このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

PG32UCDP、PG32UCDM、XG27AQDMGをレビュー

妥協をゆるさないゲーマーが選ぶべき、ROGの最新有機ELゲーミングモニター3選

2024年10月02日 10時00分更新

文● 宮崎真一 編集●ジサトラユージ/ASCII

提供: ASUS JAPAN株式会社

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 ASUSはROGブランドでゲーミングモニターのラインアップを豊富に展開している。中でも、OLED(Organic Light Emitting Diode)パネルを採用した有機ELモニターは、同社のハイエンドモデルとして注目の存在だ。

 有機ELモニターは、色味の鮮やかさやコントラストの表現に優れる。その美麗な画面でゲームがプレイできるとなれば、興味を持つゲーマーも多いことだろう。

 そうした中、ASUSから今秋、ゲーミング向けの新たな有機ELモニターが登場した。8月23日に発売した「ROG Swift OLED PG32UCDM」(以下、PG32UCDM)と、9月25日に発表された「ROG Swift OLED PG32UCDP」(以下、PG32UCDP)、「ROG Strix OLED XG27AQDMG」(以下、XG27AQDMG)の3機種だ。

 本稿では、これらの有機ELゲーミングモニターについて、詳しく紹介していきたい。

4K/240HzとフルHD/480Hz動作に対応
ROG Swift OLED PG32UCDP

直販価格:21万3120円

 PG32UCDPは、31.5型で解像度は最大4K(3840×2160ドット)をサポートするモデルだ。

 有機ELらしく輝度は最大450cd/m2と高く、HDR利用時のピーク値は1300cd/m2にも達する。有機ELモニター向けのHDR指標である「Display HDR True Black 400」の認証も取得。色域はDCI-P3が99%を誇り、色再現性も良好だ。

 コントラスト比は150万:1とかなりの数値になっており、有機ELモニターならではのメリハリの効いた美麗な画面を実現している。視野角は水平と垂直ともに178度と十分な広さで、斜めから画面をのぞき込んでも輝度のバラつきや色ムラは確認できなかった。

 特筆すべきは、解像度/リフレッシュレートの異なる2種類のモードをサポートしている点だ。ASUSが「Dual Mode」と呼ぶこの機能により、“4K/240Hz”もしくは“フルHD/480Hz”の2つのモードを任意に選択できる。これらのモードは、OSDメニューの「Frame Rate Boost」から変更可能だ。

 また、ゲーミングにおいてリフレッシュレート同様に重要視される応答速度も、GTGで0.03msと非常に高速だ。Frame Rate Boostと合わせて、プロゲーマーでも満足できるスペックを備えていると言っていい。また、画面のチラつきを抑える「有機ELアンチフリッカー」も搭載している。

OSDメニューに用意されたFrame Rate Boostの設定項目。通常時は4K/240Hzで、ブーストを有効にするとフルHD(1920×1080ドット)でリフレッシュレートが480Hz動作となる

Windows 11の「ディスプレイの詳細設定」を見るとリフレッシュレートが480Hzで動作しているのが確認できる

 さらに、OSDメニューには「GameVisual」と呼ばれる項目を備え、そこに「AI Visual」という機能が用意されている。これは、画面の状況を認識し、自動的にモニターの設定を切り替えるというもの。ゲームなどのジャンルに合わせて、明るさやコントラストなどを自動設定してくれる点はありがたい。

 そのほか、OSDメニューの「GamePlus」と呼ばれるサブメニューには、画面中央に照準点を表示する機能やタイマー、ストップウォッチ、ターゲットを狙いやすくするスナイパー、暗視ゴーグルのように暗がりでも視認できるスナイパー暗視、FPSカウンター、モニター整列といったゲームに役立つ機能がまとめられている。

 さらに、背景に合わせた照準点の色調整、シーンの暗い部分を自動的に補正するシャドウブースト、自動的にズームインを行うスナイパー、それにMOBAで戦闘が検出されると通知するMOBAマップヘルパーといった機能を、すべてAIを活用して実現しているとのこと。ゲームによっては使用を制限される可能性はあるが、ゲームプレイを快適にする機能であることは間違いないだろう。

照準点やタイマーなど、ゲームで便利な機能がまとめられたGamePlusのサブメニュー

OSDメニューの「AI Assistant」のサブメニュー。ゲームに特化した機能が、AIにより自動で適用されるようになる

 PG32UCDPのサイズは、スタンド込みで714(W)×274(D)×579(H)mmと、31.5型として一般的な大きさ。スタンドはハ型の台座に太さが90mmほどある支柱を組み合わせたタイプ。台座と支柱はネジ1本で固定するが、ネジにツマミが付いているのでドライバーを用意する必要がなく、支柱も爪を引っ掛けて液晶パネルに固定するので、このサイズで組み立てがツールレスである点はかなり使い勝手に優れている。

