本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「エンジニアからソリューションアーキテクトに転身するメリットや楽しさとは」を再編集したものです。
目次
エンジニア出身者からみたソラコムのSAとはエンジニアがソラコムSAを経験するメリット
ソラコムのSAで重視されるポイント①:技術力
ソラコムのSAで重視されるポイント②:技術的コミュニケーション
柔軟なパスが選べるソラコムのキャリア制度
今回は、現在ソラコムで積極的に募集中のソリューションアーキテクト(SA)についてご紹介します。
SAとは、IoTに関するお客様の希望に沿ったシステム構成を提案するロールです。深く広い技術的な知見を背景に、商談時には技術的な解説をしてお客様の理解を促進する営業的な側面や、実装後もお客様と伴走しながらハンズオンも伴うアップデートをお手伝いする技術者的側面から、ソラコムのサービスとお客様との重要な架け橋を担っています。
お話を伺うのは、エンジニア出身で最近までSAとして活躍されていた松本悠輔さん(ニックネーム:ysk(ユースケ)、以下ysk)です。
これからSAになりたい人、ソラコムのSAって何?を知りたい人、技術職でのキャリアチェンジを考えている人にとって、とても参考になる内容ですので、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
プロフィール 松本悠輔(ysk) SIer、Web開発を11年経験したのち2018年にソラコムに入社、ソリューションアーキテクトとして5年間お客様のSORACOM導入を支援し、2023年7月からエンジニア職に就く。 |
聞き手 原田亮一(rio) 人事部 タレントアクイジション. 新卒で日系SIer企業にて約10年間SE・PjMとして従事。その後、人事にキャリアチェンジをして外資IT企業でエンジニア系のリクルーティングを担当、2020年にソラコムにジョインし、採用全般をリードしている。 |
エンジニア出身者からみたソラコムのSAとは
rio:ソラコムでは現在、SAの採用を強化しており、yskのようにエンジニアからのキャリアチェンジとしても、ぜひご応募いただきたいと思っています。ソラコムのSAとしての業務について教えてください。
ysk:ソラコムのSA職は、想定していたよりも技術力の幅広さと深さを求められるので、エンジニアとしての経験を生かせて楽しいですね。実はソラコムのSAは全員エンジニアのバックグラウンドを持っているんですよ。
技術的なデモ作成はもちろん、対外的なイベントに登壇もしますし、ブログを書いたり本の執筆をしたりすることもあります。ほかにも企業のエグゼクティブへのプレゼンなど、貴重な体験もできます。なによりも個別のお客様に、顔と名前を出しながらIoTシステムを一緒に作っていくのは楽しいですね。
もちろん、苦手な活動を無理強いをされることはありませんし、むしろあまり決まった活動のない、かなりクリエイティブなロールだと思います。
エンジニアがソラコムSAを経験するメリット
rio:現役エンジニアの方にとって、”ソラコムのSA”を経験するメリットとは何でしょうか?
ysk:そうですね、現状エンジニアとしてのキャリアといえば、大きく分けて2つあると思います。専門性を高めていくIC(Indivisual Contributer)としての道と、マネジメントとしての道です。
もしソラコムでSAを経験すれば、上記以外のキャリアの選択肢がさらに増えるはずです。
たとえば、スタートアップやエンタープライズの技術責任者ですね。技術だけでなくビジネス感覚も養われるのがソリューションアーキテクトの醍醐味の一つです。戦士が魔法を覚えて「魔法戦士」になるような感じで、”技術のわかるビジネスパーソン”になっていくのは大きな強みです。
rio:分かりやすい例えですね(笑)。
ysk:また、セールス職への発展の道も見えてくるかもしれません。実際に社内にはエンジニア経験のあるセールスが多くて、技術系SaaSのセールスは技術的な知見が求められるので納得のキャリアパスですよね。
そして、私がそうしたようにSAからエンジニア職に戻ってプロダクトを開発する道もありますよね。
編集注:yskの現職はエンジニア。後述しますが、ソラコムには柔軟なキャリアパスが選択できる制度があります |
開発者にとって、お客様に対して直接提案する立場を経験しているのは大きなメリットがあると感じています。将来、独立して起業する道を選んだとしても間違いなく良い経験になります。
rio:確かに採用側の視点としても、「エンジニア一筋」という方ももちろん魅力的ですが、SA業務を経験されて顧客折衝も含めたビジネス的な観点を持っている方はCTO(Chief Technology Officer)やVPoE(Vice President of Engineering)として幅広くご活躍いただけそうですよね。
ysk:ソラコムでも実際に、CEO/CTO/VPoE/SA Managerと役職の半数がSA出身です。SAの多様なキャリアパスを体現している方々が身近にいるのも刺激を受けますね。
ソラコムのSAで重視されるポイント①:技術力
