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TUF Gaming&DualのRTX 4080 SUPER/4070 Ti SUPER/4070 SUPERをベンチマーク

前世代から40%アップも!RTX 40 SUPERシリーズ搭載ASUS製カードの進化がスゴイ

2024年02月17日 10時00分更新

文● 宮崎真一 編集●ジサトラユージ

提供: ASUS JAPAN株式会社

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 NVIDIAは、Ada Lovelaceアーキテクチャーを採用した新型GPU「GeForce RTX 4080 SUPER」(以下、RTX 4080 SUPER)、「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」(以下、RTX 4070 Ti SUPER)、「GeForce RTX 4070 SUPER」(以下、RTX 4070 SUPER)の3製品をリリースした。

 それを受けて、カードベンダーから様々な新製品が登場してきているが、そのなかでもASUS製のビデオカードは高い人気を誇る。そこで今回は、これらのGPUを採用したASUS製ビデオカードのパフォーマンスを検証していきたい。

 今回用意したのは、「TUF Gaming GeForce RTX 4080 SUPER 16GB GDDR6X OC Edition」、「TUF Gaming GeForce RTX 4070 Ti SUPER 16GB GDDR6X OC Edition」、「Dual GeForce RTX 4070 SUPER OC Edition」の3つ。またパフォーマンス比較用として、GeForce RTX 3080 Ti/3080/3070をそれぞれ搭載するカードを用意した。

 詳細は後述するが、今回の検証でGeForce RTX 40 SUPERシリーズは、それぞれの対抗機から「3DMark」で最大40%以上、RTX 4070 SUPERでは最大50%を超えるスコアー差を発揮した。さらに、RTX 40シリーズ以降で使用できるDLSS FG(フレーム生成)に対応したゲームでは、前世代と決定的なフレームレートの差を発揮している。

 そんな新世代のRTX 40 SUPERシリーズが、実際にどんなビデオカードなのか、特徴を見ていこう。

人気のTUF Gamingシリーズではファンの冷却性能がアップ

 今回、RTX 4080 SUPERとRTX 4070 Ti SUPERには、「TUF Gaming」シリーズのカードを使用している。PCパーツからデバイスまで展開しているTUF Gamingだが、特にマザーボードやビデオカードなどのPCの中核をなす部分において人気が高い。

 名前の通りゲーミング向けの設計ながら、耐久力に重点を置いた本シリーズは、同社の製品ラインアップでもメインストリームとなっている。今回使用したTUF Gamingカードの主な特徴が以下の通りだ。

・105℃で2万時間の耐えられると評価された、軍用規格のコンデンサーを採用
・耐久性の高いスチール製のバックプレートを採用
・前世代からファンの大型化やブレードの増加を行い、冷却性能や静音性を向上

 そんなTUF Gamingシリーズのビデオカードを、それぞれ詳しく見ていこう。

大型3連ファンを搭載したハイエンドモデル
TUF Gaming GeForce RTX 4080 SUPER 16GB GDDR6X OC Edition

製品URL:https://www.asus.com/jp/motherboards-components/graphics-cards/tuf-gaming/tuf-rtx4080s-o16g-gaming/

TUF Gaming GeForce RTX 4080 SUPER 16GB GDDR6X OC Edition(型番:TUF-RTX4080S-O16G-GAMING)。実売価格は約22万円から

 まずは、TUF Gaming GeForce RTX 4080 SUPER 16GB GDDR6X OC Edition(以下、TUF Gaming RTX 4080 SUPER OC)からだが、製品名から分かる通り、GPUにRTX 4080 SUPERを採用したモデルだ。RTX 4080 SUPERは、RTX 4080を置き換えるGPUで、CUDA Core数は10240基と、RTX 4080の9728基から若干の性能向上が図られている。

 TUF Gaming RTX 4080 SUPER OCは、ブーストクロックは2610MHzで、リファレンスから60MHz引き上げられたクロックアップモデルとなっている。

TUF Gaming RTX 4080 SUPER OCのGPU-Zの実行結果。ブーストクロックが2610MHzに引き上げられているのが確認できる

 さらに、同社が用意するユーティリティー「GPU Tweak III」(Version 1.7.2.3)を使用することで、「DEFAULT MODE」「OC MODE」「SILENT MODE」「USER MODE」の4つの動作モードが利用可能。工場出荷時状態はDEFAULT MODEで、その動作クロック設定は先の通り。