 ユニークなのは台座の支柱接合部にLEDが搭載され、その光が直下の机にROGロゴを反射してゲームプレイ時に高揚感を煽ってくれる点だ。背面にもロゴが点灯するがこちらは虹色に光り、スタンドのロゴは赤色に点灯する。

 なお、スタンドの高さは0~80mmの範囲で調整でき、前後の傾きを調整するチルト機能は-5~+20度、左右の向きを調節するスウィーベルは左右とも15度の調整が可能だ。また、100×100mmのVESAマウントにも対応している。

ROGロゴのイルミネーションが机に反射するギミックを搭載

 映像入力端子は、DisplayPort 1.4、HDMI 2.1×2、USB Type-Cと4系統を配備。なお、このうちFrame Rate Boostでリフレッシュレート480Hzが利用できるのは、DisplayPortとHDMIを使用している場合に限られる点は覚えておきたい。

 さらに、これらの端子を複数使用することで、液晶パネルに2つの画面を同時に表示するピクチャーインピクチャー(以下、PIP)とピクチャーバイピクチャー(以下、PBP)をサポート。PIPは、サブ画面を4隅に表示できるほか、PBPでは画面を同じ大きさに2分割したり、片方の画面を大きくしたりすることが可能だ。なお、スピーカーは搭載していないものの、ヘッドフォン出力用のミニプラグと、S/PDIF出力端子を備えている。

映像入力ポートは、本体裏面の左側に搭載する。左から、電源入力ポート、HDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4を搭載。PIPやPBPにも対応している

 さらに、PG32UCDPは映像入力端子のほかにUSBハブ機能を有し、USB 3.2 Gen.1(Type-A)を3基搭載する。なお、これらのUSBを使用するためには、本機のUSB Type-BとPCを接続する必要がある。また、映像出力としても利用できるUSB Type-Cは90Wの給電機能を有しており、USB Type-Cで充電しながら映像入力も同時に行うといった使用方法も可能だ。

USB等のインターフェースは、背面右側に搭載。写真左からUSB Type-C、USB Type-B、USB 3.2 Gen.1(Type-A)×3、ヘッドフォン出力、S/PDIF出力の順に並ぶ

 PG32UCDPはKVM機能も備えており、2台のPCでキーボードやマウスを共有することが可能。例えば、デスクトップPCの映像出力をDisplayPortやHDMIに接続し、別にノートPCとUSB Type-Cでつなげた場合、本機のUSBハブにキーボードとマウスを接続するとどちらのPCからも利用できるというわけだ。なお、これらのPCの切り替えは入力端子を選択することで行われる。

 OSD操作用ボタンは、液晶パネル底部の中央裏側に配置されたスティックとボタンで行える。スティックの操作性は良好で、OSDメニュー非表示時は、上に倒すことでFrame Rate Boost、左でOSDメニュー、下で有機ELの焼き付きなどを除去するピクセルクリーニング、右でGamePlusのメニューがワンタッチでそれぞれ呼び出し可能だ。

 なお、左のボタンではAI Assistantメニューが表示され、前述のAI機能が利用できる。また、Windows上からモニター設定を操作できる「ASUS DisplayWidget Center」というツールも用意されてり、操作性は優秀だ。

液晶パネルの中央底部に用意されたOSDメニュー操作用のボタンとスティック

 PG32UCDPはACアダプターを使用するタイプで、定格出力20V14Aの280Wのものが同梱されている。また、USB 3.2 Type-A-Type-B変換ケーブル、USB Type-Cケーブル、DispalyPortケーブル、HDMIケーブルと付属品はかなり充実した構成だ。価格はハイエンドらしい価格だが、これだけの仕様と使い勝手のよさを考えると非常に魅力的な1台と言っていいだろう。

PG32UCDPの主なスペック
パネル 31.5型WOLED(非光沢)
解像度
(アスペクト比)
3840×2160ドット(16:9)
最大表示色 約10.7億色(10bit)
最大輝度 450cd/m2
HDR時最大輝度 1300cd/m2
コントラスト比 150万:1
視野角 178度(水平)/178度(垂直)
リフレッシュレート 4K時:最大240Hz/フルHD時:最大480Hz
応答速度 GTG 0.03ms
インターフェース HDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4、USB 3.2 Gen.1(Type-A)×3、USB Type-B、USB Type-C、オーディオ出力、S/PDIF出力など
チルト -5度~+20度
高さ調節 80mm
スイーベル 左右15度
ピボット -
スピーカー -
サイズ/重量 約714(W)×274(D)×579(H)mm/約7.3kg
その他 AMD FreeSync Premium Pro、DisplayHDR 400 True Black、KVM機能、VESAマウント(100×100mm)

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