligenceの対応
■eSIMオンリーに、そしてストレージが2倍に
一方で「変わったところ」には、大小合わせて5点を挙げたいと思います。
1点目は今年5月にアップルが発売したApple Pencil Proに対応したこと。廉価モデルのApple Pencil(USB-C)も使えます。
続いては、高いパフォーマンスを備えるA17 Proを中核として、Apple Intelligenceに対応している点。Apple Intelligenceは初期機能が10月のiPadOS 18.1のソフトウェアアップデート以降で、米国英語で提供を開始します。
Wi-Fiによる無線接続は、「Wi-Fi 6E」をサポートしました。また、モバイル通信は5G対応ですが、eSIMオンリーになりました。nanoSIMカードは使えません。
そしてストレージの仕様が変わります。第6世代は最低容量が64GBでしたが、新しいiPad miniは2倍の128GBから。大きい方も256GBから512GBに拡大しています。
小容量モデルのスタート価格は7万4800円(すべて税込)です。新製品が発表される直前の第6世代が8万4800円なので6000円安くなったと捉えることはできますが、実際には今年5月にiPad ProとiPad Airを発表した時に値上げが実施されているので「元の価格に戻った」とも言えます。とはいえ、最小ストレージ容量は2倍になっているのでお得感はあります。
■iPad miniをパワフルにするApple Pencil Pro対応
発売前に新しいiPad miniの実機を入手しました。色はパープルでストレージが512GBのWi-Fi+セルラーモデルです。薄さと軽さ、デザインは変わっていませんが、第6世代のパープルに比べると新しいiPad miniのパープルは少し明るい色あいです。
Apple Pencil ProはiPad mini側面の磁気コネクタに取り付けてペアリングとチャージができます。iPad miniの縦横サイズはB6判ノートとほぼ一緒。装着したApple Pencil Proと尺も変わらないので、あらためてコンパクトさが実感されます。
Apple Pencil Proは第2世代のApple Pencilと重さや書き味は変わりませんが、新しく搭載した触覚フィードバックが便利です。ダブルタップやスクイーズのジェスチャー操作が認識されたことが、指先に小さな振動として返ってくるので、ペン書きの作業が滞ることなくスムーズになります。
筆者の周囲には「Apple Pencilは使わない」と断言するiPad miniユーザーが何人かいます。そんな人にはアドビのLightroomアプリによる写真の色味調整など、Apple Pencil Proを使って色んなアプリがより直感的に操作できる快適さを、ぜひ多くのiPad miniユーザーに味わってほしいです。
Apple Pencil Proのスクイーズ操作によるメニュー表示など、ジェスチャー操作に対応するアプリはアップル純正のメモやフリーボードのほかにも増えています。筆者がよく使うGoodNotes 6やAdobe Frescoはいち早く対応しました。これからも増えると思います。