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「DocuSign CLM」が日本語化 販売体制も構築

電子署名サービスのドキュサインが契約ライフサイクル管理に本腰

2023年08月25日 13時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2023年8月25日、ドキュサイン・ジャパンは契約ライフサイクル管理を実現する「DocuSign CLM」の本格提供を開始した。日本語化が実現されたほか、販売体制を整えられ、国内で増える電子署名の利用拡大のニーズに応えるという。

ドキュサイン・ジャパン 取締役社長 竹内賢佑氏

契約管理がおよぼすビジネスへの影響は大きい

 米ドキュサイン(DocuSign)は電子署名サービスを手がけており、グローバルでの利用者は100万社・10億人に上る。現在、180カ国、44言語で利用可能になっており、400以上のプレインテグレーションが提供されている。ドキュサイン・ジャパンは米ドキュサインの日本法人として、サービスの販売やサポートなどを提供している。

 登壇したドキュサイン・ジャパン取締役社長の竹内賢佑氏は、日本での電子署名の導入がすでに3割に達し、導入予定を加えると63%に及ぶことをアピール。利用企業の多くが活用範囲の拡大を検討しており、特に高くなっているニーズが、今回のテーマである契約ライフサイクルの自動化だという。

 「企業が行なう契約・合意のプロセスの中で、電子署名はたった一部に過ぎない」と竹内氏は語る。一般的には、契約文書の作成、組織内でのワークフロー、本人確認、文書の確認や相手方との交渉を経て、電子署名が担う署名・捺印で契約を締結する。契約締結後も、保管、検索・分析などを行なうこともある。これら一連を管理するのが、契約ライフサイクル管理になる。

契約ライフサイクル管理

 多くの組織にとって、契約ライフサイクル管理は課題も多い。プロセスや作業が属人化していることも多く、承認やチェックのフローも複雑。そもそも紙を使っていることで、トラッキングできないこともあり、デジタルであっても、保管や管理が安全でない場合もある。また、アクセスが容易なデスクトップにファイルが保存されていたりすると、メールの誤送信や情報漏えいにつながる可能性もある。

 裏方に思われがち契約管理だが、ビジネスへの影響はかなり大きい。ドキュサインの調査によると、契約管理の不備により、セールスサイクルが長期化したり、コンプライアンスやリスク管理の問題を引き起こしたり、顧客満足度の低下につながることは多い。こうした契約ライフサイクル全体を管理・自動化するのがDocuSign CLMになる。

ワークフローもドラッグ&ドロップで設計可能

 DocuSign CLMは前述した契約文書の作成、組織内でのワークフロー、本人確認、文書の確認や相手方との交渉、電子署名・捺印、文書の保管、検索・分析などの契約ライフサイクルを一元的に管理する。直感的に利用でき、組織全体に拡張できるのが大きなメリットだという。

DocuSignの概要

 具体的にはテンプレートを用いたワンクリックでの文書作成、契約書の確認や朱字の修正、バージョン管理などの履歴管理が可能。ワークフローの設計もドラッグ&ドロップで行なえるので、あらゆる組織の契約プロセスをカスタマイズできるという。また、SalesforceのようなSFA・CRMやSAP、OracleなどERPなど既存システムとも連携する。

 セキュリティに関しても、堅牢なセキュリティ管理と監視機能を備えたストレージを採用し、検索性も高い。また、厳しい監査にも対応できる追跡や監査機能も持っており、レポートも可能だ。SOC2、HIPPA、TRUSTe、FedRAMPなどのセキュリティ基準、コンプライアンスを遵守している。

 グローバルでの事例も披露された。POSやATMの大手メーカーであるNCRはDocuSign CLMの導入により、3週間かかっていた契約プロセスを3日に短縮できたという。これにより、営業担当者は新規顧客の開拓や日々の営業活動に多くの時間をかけられるようになった。また、データセンター事業者のFlexentialはDocuSign CLMで見積もりと契約プロセスを自動化した。手作業は75%削減され、営業事務の時間も80%削減できたという。

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