まさに羊の皮をかむった超速モバイルノートだ!
クリエイター&ビジネスマンにも、どストライクの高性能15型ノート 「ROG Zephyrus G15 GA503」実機レビュー
2022年06月29日 11時00分更新
ASUS JAPANは15.6型ゲーミングノートPC「ROG Zephyrus G15 GA503」を発売した。本製品はAMDの最新Ryzen 6000シリーズとNVIDIAのGeForce RTX 30シリーズを組み合わせたゲーミングノートPCである。
ハイパワーなCPUとディスクリートGPUを組み合わせつつ、薄さ19.9mmの薄型ボディー、約11.2時間のバッテリー駆動時間を実現。ハイパフォーマンスを携帯したいという方にもってこいのマシンだ。
実機を使って、製品の特長、パフォーマンス、使い勝手などについてじっくりとレビューしていこう。
究極の15型スリムノートデザイン、薄くてスマートなルックスがいいのだ
ゲーミングノートPCというと押し出しの強さや、凄みを感じさせる「攻めた」デザインが多いが、ROG Zephyrus G15のフォルムには過剰な装飾を排した美しさがある。
特にホワイトモデルは、19.9mmという薄さも相まって非常にスマートな印象だ。派手さでゲーミングノートPCを敬遠していた方も、ROG Zephyrus G15の落ち着いた外観は気に入るはずだ。
シンプルなフォルムのROG Zephyrus G15だが、細かな作り込みが施されている。カラーはムーンライトホワイトとエクリプスグレーの2色が用意されているが、天板半分には精密なCNC加工により8279個の極小の穴が空けられており、その下には「プリズムナノフィルム」が敷かれている。
この加工によって、光の加減や、見る角度により天板の煌めきがまるでオーロラのように変化して、さまざまな表情を見せてくれるのだ。
ヒンジはエルゴリフト式を採用。ディスプレーは180度まで開くことが可能で、途中まで開いた段階で本体奥がせり上がり、キーボード面に適度な角度がつく。
また、底面に隙間が生じることにより冷却効率も向上する。キーボードの打ちやすさと、安定したパフォーマンスの2点において、恩恵を受けられるわけだ。
キーボードは86キー日本語キーボード(RGBイルミネートキーボード)を採用。キートップのフォントはゲーミングノートPCとしては比較的おとなしめで、視認性も良好。かな文字の刻印も用意されているので、かな入力派も安心だ。
最速15型ノートのスペックチェック
もちろん妥協のない「ROG」クオリティー
ROG Zephyrus G15はCPUに「Ryzen 9 6900HS」(8コア16スレッド、3.3~4.9GHz)または「Ryzen 7 6800HS」(8コア16スレッド、3.2~4.7GHz)を採用している。両CPUの強みはコア数、スレッド数の多さ。マルチコア、マルチスレッド対応のゲーム、アプリであれば多くの処理を同時に実行できる。
ゲームではディスクリートGPUが重要だが、それに見合ったCPUを搭載していなければ本来の性能を発揮できない。ROG Zephyrus G15は、高速なDDR5-4800メモリー、PCIe Gen4 x4接続SSDを搭載している。全体のバランスを考慮して、性能の高いパーツが組み合わされているのだ。
ディスクリートGPUには、「NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU」と「NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU」が採用されている。
GeForce RTX 3070 TiはNVIDIA CUDAコアが5888個、ブーストクロックが1035~1485MHz、メモリーサイズが8GB、メモリータイプがGDDR6、GeForce RTX 3060はNVIDIA CUDAコアが3840個、ブーストクロックが1283~1703MHz、メモリーサイズが6GB、メモリータイプがGDDR6と差別化が図られている。
どちらでも、AIプロセッサーを使用してグラフィックパフォーマンスを向上させる「NVIDA DLSS」や、現実世界の光の挙動をシミュレートする「レイトレーシング」などの最新技術を利用できるが、AAAタイトルを快適にプレイしたいのなら上位のGeForce RTX 3070 Ti搭載機がオススメだ。
ROG Zephyrus G15のラインナップは下記の6モデル。CPUはRyzen 9 6900HS/Ryzen 7 6800HS、ディスクリートGPUはGeForce RTX 3070 Ti/GeForce RTX 3060、メモリーは32GB/16GB、ストレージは1TB/512GB、そしてカラーはムーンライトホワイト/エクリプスグレーが用意されている。これら以外のスペックはまったく同じだ。
インターフェースは、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、DisplayPort 1.4、USB Power Delivery 3.0対応)×2、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI 2.0b×1、有線LAN×1、microSDメモリーカードスロット(UHS-II)×1、オーディオコンボジャック×1を用意。
ワイヤレス通信はWi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.1をサポートしている。新旧端子が網羅されているので、USBハブが必要になることはないはずだ。
15.6型WQHDカラー液晶ディスプレーのリフレッシュレートは最大240Hz。同時に発表された弟分の「ROG Zephyrus G14 GA402」が最大120Hzだったので、2倍のリフレッシュレートを実現しているわけだ。画面の大きさ、そしてリフレッシュレートを重視するなら、ROG Zephyrus G15に軍配が上がる。
気になる性能を徹底チェック
Ryzen 9とGeForce RTXで最強レベルだ
AMDの最新Ryzen 6000シリーズとNVIDIAのGeForce RTX 30シリーズを組み合わせたROG Zephyrus G15は、どのぐらいのパフォーマンスを発揮するのだろうか?
