打鍵時の音が響かないのは控えめに言って最高
本体重量は1.18kgほどあり、このサイズのキーボードとしては結構重量があるほうだ。何かと軽量化傾向に向かっているゲーマー向けのデバイスとして見れば真逆の方向に突き進んでいるように思えるかもしれないのだが、これには大きな理由が存在する。それは"静音化"だ。
通常、キーボードを使用している時に生じる音は入力時に生じる打鍵音だけでなく、筐体に伝わる振動音も存在する。ROG Azothでは、この筐体内に生じる振動や反響といったノイズを低減させるため、本体内にシリコンガスケットやシリコンパッド、ウレタンフォーム、シリコンフォームといったノイズを吸収・吸音するレイヤーを配置した多層構造を採用している。こういった素材が敷き詰められているため、ややヘビーウェイトになっているのだが、静音性はかなりのものだ。
では実際にどれくらい音がしないのかというと、“スゴイ”の一言に尽きる。実際のところ、キーを押し込む時にスイッチ側が押し込まれる時の摩擦音みたいなものはするのだが、それ以外のノイズはほぼカットされており、最低限の音しかしないという印象だ。
筆者は他社製の比較的静音性の高いキーボードを普段使いしているのだが、反響音を含めて「こういうものだ」という認識で使用している。だが、いざROG Azothを使ってみると“正直びっくらこいた!”というレベルで反響音が聞こえず「あれ、オレが使ってるのって本当に静音性あんの???」と嫌な疑念を抱いてしまうくらい本当に響かない。これはぜひ体感して欲しい。
ちなみに、ROG Azothに搭載されているキースイッチはROG NXというオリジナルスイッチで、クリック感のない赤軸が採用されている。広く普及しているCherry MXの赤軸に近いタイプで、軽い押下でもリニアに押し込むことができる静音タイプだ。
本体側の静音性に加えてスイッチも静音性が高いという、弁慶に薙刀といった感じである。いやぁー、くどいようだけど、スイッチの音以外ほとんど聞こえないっすわ。
キースイッチを交換してカスタマイズ!
ROG Azoth最大の特徴とも言えるのが、キースイッチを好みのスイッチと交換したり、分解してメンテナンスしたりできる点だ。
一般的なキーボードではスイッチの足が基盤にハンダ付けされているため、スイッチが故障した場合はキーボード自体を買い直したり、修理に出したりと結構な手間とコストがかかってしまう。
しかし、ROG Azothは同梱されている器具を使用することでキースイッチをヒョイッと基盤から抜き挿しできる。Cherry MXのスイッチとも互換性があるので、付け替えて好みの感触に変えることも可能。その模様を写真メインではあるが、紹介したいと思う。
といった感じに、取り替えやメンテナンスが手軽に行なえる。この恩恵は計り知れないものがあり、ゲームで頻繁に使うボタンだけスイッチを別軸のものと取り替えるなど、こだわり抜いたカスタムキーボードへと変身させることが可能だ。同じ形状のスイッチであれば、他社製のスイッチも使えるのは嬉しい限り。なお、これらの手順が解説された動画も公開されているので、気になる人はチェックしてみるといいだろう。