このページの本文へ

FIXER Tech Blog - Cloud

FIXER cloud.config Tech Blog

10分で1万件近い自動架電も、Amazon Connectによる大規模連絡システムを開発

2023年07月05日 10時00分更新

文● 堀広三朗/FIXER

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
FIXER

 本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「Amazon Connectを利用した状況報告システム」を再編集したものです。

システムご提供以前

 株式会社FIXERでは、ある省庁からご依頼をいただき、自動架電やSMS送信を用いて短時間で極めて多数の方々(以下「対象ユーザー」といいます)にご連絡を行う大規模サービスの開発と運用を行っています。 本サービスが対象ユーザーに行うご連絡は、ピーク時には1日で架電が10万件、SMS送信は100万通を超えていました。

 このサービスがローンチされるまで、対象ユーザーへのご連絡は人手で行われており、一人一人に担当者がお電話を掛けてコミュニケーションを行っていました。毎日数千~数万件の電話を掛けますので、お客様の日々の業務には多大な負担が生じていました。また、対象ユーザーは日々増加していましたので、新規の対象ユーザーの受付と管理を行うだけでも大変な労力とコストが生じていました。

システムご提供以降

 そういった背景に加え、電話でのコミュニケーションを通じて対象ユーザーからアンケート(情報収集)を行う業務の重要性が高まり、2022年3月にAWS LambdaやAmazon Connectを利用したサービスを新たに構築しました。

 新しいシステムでは、Amazon Connectで自動的にシステムが電話を掛け、電話を受けた対象ユーザーは自動音声のアナウンスに従ってプッシュボタンで回答するだけでアンケートに答えて頂くことができ、タイムリーな情報を収集することができます。また、キューイングや発信の仕組みを工夫し、極めて大量の対象ユーザーに短時間で架電できる仕組みをデザインしたため、人手では実現できなかった人数に対応することができるようになりました。

 また、AWS Lambdaを利用することでシステムをサーバーレス化し、対象ユーザーの急増にも対応しつつコストの最適化を図りました。

 さらに、人手による架電では担当者がランダムな時間で架電していましたが、新しいシステムは対象ユーザー⾃⾝が架電する時間帯を希望することが可能となり、もしその時間に応答できなかった場合でも、一定の時間を空けて再度自動的に架電する仕組みも導入しました。

FIXER

クラウドならではの拡張性

 非常に大きな効果をもたらした新システムですが、しばらくすると、対象ユーザー数の増加によりAWS APIのレートリミットに達したり、指定された時間内に自動架電が完了しないという問題も生じてきました。しかし、そこはやはりクラウドのスケーラビリティを活かし、AWS社にも協力をいただいて調整しながら、柔軟かつ大規模に容量を拡張して行くことができました。

 その結果、ピーク時にはおよそ10分で1万件近い架電も可能となり、性能要件を維持することができました。

最後に

 弊社が提供する自動架電やSNS通知(SMS送信)サービスでは、短時間に極めて多数の架電や通知を行うことができ、IVR(電話自動音声応答システム)のシナリオを組み込むことやDBへのデータ登録、他システムへの連携なども可能なため、タイムリーで効果的かつ費用対効果の非常に高い業務オペレーションやユーザーサービスを実現することができます。

 もしそういったユースケースでお困りの方やご検討中の方は、ぜひ弊社までご相談下さい。

堀広三朗/FIXER
営業からエンジニアを目指しています!

カテゴリートップへ

この連載の記事