Ryzen 9 6900HS/NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU/32GB DDR5-4800/1TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載する試用機でベンチマークを実施してみた。
まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は14785ptsを記録した。8コア16スレッド、3.3~4.9GHz動作のRyzen 9 6900HS搭載機として順当な結果だ。
つぎはビジネス用途のパフォーマンスをチェックするために、総合ベンチマーク「PCMark 10」を実施したところ、総合スコアは7481となった。PCMark 10の指標「Office Laptop(2020)」が4611なので、ROG Zephyrus G15はその1.62倍のスコアを記録したことになる。
今度はゲーミング性能を確認するために「3DMark」を実施したところ、Time Spyで10674を記録した。「Estimated game performance(推定ゲームパフォーマンス)」を見てみると、「Apex Legends」(1440p Ultra)で「115+ FPS(115fps以上)」と表示されている。AAAタイトルの映像を滑らかに表示するのに十分な3Dグラフィックス性能を備えていることになる。
最後に、実際のアプリケーションで動作速度をチェックしたところ、「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像を現像するのにかかった時間は2分23秒48、「Adobe Premiere Pro」で実時間5分の4K動画を書き出すのにかかった時間は1分42秒35となった。
高負荷な書き出し処理をこれだけ短時間でこなせるのなら、編集作業などの本来のクリエイティブワーク本来にじっくりと時間をかけられるわけだ。
86キー日本語キーボード(RGBイルミネート)のキーピッチは19mm前後、キーストロークは1.7mm、文字キーの押圧力は0.48N、タッチパッドの面積は実測130×85mm。キーボード、タッチパッドの剛性はASUSのほかのノートPCと同様に高く確保されており、フィーリングも良好だ。エルゴリフトヒンジによる傾斜もちょうどよかった。
もちろん、ゲーミングノートPCのキーボードということで、ひとつひとつの入力を正確に認識する「Nキーロールオーバー」仕様で、2000万回の打鍵に耐えられる耐久性を備えている。ゲームプレイだけでなく、大量のテキスト入力にも適したキーボードだ。
15.6型WQHDカラー液晶はDCI-P3カバー率100%と謳われている。カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で実測したところ、sRGBカバー率は100.0%、AdobeRGBカバー率は88.1%、DCI-P3カバー率は99.6%とほぼスペックどおりの広色域を確認できた。
また、実際に画像を表示しても、グラデーションが滑らかで、発色に違和感はない。動画のカラーグレーディングなどにも利用できるクオリティーのディスプレーだ。
【結論】
なにをするにも絶対負けない15型ノートなのだ
ROG Zephyrus G15は細かなところまで丁寧に作り込まれている。ディスプレーのベゼルは左右が実測5mm、上が実測9mmの超狭額仕様。ベゼルを超狭額とすることでデザイン的にも締まって見えるし、15.6型ディスプレー搭載機としては355×246×19.9mmというコンパクトなボディーを実現している。
スピーカーはDolby Atmosに対応しており、ツインツイーター、フォースキャンセリングウーファーで構成された6スピーカーシステムを搭載。フォースキャンセリングウーファーが共鳴を最小限に抑えつつ、大ボリュームで迫力のサウンドを奏でてくれる。
ゲーム配信や音声チャットで重宝するのが「双方向AIノイズキャンセリング」。アップストリームとダウンストリームのどちらでもノイズを除去し、クリアな音声でコミュニケーション可能だ。もちろん、双方向AIノイズキャンセリングはリモート会議のクオリティー向上にも効果を発揮する。
本製品を購入するにあたって最も悩ましいのはカラー。前述のとおり、ムーンライトホワイトとエクリプスグレーの2色が用意されており、それぞれ異なる魅力がある。ちなみに、個人的なお勧めはムーンライトホワイト。エクリプスグレーより手脂が目立たないのだ。手脂による汚れが気になる方はぜひムーンライトホワイトを選んでほしい。
ハイパフォーマンスなCPUとディスクリートGPUを搭載しているROG Zephyrus G15だが、90Whの大容量バッテリーでどのくらい動作するのだろうか? Armoury Crateの動作モードを「サイレント」、MUXスイッチを「MSHybrid」、ディスプレー輝度を40%に設定して「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、7時間36分動作した。モバイル用途に活用できるバッテリー駆動時間を備えている。
ROG Zephyrus G15は、ハイパフォーマンスなCPU、ディスクリートGPUを採用し、15.6インチディスプレー、そして90Whの大容量バッテリーを搭載しつつ、355×246×19.9mm、約1.99kgというゲーミングノートPCとしては小型、軽量なボディーを実現している。
ゲームやクリエイティブアプリのために、ハイパワーをつねに携帯したいというゲーマー、クリエイター、ビジネスマンに、ROG Zephyrus G15は弩ストライクの高性能15型ノートである。
(提供:ASUS JAPAN)