機能・性能ほぼ同じで1万円安
サウンドファンは、テレビから流れる人の声をクリアにするミライスピーカーの新製品、「ミライスピーカー・ミニ」の販売を2月29日に開始します。構造をシンプルにすることで低コスト化に成功、従来製品(ミライスピーカー・ホーム)より1万円弱下げた1万9800円で販売するものです。
ミライスピーカーは、平板を湾曲させた振動板による「曲面サウンド」が特徴となっています。ドライバーの先に、長方形の振動板が弧を描くようにつながっており、高音域を広範囲に届けることができます。結果、人の声が聞きやすくなるため、ドラマや映画のセリフが聞こえづらいと感じる中高年ユーザーから高い満足度を得ています。
また、一般的な円錐形のスピーカーは中心から前方に音が広がっていきますが、真横方向ではクリアな音が得られません。これに対し、曲面サウンドは指向性が広く、正面だけでなく真横方向でも音質が変化しにくい特性もあります。
新発売する「ミライスピーカー・ミニ」は、ミニと名付けているものの、従来の「ミライスピーカー・ホーム」より少しサイズが大きく、性能的にも大きな変更はありません。ミニという名称は、昨年発売となった「ミライスピーカー・ステレオ」との対比から付けたそうです。また、部品点数を減らすことにより製造コストも大きく削減でき、より多くの人が手にできる低価格を実現できたとしています。
3m離れても小さなボリュームで聞こえる
デモ機を借りて試してみました。筆者は今年で58歳。自分では自覚していませんでしたが、先日里帰りしていた20代の娘から「テレビの音が大きい」と文句を言われました。言われてみれば、ニュースでもドラマでもバラエティでも人の声がはっきり聞き取れず、ボリュームをかなり上げていたことに気付きました。テレビでは、声と背景音の区別がつきにくく感じるというのがその理由です。
ミライスピーカーを使って見ましょう。まず付属するケーブル(3.5mmステレオ)をテレビのヘッドホン端子に接続します。電源は付属のアダプター(DC IN 12V 1.5A)を使用。迷うことなく設置できるので、高齢者でも扱いやすいでしょう。
自宅のテレビは、ヘッドホン端子を使用しながらでもテレビのスピーカーから音声を出せるモデルなので、この機能をオンにします。というのも、55型の大画面テレビでは片側1個のミライスピーカーだけでは音場に違和感があるからです。また、ミライスピーカーは高音域がクリアに聞こえる反面、低音域が若干弱いため、迫力を求めるにはテレビのスピーカーを併用したほうがよいと考えました。
聞いてみると、確かに人の声がとてもクリアです。これまで全体的にまるっと聞こえていたテレビの音から、人の声が際立って聞こえてきます。また、離れた距離にまで音が良く届くのもポイントです。ミライスピーカーのボリュームダイヤルが「1」の状態でも、テレビから3メートル離れたダイニングテーブルではっきりくっきりと声が聞こえるのには驚きました。LDKのカウンターキッチンで調理している妻も「人の声がはっきり聞こえる!」と驚愕の声。
書斎の32型のテレビにつないでみても違いがはっきり分かります。最近の30-40型クラスの液晶テレビは、ベゼルを薄くするためにスピーカーは正面にはなく、裏側や真下を向けて搭載されています。テレビ台に音を反射させて広げる仕組みです。スピーカー出力が低いこともあって全体的に音がくぐもって聞こえ、特に人の声がぼんやりとして聞こえづらく感じていました。これがミライスピーカーによって劇的に変化しました。リビング同様、ニュースのアナウンサーも映画のセリフもクリアになり、とても聞き取りやすくなります。一度使ったらやめられません。
ステレオタイプと合わせて100万台目指す
ちなみにサウンドファンでは、昨年10月に曲面振動板を2台搭載した「ミライスピーカー・ステレオ」(価格3万9600円)も発売しています。こちらはステレオアンプ内蔵により、人の声だけでなく音楽や背景音も聞き取りやすくなるモデルです。
同社はスタンダードモデルを低価格化したミライスピーカー・ミニを発売することで、ユーザー数の拡大を目指しています。ステレオモデルと合わせて3年以内に累計100万台突破が目標だと言います。