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~ママ向けブランド立ち上げのために奮闘! アラフォー姉妹によるチャレンジ②

新しい挑戦にワクワクが止まらない! 姉妹でタッグを組んで理想のワンピースづくりに突き進む

文●杉山幸恵

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妹、パタンナーから受けた最後のバトン! 自分に妥協を許さずサンプルを制作

 「Antique Carrie」始動当初、縫製スキルが不足していると感じていた小柳さんは、縫製の工程は工場の力を借りることに。しかし、量産方式にすることで、需給予測やコスト管理が大変だと気づき、ある時から「自分で縫えたらいいな」と思うようになったという。

 「自分で縫製をすることで必要量を用意したり、細かい仕様にこだわれたり、お客様の要望に応えた柔軟なサイズ調整が可能になります。そう思い立ってから数年間、縫製の勉強を行い、現在に至ります。既に『Antique Carrie』の方で自身の縫製品を販売したり、個別相談のオーダーメイド対応を行なっていたりと経験はあったので、『Carrie‘s Mom』の縫製は自分で行うことにしました」

 縫製スキルを身に付けたといえど、まだ日々進化中でもある小柳さん。縫えるアイテム、まだ縫ったことがないアイテムがある中で、今回のワンピースはそれほど難易度が高すぎるというものではなかった。しかし、品質を意識した際に「よりきれいに見えるにはどうしたらよいか」という点で試行錯誤したそう。

 「ネックレスワンピースは、Vネックのラインや、ネックレス紐を縫い付ける位置と角度、紐の幅で苦労しました。当初はワンピース生地と同じ生地を布ループ(細く縫って表裏を返したもの)にしようと思っていましたが、細すぎて表裏をひっくり返せずに断念。代わりになる素材を探すことになり、リボン、レース、ゴム紐などで試作。結果、ニット生地にたどり着きました」

ネックレス紐は柔らかなニット素材に。「デザインの雰囲気も崩さずに成功したと思います」と小柳さん

 「巾着ワンピースは、巾着部分を絞る紐の取り付け方、スカートのギャザーの寄せ方に苦労しました。大きなポケットが付いているため、スカートとポケットを一緒に縫ってしまうと ギャザーが寄せられず汚く見えてしまいます。一度目のサンプルではそこを失敗して、改良案を考えました」

絞りの部分に苦労したという巾着ワンピース。何度も試作を繰り返し、サンプルをつくり上げていった

 縫い直しや多岐にわたる微調整などを繰り返し、なんとかサンプルが完成。巾着ワンピースの出来には2人とも満足だったが、ネックレスワンピースには物足りなさを感じた。

 「無地一色でなんだかつまらない…ネックレスだけでは弱く、せっかく作るのだからありがちなデザインから脱却したい…と。そう思って姉妹2人でアイデアを出し合っては行き詰まってを繰り返していたところ、たまたまそこに居合わせた妹の長男から思いがけないひと言が(笑)。なに気なく言ってくれたと思うのですが、リボンならばよりかわいくなり、素材もシフォンのような柔らかなものにするといいねと、採用することにしたんです」

 巾着ワンピース、ネックレスワンピース共に、姉妹の思いが詰まった一着が完成。そして、いよいよ新ブランド「Carrie‘s Mom」のデビューの時が近づいてきた。

 「姉妹で作り上げてきた『Carrie‘s Mom』のお披露目の場として、『THUNAGARU』というイベント名で展示会を開催させていただきます。文字どおり洋服をとおしてお客様とつながりたい、そして妹が社会とのつながりを取り戻す場所という、2つの思いを込めました。会場では実際にお手に取っていただけるほか、試着も可能です。この半年間走り続けてきたアウトプットをご覧いただけたらと思います!」

 デザイン画からつくり上げてきた2種類のワンピースのお披露目に向けてラストスパートをかける2人。ブランドロゴを印刷したショップバッグや商品タグの制作、そして展覧会の準備、そして気になる展覧会当日の様子などについては次回へと続きます!

 ■Carrie‘s Momデビューイベント「THUNAGARU」

 日程:2024年11月2日(土曜)14:00~18:00、 3日(日曜)・4日(祝日) 10:00~17:00

 場所:東京都渋谷区猿楽町25-3(代官山駅入口交差点近く)

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