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「レッツノートは良いけど高い」は本当? TCO(総所有コスト)の視点で細かく考える

情シス部門への調査で探る、ビジネスPC選びで見落としがちな「リスクと損失」とは

2024年03月29日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: パナソニック コネクト

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 数年間に及んだコロナ禍は、日本のオフィスワーカーの働き方を進化させた。在宅ワークやモバイルワークの増加、オフィスのフリーアドレス化などを背景として、ビジネスPCを持ち出す/持ち歩く機会が増えている。

 ビジネスPCを持ち出す/持ち歩く機会が増えれば、移動中の落下などによる故障の発生リスクも高まることになる。業務の要であるビジネスPCが故障すればビジネス機会の損失につながるほか、IT担当者には故障したPCの修復や交換といった緊急対応が求められることになる。

 しかし、企業におけるビジネスPCの選定時には、こうした故障発生のリスクや故障した場合に生じるビジネス上の損失は見逃されがちだ。それは、これらが具体的な数字では表しにくい「見えにくいリスクと損失」だからだ。

 そこでこの記事では、全国の情報システム部門(情シス部門)のIT担当者を対象に行った実態調査の結果から、ビジネスPC選定時の「見えにくいリスクと損失」を可視化してみたい。ビジネスPCを選定する際の貴重な検討資料となるはずだ。

ビジネスPCの故障がもたらす2つの「見えにくい損失」

 ビジネスPCが故障することでどのようなビジネス上の損失がもたらされるのか。もちろんPCの修理代金や代替PCの購入代金も発生するが、そうした「見える損失」だけではない。

 ビジネスPCの故障で生じる「見えにくい損失」は、大きく2つが考えられる。

●PC利用者側での「ビジネス機会の損失」
 現在では、あらゆる業務がPCなしでは成り立たなくなっている。故障から回復までの間は、書類作成も顧客や社内とのオンラインミーティングもできず、業務が停滞してしまう。これは大きな機会損失になりかねない。

●IT担当者側での「作業負担の増加」
 上述の「ビジネス機会の損失」を最小限に食い止めるために、情シス部門のIT担当者は迅速に対応を行い、なるべく早く業務を回復させる必要がある。故障したPCのデータ復旧、代替機の準備、メーカーへの修理依頼などの“緊急対応”が求められることになり、その他の通常業務のさまたげになりがちだ。またPC利用者側でも、重要なデータの取り出しやIT担当者への引き継ぎといった作業が発生する。

 これら2つの損失は、ビジネスPCの選定時には見逃されがちであり、検討もされていないのが現状だろう。しかし、特に導入台数の多い企業ほど故障発生台数も多くなり、それによりもたらされる損失も小さくないものになっているはずだ。

 とは言っても、PC故障で生じる損失がどの程度のものなのか、具体的に見えなければ検討のしようがない。そこでパナソニック コネクトでは、全国の法人の情シス部門(483社)に対してビジネスノートPCについての実態調査を行った※注。以下、この調査結果を分析することで、PC故障のリスクと故障時の損失を「可視化」していきたい。

※注:2024年3月「モバイルパソコンTCO調査 結果報告書」。同調査は、マクロミル社がパナソニック コネクトからの依頼に基づき、法人483社のIT担当者に対して、ビジネスノートPCに関するインターネット調査を行ったもの。

ビジネスPCの利用実態調査から知る、故障による「損失」の大きさ

 まずは、ビジネスPCの利用実態を簡単に確認しておこう。

 コロナ禍前後でビジネスPCの利用スタイルはどう変わったか。コロナ禍以後の現在、PCを「社内で持ち歩いて利用している」とした回答者は60.7%、同様に「社外に持ち出して利用している」は47.6%だった。コロナ禍以前と比べると、「持ち歩き」は6.7ポイント、「持ち出し」は7.8ポイントも増加している。

 それでは、ビジネスPCの故障発生リスクはどの程度あるのか。直近1年間における、社外持ち出しPC(週1回以上持ち出しを行うPC)の故障発生率をたずねたところ、その結果は平均で4.4%だった。つまり、導入台数が1000台規模の企業ならば、IT担当者は「1年間に平均44回(44台)の故障に対応している」ことになる。これは決して小さくない数字だ。

ビジネスノートPCの利用実態と、持ち出しPCの故障リスク

 大切なのは、このように企業で発生するPCの故障が具体的にどの程度の損失を与えるのかという点だ。調査結果から、ここも可視化してみよう。

 損失の大きさを計算するためには、1回の故障発生によって発生する「利用者側の待ち時間」と「IT担当者側が対応に割く時間」を知る必要がある。今回の調査では、それぞれ平均で「19.7時間」「23.7時間」だということがわかった。

 ここまでに挙げた数字を使えば、「ビジネス機会の損失」や「作業負担の増加」を可視化できる。ここでは、1000台のビジネスPCを導入している企業を例に計算してみよう。

