白&銀色ボディと静音VGAクーラーが見事なGIGABYTEのGeForce RTX 4060
Core i5搭載のミドルタワーマシンに組み込んで検証
ここからGeForce RTX 4060 AERO OC 8GをPCに取り付けてテストしていく。まずは、80mm径トリプルファンを備えたWINDFORCEクーリングシステムの実力を、高負荷ベンチマークで確認する。
テスト環境 | |
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CPU | インテル「Core i5-13600K」 (14コア/20スレッド、最大5.10GHz) |
CPUクーラー | Noctua「NH-U12A」 (サイドフロー、120mm×2) |
マザーボード | Z690マザーボード |
メモリー | G.Skill「F4-3600C16D-32GTZNC」 (16GB×2、DDR4-3600) |
ビデオカード | GIGABYTE「GeForce RTX 4060 AERO OC 8G」 (GeForce RTX 4060、GDDR6 8GB) |
ストレージ | Samsung「980 PRO MZ-V8P2T0B/IT」 (2TB M.2 SSD、PCIe4.0 NVMe) |
PCケース | Fractal Design「Define 7 Compact Solid」 (ミドルタワー) |
電源ユニット | SUPER FLOWER「LEADEX V PLATINUM PRO 1000W WHITE」 (1000W、80PLUS PLATINUM) |
ケースファン | Thermalright「TL-B12-W」(120mm)×1(リア排気) Thermalright「TL-B14W」(140mm)×2(フロント吸気) |
ゲーミング中でもまったく気にならないレベルに
「3DMark」の「Time Spy Extreme Stress Test」で負荷をかけていこう。実行中のGPU温度やファン回転数、GPU消費電力などは「HWiNFO64 Pro」でモニタリングした。
結果は、GPUコア温度(GPU Temperature)が、最高値で64.1度、テスト後半1分間の平均では61.39度と、まったく不安を感じない温度に抑え込んでいた。さすがにホットスポット温度(GPU Hot Spot Temperature)は、最高77.8度を記録したが、おおむね60度後半から70度前半に収まっていた。
しっかりと温度を抑えつつも、ファンは回転率50%前後の1780rpm前後で推移と、余力を十分残している状態になっている。もちろん、テスト環境のPCケースフロントに備える2基の140mmファンからのエアフローの影響もあるが、多くの環境でフロントファンを搭載しているので実使用に沿った結果と言えるだろう。
テスト実行中のファン動作音も文句なしで、VGAクーラーファンが動作している状態と、ファン停止しているアイドル時で差を感じなかった。静音重視のPCケースを使っており、CPUクーラーのファン×2基、ケース吸排気用ファン×3基、電源ユニットファンが動作していても、気にならないようにセッティングしているのもあるが、GeForce RTX 4060 AERO OC 8G搭載VGAクーラーの静音性は優秀と言える。
ただ、ファン回転数はケース内エアフローで変わってくるので、回転率を60%、70%と10%刻みで上げて、動作音を確認してみた。すると、60%(2120rpm前後)で、深夜の静かな状態で若干動作音に気づくレベルだった。そして回転率70%(2460rpm台)では、ファンが回っているなと明確にわかるように。実際、ケースサイドパネルのそばの騒音値は41dBAになっていた。
フロントメッシュのPCケースなど環境で異なるが、GeForce RTX 4060 AERO OC 8Gは、ファン回転率50~60%前後で使えば、ゲーム実況配信などを邪魔されることなく実行できるだろう。
TGP 115Wでシステム消費電力は220W台に
続けて、「Time Spy Extreme Stress Test」実行中の消費電力を確認すると、今回使用したPC全体の消費電力は、最高226.16Wと、なかなかの低消費電力になっていた。「HWiNFO64 Pro」で、GPU消費電力となる「GPU Power」を確認してみると最高で119.15Wを記録していたが、おおむねGeForce RTX 4060の定格TGPの115W前後で推移していた。GeForce RTX 4060 AERO OC 8Gは、450Wクラスの電源ユニットを搭載した少し前のPCにも不安なく取り付けできるだろう。
クリエイティブ系ソフトでチェック
GeForce RTX 4060 AERO OC 8Gの魅力ある冷却性能と静音性に続いてはパフォーマンスだ。まずは軽くクリエイティブ系ソフトのチェックといこう。CGレンダラー「V-Ray」をベースにした「V-Ray Benchmark」の「V-Ray GPU CUDA」と「V-Ray GPU RTX」を実行した。
「V-Ray GPU CUDA」と「V-Ray GPU RTX」のスコアーは、GeForce RTX 4060 Tiの9割程度で、前世代のGeForce RTX 3060 Tiと並ぶ感じだ。
続いて、なにかと話題となるAI系のパフォーマンスを確認できる「UL Procyon」の「AI Inference benchmark for Windows」を実行してみた。AIでよく使われる6つの処理(MobileNetV3/ResNet50/Inception-V4/DeepLab v3/YOLOv3/Real-ESRGAN)を実行し、その推論時間からスコアーを算出する。ここでは「AI Inference benchmark for Windows」の「NVIDIA TensorRT」を「Float32」で行なっている。
スコアーは805という結果に。スコアーの傾向は「V-Ray Benchmark」と同じで、GeForce RTX 4060 Tiの9割程度で、GeForce RTX 3060 Tiと並んでいる。ただ、各処理の平均推論時間(Average Inference time)をみると、DeepLab v3やReal-ESRGANなどは、いまひとつでGeForce RTX 3060 Tiのほうが高速だった。