rio:ここまでのお話でソラコムのSAは、かなり活躍の幅が広く自由度も高い印象があります。そんな中で、ソラコムのSAとして活躍するために必要なポイントはどのような点でしょうか。
ysk:一つ目は、やはり「技術力」です。
お客様の質問の意図を正しく理解してスピーディーかつ的確に回答するには、技術的な理解が欠かせません。IoTのプロジェクトはフェーズによってスピード、セキュリティ、ガバナンスなど重視するポイントが変化するため、「いま必要な回答」を素早く提供しないといけないのです。
一方で、求められることには何でも応えればいい、というわけでもないのがポイントです。ソラコムのCTO(Chief Technology Officer、最高技術責任者)である安川健太の以下の言葉が印象に残っています。
「もしあなたが医者で、『〇〇という薬が欲しい』とやってきた患者に言われたまま薬を処方することはないですよね。まず、専門家として診察するじゃないですか。ソリューションアーキテクトってそういうことですよ」
rio:技術的知見に基づいた適切な判断が求められるのですね。営業職と混同されることも多いSAの専門性がよく分かる言葉です。
ysk:技術力として、ソラコムのSAはハンズオン(実際に試してみる)の機会が多いのも特徴です。
ソラコムのSAで重視されるポイント②:技術的コミュニケーション
ysk:もう一つのポイントが、「技術的なコミュニケーション」です。私の前職はWeb開発エンジニアだったのですが、スピードや重点箇所の判断も結局すべて自分次第。事業の推進が大前提なので技術的な本質のキャッチアップは後回しにすることもできました。
ソリューションアーキテクトは、先ほどお伝えしたように、お客様からの問いかけに対して、最適解をお伝えしなければならないのです。コミュニケーションの質やスピードが求められます。
rio:具体的にはどのような内容になりますか。
ysk:たとえば、「すべての選択肢を比較検討したい」とおっしゃるお客様は少なくありません。しかし、SORACOMのサービスは多岐にわたるため、どのサービスがお客様のシステムにフィットするかを全て一緒に検討していてはお客様の時間を奪ってしまうことになります。
そこで、できるだけ効率的に質問をしてアーキテクチャを頭の中で構築し、結果として「こういう仕組みがいいと考えます。なぜなら・・・」と選択肢を明確に示すことが大切だと考えています。
rio:なるほど。コミュニケーション力と聞くと、セールスのようなプレゼンスキルが求められると思いがちですが、あくまでお客様目線に立った技術的知見に基づいた冷静な対話が必要ということですね。
ysk:ええ。もちろんお客様によっては意思決定のために複数の選択肢を示すことが重要な場合もありますので、シーンごとに話の運び方を使い分けるようにしています。こういった考え方はSAをする前には強く意識していなかったので、自分の中で大きく成長できた点ですね。
製品の魅力だけでも、製品の価格や正しい仕様といった事実を提示するだけでも不十分で、「相手に届くように届ける」ことが本当に何よりも大切だなと考えるようになりました。5年間SAを経験して、一番意識するようになったことですね。
柔軟なパスが選べるソラコムのキャリア制度
rio:yskは現在、エンジニア職ですね。ソラコムには、このように柔軟なキャリアチェンジができる制度があります。
ysk:はい。将来的にソラコムのビジネスのフェーズが変わったり、別の課題が出てきたりすれば、その時に自分が楽しめて良いチームワークを生み出せる役割を、また考えたいと思います。
SAは楽しいので、いつかこっそりrioにSA面接攻略法を相談するかもしれません(笑)。
rio:いつでもどうぞ(笑)。柔軟なキャリアチェンジはソラコムならではです。
ysk:いつでもそれが実現できると思わせてくれるカルチャーがあるのは間違いないですね。
ソラコムSAはみんなエンジニア出身だとお伝えしましたが、出身領域は全員異なります。ロケットの制御システムを開発していた人、起業していた人など多様で、IoTやセルラーの経験がある方は、実は本当にごくごく一部です。
セルラーの仕組みに関しての知識は入社してからキャッチアップしてもらえれば良いですし、それよりもクラウドを活用したスケーラブルなWebシステムの開発経験があったり、大規模なエンタープライズネットワークを構築したりした経験をお持ちの方は大歓迎です。興味を持ってもらえたら嬉しいです。IoTとセルラー、めっちゃ面白いですよ!
キャリアチェンジが柔軟なソラコムだからこそ、エンジニアの方には一度、ソラコムのSAにチャレンジしてほしいですし、キャリアの幅が広がっていく入り口だと捉えていただきたいです。
rio:本日はありがとうございました!
ー書き手 ソラコム北川(ニックネーム:martha)
投稿 エンジニアからソリューションアーキテクトに転身するメリットや楽しさとは は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
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