本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「製造業IoT/DX事例3選と、IoT回線コスト最適化テクニック」を再編集したものです。
目次
事例紹介三井化学株式会社:閉域網を使ったテレビ会議システムで現場と事務所を繋ぐ
Mitsubishi Electric Europe:空調制御
象印マホービン株式会社:みまもりホットライン
IoT回線コスト最適化テクニック:
SIMのステータス管理と料金最適化
おわりに
こんにちは、ソリューションアーキテクトのtaketoです。
今年の夏は、夏バテ対策の食べ物のオクラ・トマト、たまに鰻を積極的にとっていたのですが、完全にやられてしまいました。避暑地に行きたい今日この頃です。みなさんも体調には、気をつけてくださいね。
さて、本日は製造業にフォーカスし、最近公開となった事例をいくつかご紹介したいと思います。また、最後に製造業では避けられない「在庫期間」について、その回線料金の最適化の方法をご紹介したいと思います。
事例紹介
三井化学株式会社:閉域網を使ったテレビ会議システムで現場と事務所を繋ぐ
三井化学株式会社では、工場の製造現場効率化を測っており、この事例は現場の映像や点検記録といった作業に必要な資料の共有を閉域網でシステム構築している例です。
製造現場では日々様々な問題が発生しますが、常にその情報を遠隔地の方に共有することで作業の効率化を測るユースケースは非常に大きな課題で、みなさまの活動でも検討されたことがあるのではないでしょうか?
この事例のシステム構成は、テレビ会議システムをオンプレミス環境でホストし、SORACOMの回線からVirtual Private Gateway(以降、VPG)とSORACOM Canal、SORACOM Directで閉域網接続しています。
SORACOM CanalでAWSのVPC常に閉域網接続し、管理された資料にそれぞれの端末からアクセスする仕組みです。
Mitsubishi Electric Europe:空調制御
Mitsubishi Electric Europeでは、EUに空調機を販売しています。「プレスリリース:Mitsubishi Electric Europeが、 欧州で展開する空調・暖房のリモート管理システムに SORACOMを採用」でも発表させて頂きました。昨今、オンデマンドで気候に対応してエネルギーを節約できる空調・暖房システムへの需要が増加しており、空調機を遠隔制御する「MELCloud」は、三菱電機のエアコン、暖房、および熱回収・換気システムの性能と効率を最適化する様々な機能を提供しています。
利用いただいたSORACOMのサービスはSORACOM Airです。SORACOM IoT SIMは日本国内を含むグローバルでご利用頂けます。特にこの事例のように販売国が複数である場合には、弊社のSORACOM IoT SIMは1枚のSIMで各国利用可能であることから非常に多くのお客様にご利用頂いております。
象印マホービン株式会社:みまもりホットライン
象印マホービン株式会社は、「みまもりホットライン」という高齢者向けの見守りサービスを提供しています。1日2回、任意に指定された時刻に「電源を入れた」「給湯した」といった使用状況がメールで通知され、ご家族の安全を知ることができます。
インタービュー記事でもご紹介下しましたが、2001年から展開しているサービスで、昨年フルリニューアルしておりクラウドをフル活用したシステム構成が採用されています。
利用されているサービスはSORACOM BeamのMQTTエントリポイントです。今回ビジネス要件からAzure IoT Hubを利用したMQTT通信の採用を決定されましたが、デバイスから直接通信はせずにSORACOM Beamを活用頂いております。
SORACOM BeamのMQTTエントリポイントを利用いただくことで、Azure IoT Hubで必要なデバイス証明書はそれぞれのポットに個別の証明書をインストールする必要がありますが、その手間がなくなります。証明書管理をクラウドで行うことで、製造過程での運用負荷を削減している事例です。デバイスからは、MQTT通信を行い、SORACOM BeamからTLS暗号化を伴うMQTTSでAzure IoT Hubと接続しています。
IoT回線コスト最適化テクニック:
さて、少しおまけトピックですが、製造業で製品を在庫に保管する期間について深掘りしてみましょう。
通常、私たちが日々使う携帯回線は月額〇円と実際の利用の有無に関わらずその月額料金がかかることが多いですが、在庫期間のあるIoT製品ではどうでしょうか?この期間の費用は通常日常生活で利用している通信回線であればその期間も料金が発生してしまいますが、IoT製品についてはこれを削減したいというご相談を頂くことがあります。
SORACOMが扱う日本を含む海外でも利用可能なSORACOM IoT SIMは、SIMステータスという概念があります。通信プランによって利用できないこともありますが、例えばplan01sでは「利用開始待ち(standby)」「利用中断中(suspended)」というステータスがあり、この2つのSIMステータスは1年未満であれば月額基本使用料が無料となります。ただし、これらから、再度「使用中(active)」や「休止中(inactive)」に変更した場合は、手数料がかかります。
概ね、在庫期間など1ヶ月以上通信しない期間がある場合は、「利用開始待ち(standby)」「利用中断中(suspended)」のステータスを利用した方がお安くご利用頂けます。
「利用開始待ち(standby)」「利用中断中(suspended)」の違いは、デバイスが通信しようとする際の挙動です。「利用開始待ち(standby)」は通信モデムが通信開始しようとした際にも許可され自動的に「使用中(active)」に遷移することで通常通り通信が可能です。一方で、「利用中断中(suspended)」は、SORACOMから通信確立が拒否され、通信ができません。明示的に、APIで「使用中(active)」に遷移させることで再度通信が可能になります。このステータスはエンドユーザーに通信をさせたくないケースで、例えば従量課金で提供している製品・サービスの契約期間が一度終了し、再度更新するまでの期間でご利用頂くといったケースがあるでしょう。
製品ライフサイクルと、SIMのステータス管理の例を下記に示していますので、是非参考にしてください。
SIMのステータス管理と料金最適化
((*1) 1 年を経過するごとに、更新料 (1.8 USD) が発生します。)
おわりに
いかがだったでしょうか?
製造業のIoT最新事例をお届けしました。皆様にも同様の課題があれば是非参考にして頂ければと思います!
― ソラコム松永 (taketo)
投稿 製造業IoT/DX事例3選と、IoT回線コスト最適化テクニック は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
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