将来の拡張性も視野に入る構成&ケースを採用
Core i7-12700とZ690のミドルタワーPC「SOLUTION-T069-127-UHX」は、どんな人が買うべき?
2022年08月08日 11時00分更新
12万円台から買えるSOLUTION∞のミドルタワーPC
iiyama PCの「SOLUTION∞」は、ユニットコムが展開するビジネス向けのパソコンブランドだ。今回は、同ブランドにラインアップされるミドルタワーPC「SOLUTION∞ bz Tシリーズ」の、「SOLUTION-T069-127-UHX [Windows 11 Home]」(以下、SOLUTION-T069-127-UHX)の外観と仕様を中心に解説する。
スタンダードな「STYLE∞(スタイル インフィニティ)」ブランドや、ゲーミング向けの「LEVEL∞(レベル インフィニティ)」ブランドと比較して、省スペース性や機動性、拡張性に重きをおき、ビジネス環境でのパフォーマンスを追求するのがSOLUTION∞ブランドの特徴。
中でも本稿で紹介しているSOLUTION-T069-127-UHXは、12コア/20スレッドのインテル第12世代Coreプロセッサー「Core i7-12700」を搭載しながら、12万8980円からとスペックに対して手頃な価格を実現し、かつミドルタワーケースによる拡張性も特徴を持つモデルだ。
主な仕様はWindows 11 Home、Core i7-12700、16GB(8GB×2)メモリー(DDR4-3200 DIMM/PC4-25600)、500GB SSD(NVMe/M.2)、インテル Z690 チップセット、500W 80PLUS BRONZE認証のATX電源などとなっており、ビジネス利用において申し分のないスペックを実現している。
外観は、フロント部の大きなメッシュが象徴的で、どちらかというと装飾要素は少なく、無骨な印象。サイズはおよそ幅190×奥行485×高さ424mmで、ミドルタワーに位置付けられるモデルとしては、幅がスリムだ。
別記事で実施した「PCMark 10(Ver.2.1.2556)」によるベンチマークでは、総合スコアが5835、アプリの起動やブラウジングの快適さといった基本的な処理性能を図る「Essentials」では11043という結果になっており、その性能の高さがうかがえる。
豊富な拡張性により、長期間の使用にも対応できる
ストレージ拡張用のベイとしては、5.25インチ外部ベイ×3、3.5インチ外部ベイ×1、3.5インチ内部ベイ×3、3.5/2.5インチ兼用内部ベイ×1を備えている。またチップセットにはインテル Z690を採用。
インテル Z690は、ゲーミングパソコンなどよりハイエンドなマシンにも採用されているインテル600シリーズの上位モデルであり、SOLUTION-T069-127-UHXの標準スペックでは、搭載する必要性は薄いようにも思える。
しかし、そこにこそSOLUTION-T069-127-UHXの魅力が隠れているともいえる。PCI Express 5.0 x16、PCI Express 3.0x16(x4動作)、PCI Express 3.0 x1×3が拡張スロットとして確保されているため、各種の機能拡張カードを、いつでも増設できるからである。
すなわち、SOLUTION-T069-127-UHXの標準スペックは、本来SOLUTION-T069-127-UHXのケースとチップセットが持っているポテンシャルを敢えて活かし切らず、拡張性に大きく余裕を持ったスペックになっている。後からユーザーの好みや、ビジネス上の必要性に応じて、性能をカスタマイズできるのだ。
ストレージ容量に不満が出てくればSSDやHDDを、処理性能を向上させたければメモリーを、描画性能やコンテンツ制作性能を向上させたければビデオカードと、必要であれば電源をといった具合に、“あとからどうにでも拡張できる”点が、SOLUTION-T069-127-UHXの魅力の1つだ。
どのようなユーザーが買うべき?
以上から、SOLUTION-T069-127-UHXがどのようなユーザーに向いた製品化を考えてみよう。大きな特徴は、Core i7-12700の搭載と、ケースそのものの仕様と、Z690の搭載による豊富な拡張性ということになるだろう。
はじめから、ディスクリート搭載のGPUや、より大きなメモリー容量を求めるなら、同シリーズの更に上位に位置づけられているモデルを選べばいい。参考までに、同ケースと同チップセットを搭載する、シリーズの最上位モデルのスペックは、Windows 10 Home、Core i9-12900、32GB(16GB×2)メモリー(DDR4-3200 DIMM/PC4-25600)、1TB SSD(NVMe/M.2)、NVIDIA RTX A4500(20GB GDDR6)となっており、こちらは49万9980円からの販売だ。
SOLUTION-T069-127-UHXを選ぶ意味は、「現時点ではCore i7-12700、16GBメモリー、500GB SSDという構成で十分だが、あとになって、より強力なスペックが必要になるかもしれない」というニーズに対して、コストを抑えながら導入ができる点にあると考える。例えば、「複数のオフィスソフトを開きながら、簡単な画像処理ができれば十分だが、将来的には動画の編集やエンコードもする可能性がある」といった場合だ。
必要になった際に機能を拡張できることは、そもそもがデスクトップPCを選ぶメリットの1つだが、SOLUTION-T069-127-UHXは仕様上、その性質が大きい。「まずはコストを抑えて環境を整えたい」「将来的にはもっとハイエンドなパソコンが必要になるかもしれないし、ならないかもしれない」そんな悩ましい選択に、寄り添ってくれるのだ。
試用機の主なスペック | |
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製品名 | SOLUTION-T069-127-UHX [Windows 11 Home] |
CPU | Core i7-12700(2.1GHz~最大4.9GHz)、12コア/20スレッド |
CPUクーラー | サイドフロー空冷クーラー |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス 770 |
メモリー | 16GB(8GB×2)、DDR4-3200 |
ストレージ | 500GB SSD(M.2接続/NVMe対応) |
チップセット | インテル Z690 チップセット |
内蔵ドライブ | ー |
通信規格 | 有線LAN(2.5GBASE-T) |
インターフェース | USB 3.2 Gen2x2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×6、USB 2.0 Type-A×2、HDMI×1、DisplayPort×1、ヘッドフォン出力、マイク入力、アナログ7.1chサウンド、S/PDIF出力、有線LAN端子 |
拡張ベイ | 5.25インチベイ×3、3.5インチベイ×1、3.5インチ内蔵ベイ×3、3.5/2.5インチ兼用内蔵ベイ×1 |
拡張スロット/th> | PCI Express 5.0 x16、PCI Express 3.0x16(x4動作)、PCI Express 3.0 x1×3 |
電源 | 500W 80PLUS BRONZE認証 ATX電源 |
サイズ | およそ幅190×奥行485×高さ424mm(最大突起物除く) |
OS | Windows 11 Home(64bit) |