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まるで新品なのに安い! パナソニック“再生家電”に注力

2024年04月10日 17時00分更新

文● 盛田 諒(RyoMorita) 編集● ASCI

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Panasonic Factory Refresh
https://ec-plus.panasonic.jp/store/page/pfr/

 エコエコアザラク、家電よ、エコに安くなれーっ!

 パナソニックは4月10日、パナソニック検査済み再生品(保証付)の取り扱いを10カテゴリーに拡大し、同社の公式ショッピングサイト「Panasonic Store Plus」での販売と定額利用サービスを開始すると発表しました。発表に合わせて、名称は「Panasonic Factory Refresh」に刷新しています。

 パナソニックでは、IoTとアフターサービスの強化により、購入した製品を安心して使い続けられるようにすることと、再生品の強化によるサーキュラーエコノミーの取り組みを推進していく考え。今後も様々な方法から“長く安心して使える”製品づくりを目指していくことになりそうです。

冷蔵庫、洗濯機が約2割引き

 Panasonic Factory Refreshは、パナソニックグループ製造事業部の監修のもと同社の厳格な出荷基準を満たしたリファービッシュ品。同社は2023年12月から、中古品でも1年間の保証を適用したリファービッシュ品の販売をドラム式洗濯乾燥機と4K有機ELテレビからスタートしていました。

 今回の発表ではポータブルテレビ、ブルーレイディスクレコーダー、ミラーレス一眼カメラ、冷蔵庫、さらに2024年9月には電子レンジと炊飯器を加え、計10カテゴリーでの事業展開を予定しています。価格は冷蔵庫、洗濯機の例で言えば、4月10日に販売される一部の製品は、通常販売時の約2割引きになっています。

カメラもリファービッシュ品の対象になった

 発表会で展示されていたリファービッシュ品はどれもピカピカで新品同様。洗濯機は実際に使われていた製品を再生させたものだと説明されましたが、まったく使用感がなく、新品だと言われても納得してしまいます。冷蔵庫は鏡面の扉やパッキンなどすみずみまでが美しい仕上がりです。

使われていたものを再生したという洗濯機。新品にしか見えない

冷蔵庫はすみずみまでピカピカ、鏡面仕上げの扉も美しい

 テレビに関しては基板が交換ではなく手作業で補修されており、ICチップを取り付けるはんだがキレイになっている様子が展示されていました。「顕微鏡で見ながら作業するんですけど……」とさらっと説明されましたが、いわゆる中古品とはまったく品質が違うことがよくわかりました。

テレビの基板。ICチップを取り付けるはんだの一部がゆがんでいる

基板を交換するのではなく手作業ではんだをきれいにしている

ICチップがふたたび取り付けられたところ

 パナソニックが実施した調査によると、家電を長く安心して使いたい人は76.7%に上り、その理由として節約や節電、環境負荷への配慮が挙げられています。また、同社のリファービッシュ品の購入者に対するアンケートでは、総合満足度が89%に達し、「価格面やSDGsの側面からみても良い買い物ができた」「中古品と感じさせない仕上がり」といった高い評価を得ているそうです。

ドラム式洗濯乾燥機ヒートポンプユニットもメンテナンス対象に

 パナソニックでは2023年4月に「新たな商売の基準」を発表し、アフターサービスの強化による消費者満足向上に向けた取り組みを続けてきました。全国100ヵ所の拠点を武器に、アフターケアを充実させています。

 具体的には、冷蔵庫でIoT機能を通じて蓄積された顧客情報をもとに、使用状況の定期診断、異常検知などを呼びかけ、メンテナンスを促してきました。2024年5月には、エアコンのアプリからメンテナンスを呼びかける機能を追加予定です。

 メンテナンスサービスとしては、現在取り扱っているエアコンに加えて、2024年5月から新たにドラム式洗濯乾燥機ヒートポンプユニットのクリーニングを関西地域から開始します。サービス料金は1万6500円。独自開発の専用治具を使い、作業終了後の点検確認など安心感を売りにします。

 ドラム式洗濯乾燥機のヒートポンプユニットは4〜5年も経つとホコリが詰まって乾燥効率が落ちてくるそうです。パネルでは乾燥時間が100分間から150分間に延びた例が紹介されていました。わが家のドラム式のヒートポンプは展示されたサンプル以上に汚いのですぐにでも依頼したいです。

今年5月からドラム式洗濯乾燥機 ヒートポンプユニットのメンテナンスを受け付ける。ヘアブラシクリーナーとクエン酸水と水を使ってお手入れしていた

4〜5年経って乾燥経路が詰まってしまうと乾燥時間が100分間→150分間に延びてしまうという。衛生的にもよくない

 また、サーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みとして、2020年から提供してきたサブスク型サービスは、利用者が好調に増加中。昨年度の契約数は前年比で2倍になったそうです。

 今後の展開として、顧客の声を活かした製品開発、自治体との連携、他社との協業、グループ内のシナジーなどを挙げています。パナソニック くらしアプライアンス社が展開している家電付き賃貸サービス「noiful」などと相性が良さそうです。

最新のエアコンではIoTを通じて集まったデータを自動運転機能に反映している

 パナソニックでは指定価格制度という形で、高額な家電を実質値下げできないようにする施策を打っています。これにより、毎年のマイナーチェンジではなく、数年ごとのメジャーアップデートを中心とした“驚きのある”製品展開をしていこうという戦略です。そこで消費者の買い替えサイクルが変わっていくなか、ニーズを補完するカテゴリーとしてリファービッシュ品を追加したという形です。

 まあそういう難しいことを抜きにして、せっかく買ったものを長く使えるようになるのはいいですよね。もともとパナソニック製品は、故障が少なく長く使えることも売りのひとつ。これからも長く使うほどにお得になるような施策をバンバン打ち出していってほしいものです。

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