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プロジェクトを構成するパーツの定義【PMBOKを読み解く#3】

2023年04月11日 18時00分更新

文● 塚本 有希/FIXER

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 本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「プロジェクトのパーツ【PMBOKを読み解く#3】」を再編集したものです。

はじめに

 PMBOKを読み解く#1#2ではプロジェクトとはなんだろう。という事について読み解いてきました。

 その中でPMBOKはプロジェクトマネジメントについて体系的にまとめられたものだということを書きました。

 体系的な整理について回るのが言葉の定義です。言葉の意味合わせです。

 大体の教科書とかはこっちから入るので嫌な気分になっちゃうんですよね〜...

 ので!このシリーズでは順番をいれ変えてみましたが、#1, #2は理解していただけましたでしょうか?

 もしこの構成のせいでよくわからん!って人がいたら今回の#3を読んでから#1, #2を読み直してみてください!

PMBOKでの重要な用語について

 PMBOKでは重要な用語と概念というセクションがあり、以下の文章の記載があります。

 プロジェクトマネージャーに期待されているのは、(中略)価値を生み出すプロジェクトを実行することである。 以下の用語は、本標準の内容についての背景を提供するために定義したものである。

 10個の用語と概念について紹介されるのですが、その中でタイミングに迷ったもの4つについて今回を使って読み解きたいと思います。

 10個のうちの一つはプロジェクトなので、残りは9個です。

 (また実際のPMBOKでは用語と概念が登場する順番と解説の順番が前後しているので、その順番が合うように進めていきます)

成果

PMBOKの定義

 プロセスまたはプロジェクトの最終的な所産や結果。成果にはアウトプットや作成物が含まれるが、プロジェクトを実施することで実現しようとしたベネフィットや価値に焦点を当てることで、より広い意図が含まれる。

 プロセスやプロジェクトを実行・実施した結果得られる"もの"(あえて抽象的に)のことを指してるようです。

 ただ気になるのは、後半の「より広い意図が含まれる」の部分ですね。そもそもこの文章に含みがありますよね。

 「プロジェクト」と言われると、成果に対して何か形のあるものをイメージしがちですが、成果は形ある"もの"だけとは限りません。

 効率を何%上げるとか、リピート率をどれだけ高めるとか、そういったものもプロジェクトの成果になりうるわけです。

 そういう意味を含めて、「作成物」という物理的な"もの"だけではなく、もたらされる価値などを考えるとより広い意味で成果という言葉を捉えられるという意味です。

プロダクト

PMBOKの定義

 生産され、定量化可能で、それ自身で最終生産物あるいはその構成要素となる作成物

 こちらは成果とは対称的に、物理的な"もの"のことを指すような記載です。 成果が物理的でなくても、その効果を定量的に測定したレポートやそういったものがここには含まれます。 システム開発などであれば、プログラムや設計書などがここに含まれます。

プログラム

PMBOKの定義

 調和の取れた方法でマネジメントされる、関連するプロジェクト、サブプログラム、プログラム活動。個別にマネジメントしていては得られないベネフィットを実現する

 プロジェクト、サブプログラム、プログラム活動を調和の取れた方法でマネジメントするとプログラムになるようです。

 プロジェクトやプログラム(この場合はサブプログラムになる)単体では得られないベネフィットをプログラムという大きな粒度でマネジメントすることで得られるようになります。(図1.プログラムの例)

(図1.プログラムの例)

ポートフォリオ

PMBOKの定義

 戦略目標を達成するためにグループとしてマネジメントされるプロジェクト、プログラム、サブポートフォリオ、および定常業務

 プログラムのさらに上位概念です。

 プログラムはもちろん、プロジェクトがポートフォリオの構成要素になることもあります。(図2.ポートフォリオの例)

ポートフォリオの例

次回予告

 次回はプロジェクトを推進するチームやプロジェクトに関わる人たちについて記事を書こうと思っています!

 今回にまとめるかも悩んだんですが、ボリューム的に微妙な感じだったので分けてしまう事にしました。(決して力尽きて分けたわけじゃないですよ)

 今回は定義だったのであまり面白くなかったと思いますが、これに懲りずにまた見にきてください!

塚本 有希/FIXER
2020年度入社のエンジニアだったものです。
fintech系の部署で開発をしたり、WebRTCで会議システムの基盤を構築したり、Azureのコグニティブサービスを使ってチャットボットのプラットフォームを作ったりカラフルな開発経験を積ませてもらいました。
その後別の案件でPMO業務に従事して、現在ではプロジェクト監理室というところで社内で横断的にプロジェクトの支援業務をしています。

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