旧横濱ビル跡地に「(仮称)横浜市中区海岸通計画(A-1地区)」着工
日本郵船と三菱地所、鹿島建設は5月1日、共同で設立した特定目的会社を通じて推進する「(仮称)横浜市中区海岸通計画(A-1地区)」の建物新築工事に着手した。竣工は2027年1月末を予定。
横浜市中区海岸通り地区の旧横濱ビル跡地にて横浜都心・臨海地域全体の都市再生に資する拠点を新たに整備するもので、3社は街の回遊性を向上させるプロムナードの整備、防災機能の強化等を図る。
計画地は横浜高速鉄道みなとみらい線「馬車道」駅徒歩5分に位置し、計画地周辺では横浜第二合同庁舎に加え、隣接する北仲通南地区に横浜市庁舎、新港地区にはよこはま新港合同庁舎が完成するなど、今後さらなる来街者の増加が期待されている地区。関内地区とみなとみらい21地区の結節点として地域活性化の拠点となることを目指し、オフィス、商業施設等を整備することで土地の複合的な高度利用を誘導。関内地区の活力をけん引するビジネスや新たな賑わいを創出し、横浜都心・臨海地域全体の都市再生を推進するとしている。
建物低層部は、隣接する歴史的な建築である横浜郵船ビルの印象的な角面を継承するデザインとし、隣接する横浜郵船ビルの屋階に3枚毎に割付されたデザインを踏襲してビルの外装縦フィンの位置を検討。同ビルのコーニスラインの形状を継承し調和する立面を形成する。
デザインコンセプトは「海の風景と海岸通りの街並みをやわらかくつなぐグラデーション」としており、外構は海岸通りから海側へ誘引するプロムナードを整備し、水際線プロムナードと併せて地区全体の回遊を促す。海を感じさせるゆらぎのデザインを用い、建築デザインと調和させるとともに、水際線を予感させるランドスケープとするほか、プロムナードの舗装材は明るい色調の舗装を基調として水際線に向かう賑わいを創出し、プロムナードの植栽帯に付属させたベンチは、波を表現するとともに、点在する滞留空間が人々を水際線へ誘うよう計画。
災害発生時の市全体の迅速な復興をけん引するため、横浜市防災計画に基づく防災都市づくりの推進を図り、地震や津波等に対する更なる防災対応力の向上に取り組む。帰宅困難者に向けた一時滞留スペースの確保や防災備蓄倉庫の整備、災害時に地域の支援拠点となるため浸水が想定される部分には建物設備の設置を計画せず、災害時も継続して建物を稼働するようになっている。
(仮称)横浜市中区海岸通計画(A-1地区)
所在地:神奈川県横浜市中区海岸通三丁目9番4号
敷地面積:およそ4950平方m
延床面積:およそ7万平方m(予定)
規模:地上21階/地下1階/塔屋1階(予定)
高さ:およそ100m(予定)
新築着工:5月1日
竣工:2027年1月末(予定)
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