 OC MODEでは、ブーストクロックがさらに2640MHzまで上昇し、さらなる性能向上が期待できる。一方、SILENT MODEはブーストクロックが2580MHzに低下し、TDP(Thermal Design Power:熱設計電力)で制限を加える「Power Target」の項目が100%から94%へと減少する。

 つまり、SILENT MODEでは多少性能を犠牲にしながらも、消費電力を低減させ、静音性を高めることができるというわけだ。なお、いずれのモードでも、メモリークロックは23GHzで変化はない。そのほか、USER MODEは、ユーザーが各種ステータスを自由に設定可能なモードだ。

GPU Tweak IIIからOC MODEに変更した様子。画面上部のタブをクリックすることでモードの変更が可能だ。前世代の「GPU Tweak II」と比べて、設定の導線が分かりやすくなった

 また、カード側面に用意されたディップスイッチで「Performance Mode」と「Quiet Mode」の切り替えが可能。初期状態はPerformance Modeで、Quiet Modeではファンの制御方法が変更され、静音性の向上を実現する。

カード側面のやや前よりにPerformance ModeとQuiet Modeの切り替えスイッチを搭載。ブラケット側がPerformance Mode、逆側がQuiet Modeとなる

 GPU Tweak IIIでは、ブーストクロックを1MHz刻みで2349~2871MHzに変更できるほか、メモリークロックを1MHz刻みで19552~26452MHzに設定可能。GPUコア電圧も、現在の値に対する%表記で、1%刻みで最大100%、つまり2倍に設定することもできる。また、各種ステータスをリアルタイムでモニタリングする機能も有している。

ブーストクロックを2871MHz、メモリークロックを26452MHzに変更してみたところ

GPU Tweak IIIでは各種ステータスをリアルタイムでグラフ表記できるほか、ログとして保存することも可能だ

 TUF Gaming RTX 4080 SUPER OCは、カード長が実測約345mm(※突起部除く)とかなり大きめだが、基板自体は225mmほどしかなく、GPUクーラーがカード後方に大きく張り出す格好だ。さらに、最近のカードでよく見られる表面から裏面へエアーが抜ける構造も健在だ。

裏面には金属製バックパネルが装着されており、カードの剛性と冷却性能の向上に一役買っている

 GPUクーラーは、3.65スロット占有タイプでかなり厚め。100mm角相当のファンを3基搭載し、「0dB Fan」という機能により、アイドル時にファンの回転を停止する機能も用意されている。また、GPU Tweak IIIでは両端の2基と中央の1基を、1%刻みで0~100%に固定したり、ファンカーブから任意の温度における回転数を自由に設定したりすることが可能だ。

GPU Tweak IIIの設定画面では2つのファンカーブが表示されるが、画面左が両側のファン、画面右が中央のファンの設定となっている

ファンは「Axial-tech fans」と呼ばれるブレードと外郭のバリアリングが一体化したもの。ファンは前世代よりもかなり大型のものを採用している。ASUSによると、通常のファンよりエアフローが23%向上しているとのこと

 GPUクーラーは、6mm径が6本、8mm径が2本の計8本のヒートパイプが用いられ、GPUベースと2つの放熱フィンを結ぶ構造。そのGPUベースはメモリーチップに密接し、電源部にもヒートシンクが用意されており、熱対策も抜かりはない。

カードを横から見たところ。放熱フィンはカード前方と後方の2ブロック構成で、その間をヒートパイプで結んでいる構造なのが見てとれる

 補助電源コネクターは12VHPWRに対応した16ピンを1基備えており、8ピン3基を16ピンに束ねる変換コネクターも付属している。なお、映像出力は、DisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1a×2の計5系統を備える。

補助電源コネクターは12VHPWRに対応した16ピンを1基搭載。カード中央からやや後方に配置されている

映像出力はDisplayPortが3基に、HDMIが2基という構成。多くの製品はHDMIが1基のなか、2基あることでヘッドマウントディスプレーを併用する場合などに重宝しそうだ

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