本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「SORACOM STARLINK BUSINESSキットの販売を開始しました!」を再編集したものです。
目次
Starlink BusinessとはSORACOM STARLINK BUSINESSキットとは
構成例1:SORACOM IoT SIMを加えて、衛星通信とLTEで障害に強いネットワーク作り(冗長構成)
構成例2:セキュアリンクサービス「SOARCOM Arc」で、閉域網やリモートアクセス
Startlink Business と SORACOM サービスの役割分担
おわりに
こんにちは、ソラコムの事業開発担当の名児耶(ニックネーム:saki)です。
この度、KDDIが提供する法人向けの衛星通信サービス「Starlink Business」とSORACOMのサービスを組み合わせてご利用いただける「SORACOM STARLINK BUSINESSキット」の販売を開始しました!
本キットの価格は466,270円(税込・送料別)で、ユーザーコンソールまたはIoTストアで本日からお買い求めいただけます。
※ご利用には別途KDDIとの回線契約が必要となり、使用契約料金・プランに応じた月額利用料およびKDDIサポートパックの費用等が発生します。
Starlink Businessとは
スペースX社が提供するStarlinkの衛星通信は、数千機の低軌道周回衛星によって提供されており、従来の衛星通信サービスに比べて大幅に高速かつ低遅延のデータ通信を実現しています。また、提供エリアは日本全国をカバーするため、セルラー通信などの無線通信の届かないエリアでの活用や、災害時などの事業継続計画 (BCP) 対策としてもご利用いただけます。(空が開けていて遮蔽物のない場所に限られます。また、エリアによっては提供ができない場合があります。)
Starlink Businessは、Starlinkの法人・自治体向けのサービスで、家庭用のStarlinkよりも高性能なアンテナを使用するため、通信速度が速く(上り:40~220 Mbps、下り:8~25 Mbps)、混雑時も通信帯域が優先されるためビジネス用途でも安定した通信が可能です。(高速通信および帯域の優先はご契約いただく容量の範囲内に限られます)
また、「ビジネス移設プラン」があり、工事や建設現場など通信したい場所が変わるといった場合にも、機器を移設して異なる場所でも通信環境を構築できるというのもメリットの一つです。
SORACOM STARLINK BUSINESSキットとは
今回ソラコムが提供するSORACOM STARLINK BUSINESSキットは、Starlink BusinessとSORACOMのサービスを組み合わせてご利用いただくためのセット商品となっており、以下の商品が含まれます。
- 「HPタイプStarlinkキット」:Starlink Business用の高性能アンテナ/ベース・電源ユニット・標準(Wi-Fi)ルーター・配線一式が含まれます。
- 「Teltonika RUT241」:広範な動作温度とアルミケーシングを備えたTeltonika社の産業用LTEルーターです。WireGuard方式のVPNに対応しており、SORACOM Arcを使用することで、ルーター配下のデバイスをSORACOMのプラットフォームサービスに接続することが可能です。
※Teltonika RUT241とHPタイプStarlinkキット付属の標準(Wi-Fi)ルーターは、排他的利用(どちらか一方を使用)いただく構成となります。
SORACOM STARLINK BUSINESSキットで、即座に高速の衛星通信が利用いただけますが、RUT241にSORACOMのIoT SIM、もしくバーチャルSIM (仮想SIM)を搭載することで、SORACOMプラットフォームの機能が利用できるようになり、よりビジネス向けのネットワーク作りが可能です。
構成例1:SORACOM IoT SIMを加えて、衛星通信とLTEで障害に強いネットワーク作り(冗長構成)
RUT241はセルラー通信にも対応しています。SORACOM Air for セルラーのIoT SIMを別途お求めいただくことで、衛星通信とセルラー通信の冗長化構成も可能です。セルラー通信が利用できる場所でのバックアップ回線として衛星通信をご利用いただく場合などにおすすめです。
※Teltonika RUT241が対応するサブスクリプションのIoT SIMを別途お買い求めください。対応サブスクリプションは商品ページでご確認ください。
構成例2:セキュアリンクサービス「SOARCOM Arc」で、閉域網やリモートアクセス
WireGuardによるVPN接続サービス「SORACOM Arc」を利用することで、SORACOMの各種プラットフォームサービスに接続できます。
SORACOM ArcとSORACOMの各種サービスをご利用いただくことで、以下のようなサービスをご利用いただけます。
- パブリッククラウドやデータセンターと衛星通信を閉域でつなぐなら
- 「Virtual Private Gateway」SORACOMプラットフォーム上のお客様専用のネットワークゲートウェイです。Starlinkで接続されたデバイスを閉域網でお客様の各種クラウド・オンプレミス環境に接続することができます。
- 衛星通信経由で現場のデバイスにリモートアクセスするなら
- 「SORACOM Napter」SORACOMプラットフォームに接続されたデバイスに対してリモートアクセスできるサービスです。Starlinkで接続されたデバイスに対してリモートから直接アクセスを行うことができます。
なお、SORACOM ArcはVPN接続情報が入ったバーチャルSIM(仮想SIM)をRUT241に設定することで利用できるようになります。
Startlink Business と SORACOM サービスの役割分担
Starlink Businessの回線契約はKDDIへの取り次ぎとなり、お客さまはKDDIと直接ご契約いただく形となります。また、KDDIが提供する「KDDIサポートパック」により、お客様はStarlink Businessに関して24時間365日の問い合わせ窓口のサポートを受けることが可能です。
Starlink Businessのご利用にかかる料金やプラン、サービスの詳細についてはKDDIが提供するStarlink Businessのサービスサイトでご確認ください。
SORACOM ArcやSORACOM IoT SIMなど、SORACOMに関わるサービスは、SORACOMより提供となります。具体的な料金は、ソラコムのサービスサイト(soracom.jp)の各サービスページの料金をご覧ください。(例: SORACOM Arc、Virtual Private Gateway、SORACOM Napter)
おわりに
今回の「SORACOM STARLINK BUSINESSキット」は、セルラー通信が届かないエリア(工事・建設現場や工場、発電インフラなど)でのIoTや、BCP対策・バックアップ回線としてのご利用など様々な用途での活用が考えられる商品となっております。
本キットのご購入を検討中の場合や、Starlink Businessの衛星通信を用いたIoTにご興味がある場合は、是非ともお気軽にお問い合わせくださいませ!
― ソラコム名児耶 (saki)
投稿 SORACOM STARLINK BUSINESSキットの販売を開始しました! は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
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