 まず「ビジネス機会の損失」については、1年間で故障が44回発生し、利用者は故障1回あたり19.7時間待たされる(業務が滞る)ことから、「1年間でのべ866.8時間(およそ108営業日)」のビジネス機会損失が生じている計算になる。

 ここへ単純に人件費(ここでは6000円/時間とする)を掛け合わせると年間「520万800円」となるが、このダウンタイムの発生によって、たとえばPCに保存した資料が閲覧できず顧客への重要な提案機会を逃したり、発注が遅れて生産や販売に影響を与えたりすれば、その損失はさらに大きなものになるはずだ。

 同様に、IT担当者の「作業負担の増加」を計算してみると、「1年間でのべ1042.8時間(およそ130営業日)」となる。IT担当者の人件費を掛け合わせると、金額にして年間「625万6800円」ぶんの作業負担であり、こちらも少なくない損失だ。

「ビジネス機会の損失」「IT担当者の作業負担増加」を可視化すると……

「見えにくい損失」を減らすための「ビジネスPC選びのポイント」

 こうした「見えにくい損失」を低減させるために、ビジネスPCの選択において注目すべきポイントは何か。答えは単純で、ひとつは「故障率の低さ」、もうひとつは「故障が発生した場合の待ち時間、対応時間の短さ」である。

 特に、企業のビジネスPCは購入から4~5年間は使われるものであり、購入時の本体価格だけでなく「4~5年間のTCO(総所有コスト)」という長期的な観点からコストや損失を検討すべきだ。

 たとえば1000台のビジネスPCを4年間運用する場合に、A社の「故障発生率:5.0%、故障発生時の待ち時間+対応時間:45時間」のPCと、B社の「故障発生率:2.0%、故障発生時の待ち時間+対応時間:平均35時間」のPCとでは、損失額の差がどのくらい出るのか。

 以下は利用者/IT担当者の人件費だけを考えた単純計算だが、B社のビジネスPCを選ぶことで、A社よりも「見えにくい損失」を3720万円も抑えられることになる。これだけの差があれば、B社のビジネスPCの本体価格が多少高くても「TCOで見れば安い」ということが起こりうる。

・A社 PC:故障年50回×45時間×時給6000円×4年間=5400万円
・B社 PC:故障年20回×35時間×時給6000円×4年間=1680万円 ⇒差額:3720万円

「故障発生率」「故障発生時の待ち時間+対応時間」の小さな違いも、TCOの観点で見るととても大きな差を生む

 なお、ここでは人件費だけの大まかな計算をしているが、パナソニック コネクトではさらに「故障1回あたりの発生コスト(修理代金など)」なども加味した、より詳細な試算を行ったホワイトペーパーを公開している。今回紹介している調査に基づき、レッツノートの故障率が平均でどの程度なのか、故障率の違いでどの程度のビジネス機会損失やコスト差が生じるのか、具体的にわかる資料となっているので、ぜひご参照いただきたい。

⇒「モバイルパソコン選定時に見落としがちなリスクとは?」ホワイトペーパー

TCOで考えると「レッツノートは品質が良くて、実はリーズナブル」かもしれない

 ここまでの話をふまえて、TCOという観点からおすすめできるビジネスモバイルPCが、パナソニック コネクトの「レッツノート(Let's note)」シリーズである。

 今回の調査は主要8メーカーのビジネスPCを導入している企業に対して行われたが、レッツノートは社外に持ち出して利用されるケースが全メーカー平均より多いにもかかわらず、故障発生率は平均よりも低かった。レッツノートでは4年間の無償保証(パーツ代や修理費、運送費も含め無償※注)を提供しているが、そもそもこれは“頑丈さ”に自信があるからこそ提供できるサービスだ。

※注:法人モデルのみ。レッツノートのWebサイトからユーザー登録(無料)が必要。

 調査ではもうひとつ、故障発生時の利用者の待ち時間、IT担当者の対応時間についても、レッツノートが平均より短いことがわかった。レッツノートでは、故障時の修理も「引取り保守(工場修理)」だけでなく、全国52カ所のサービス拠点から訪問してその場で修理を行う「オンサイト保守(出張修理)」が選べるため、より短時間でビジネスを回復させられることが期待できる。ちなみにこのオンサイト保守も、上述した無償保証に含まれるサービスである。

* * *

 ビジネスにおけるPCの役割は、今後さらに重要なものになっていく。その中では、今回ご紹介した「見えにくいリスクと損失」も、より大きなものになっていくはずだ。

 レッツノートと言えば「ビジネスPCとしての品質は良いが高い」というイメージを持つかもしれないが、購入時の本体価格だけでなくTCOという視点で、故障率の低さや法人サポートの迅速さによって「見えないリスクと損失」が低減する点までを考えると、「品質が良くて、実はリーズナブル」と言えるかもしれない。ビジネスPCの選択時には、ぜひとも4~5年間のライフサイクル全体を考えて、より良い選択をしていただきたい。

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