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PoCの計画立案のポイントや実践例を公開 ― 7/21開催:IoT-Tech Meetup レポート

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 本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「PoCの計画立案のポイントや実践例を公開 ― 7/21開催:IoT-Tech Meetup レポート」を再編集したものです。

こんにちは、ソラコムの松下(ニックネーム:Max)です。

IoTをはじめ、新たな取り組みに不可欠なのが「概念検証 = Proof of Concept(PoC)」です。投資判断の前段階のフェーズとして、よく聞かれるようになりました。一方で「PoCのゴールはどうすれば」「効果的、効率的なPoCの進め⽅が分からない」という課題もあります。

7/21に開催した、IoT技術を学ぶテックイベント「IoT-Tech Meetup 第3回【PoCのアンチパターンと処方箋】」では、PoCの計画立案の全容からポイント、そして実践例を紹介しました。その概要や資料をブログでお伝えします。

IoT-Tech Meetupとは?

「IoT-Tech Meetup」は、ソラコムが持つIoTや周辺技術の知見を、主にエンジニアの方に共有する事を目的としてシリーズ開催する無料のオンラインセミナーです。セミナーは、プレゼンテーションの他にQAも用意して、参加者の学びを深めていきます。

「IoT-Tech Meetup」が取り扱うテーマは、Raspberry Pi(ラズパイ)やM5Stack、クラウド型カメラといったハードウェアから、サーバーレスIoTやAIといったクラウド・ソフトウェア、そしてMatter等のIoT向け規格、法規やオープンソースライセンスといったあらゆる面で、IoTを活用するエンジニアの方に役立つ内容を企画・定期開催しています。

【セッション1】IoTの振り返りと、PoCフェーズの位置づけ

まず私(Max)からは、IoT自体の全体像と、PoCの位置づけをご案内しました。

IoTは、要素としては「デバイス・ネットワーク・クラウド」で構成されていますが、紐解くと多くの技術の組み合わせでできていることがわかります。自由度、すなわち目的に応じた最適な組み合わせを作ることができますが、逆に言えば「様々な組み合わせを試す必要がある」わけです。

そこで、実現性を検証していくPoC(Proof of Concept; 概念検証)のフェーズが必要であり、できる限り行ったほうが良いという紹介をしました。

IoTの全体像や組み合わせについての資料はこちらに掲載しています。

【セッション2】PoCの取り組みの基礎と、PoC実施ポイントの総まとめ

ソリューションアーキテクトの須田(ニックネーム: Kei)より、PoCの目的や役割、そして全体像を紹介しました。

PoCの目的は「技術的な実現性」「机上を超えた学び」「本番に向けた見積もりや予算獲得」があります。すべてを満たすというよりは、規模に応じて目的自体も取捨選択となりますが、概ねこの3方向があることさえ理解しておけば良いとのこと。

そしてPoCよりも先に行っておく「フィージビリティスタディ」についても紹介いただきました。このフィージビリティスタディを経ておくことで、効果的にPoCを進められます。フィージビリティスタディで「あたり」をつけ、PoCで実際に行い評価するといった関係性です。

PoCのフェーズに入った後で注目すべきは「論より動くもの」です。
実際に動くモノを目の当たりにすることで、本質的な議論ができるという点にあります。一方で、具体的なモノをもとに議論をするため、例えば「文字が大きい方がいい」など、些末な議論を避ける配慮も不可欠であるという知見を共有いただきました。

この配慮の1つが「期間と期待値」です。作業時間と共に成果物への期待値が上がります。また、期間が長くなると前提を忘れがちです。例えば「検証だから品質は二の次」としていても、1か月以上経過してしまうと、その前提を忘れて「品質をもっと向上したほうがいい」といった、別の議論が発生します。

そのため、PoCには期間を費やすことなく一気に結果を出す事、そして短期に行うためにもフィージビリティスタディで「あたり」をつけておくことの重要性を紹介いただきました。

本セッションの資料はこちらで公開しています。

【セッション3】ライブデモでわかる!PoCの計画作り

最後のセッションではKeiによるPoCの計画づくりをライブで披露いただきました。私(Max)は質問役として参加しています。

今回対象としたのは、製造業における設備の稼働状況の取得です。

  • 日本国内に複数拠点を持つ工場で、部品を組み立てて完成品を出荷
  • 課題は生産予定数と実数が乖離しているため、調査をしたい
  • 表面上の原因は、設備の稼働時間が予定工数より短いこと。これは、現場に行ったときに「動いているはずなのに止まっている」ということから発覚
  • まずは、正確な稼働時間の計測がゴール

ここで登場したのが「PoC キャンバス」です。
いくつものプロジェクトをこなしたノウハウが詰まっています。下図は今回の内容を盛り込んだ最終系です。実際はPoCキャンバスの左側(PoCの背景と目的、実施にあたっての制約事項)から埋めていくのが定石だと説明がありました。

また、技術的な点をどのように考えていくかもデモで紹介いただきました。ここでのポイントは、技術的な面はもちろんですが、「作業者が報告する」といった、人力の可能性についても言及していることです。こういった広い視点を持つことで、比較検討がしやすくなります。

たとえばGW(ゲートウェイ)デバイスを経由して、PLCからデータを取得するといった構成を考えるならば、その先のクラウド側のアーキテクチャ例も作成しました。この時のポイントが「データが取れているかを迅速に確認・分析できるサービスに連携する事」「可視化の優先度は下げる」という2点でした。

可視化をすると、前述の「本質とは異なる議論」が発生しがちであるため、まずデータに着目するということ、あとは工数を削減するという2つの目的が、このアーキテクチャ例にはありました。

このような構成になってくると、より現実味を帯びてきますね。

次回のIoT-Tech Meetupは8/29(火)「IoTで使える”衛星通信”特集」

次回のIoT-Tech Meetupのテーマは「IoTで使える”衛星通信”特集」です!

超広域通信の手段として、人工衛星を中継局とした通信技術が注目を集めています。例えば「Starlink」に代表されるように、少額の投資で衛星通信が利用可能です。

本イベントでは「IoT向け衛星通信」特集として、衛星通信の現状をはじめ、それぞれの技術の概要とエントリーポイント(始め方)について学んでいきます。SMSの様に使えるメッセージング、IPによる広帯域通信が可能なStarlink、人工衛星をNB-IoTの基地局として利用可能な「サテライト NB-IoT」(NB-IoT NTN)を取り上げる予定です。

すでにお申し込みページはオープンしています。お気軽にご参加ください!

― ソラコム松下(max)

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