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「Ryzen 9 6900HS」に「Radeon RX 6800S」搭載です

「ROG Zephyrus G14」実機レビュー = 爆速Ryzenに天板ディスプレイが楽しいゲーミングノートPCだ

2022年04月22日 11時00分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 編集● ASCII

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 ASUS JAPANは3月23日、モバイル向けRyzen 6000シリーズを採用した14型ゲーミングノートPC「ROG Zephyrus G14」、15.6型「ROG Zephytus G15」を発表した。

 ROG Zephyrus G14/ G15は、Zen 3+アーキテクチャー、DDR5メモリー、RDNA 2世代の内蔵GPUを採用した最新のモバイル向けAMDプロセッサー「Ryzen 9 6900HS」または「Ryzen 7 6800HS」を搭載。処理能力と低消費電力に優れたモバイルゲーミングノートPCに仕上げられている。今回は14型のROG Zephyrus G14を中心にレビューをお届けしよう。

「ROG Zephyrus G14」22万9800円(税込)~

左が14型のROG Zephyrus G14、右が15.6型のROG Zephytus G15。G14はディスクリートGPUに「Radeon RX 6700S/6800S」、G15は「GeForce RTX 3060 Laptop GPU/3070 Ti Laptop GPU」を組み合わせている

今回はRyzen 9 6900HS、Radeon RX 6800S、RAM32GB、SSD1TBのモデル「GA402RK-R96RX6800SGL」を試用した

14型はCPUとディスクリートGPUをAMD系で統一

 ROG Zephyrus G14には下記の5モデルがラインナップされている。

・「GA402RK-R96RX6800SGL」(希望小売価格29万9800円)
Ryzen 9 6900HS/Radeon RX 6800S/RAM32GB/SSD1TB/エクリプスグレーAniMe Matrix

・「GA402RK-R96RX6800SWL」(希望小売価格29万9800円)
Ryzen 9 6900HS/Radeon RX 6800S/RAM32GB/SSD1TB/ムーンライトホワイトAniMe Matrix

・「GA402RJ-R96RX6700SGL」(希望小売価格29万9800円)
Ryzen 9 6900HS/Radeon RX 6700S/RAM16GB/SSD512GB/エクリプスグレーAniMe Matrix

・「GA402RJ-R76RX6700SW」(希望小売価格22万9800円)
Ryzen 7 6800HS/Radeon RX 6700S/RAM16GB/SSD512GB/ムーンライトホワイト

・「GA402RJ-R76RX6700SG」(希望小売価格22万9800円)
Ryzen 7 6800HS/Radeon RX 6700S/RAM16GB/SSD512GB/エクリプスグレー

 つまり、CPUは「AMD Ryzen 9 6900HS」(8コア16スレッド、3.3~4.9GHz)または「AMD Ryzen 7 6800HS」(8コア16スレッド、3.2~4.7GHz)、ディスクリートGPUは「AMD Radeon RX 6800S」または「AMD Radeon RX 6700S」、メモリーは32GB/16GB(DDR5-4800)、ストレージは1TB/512GB(PCI Gen4 x4接続)の組み合わせになっているわけだ。なお、本製品はGPUと映像ポートを直結する「ROG MUX Switch」機能に対応している。

 また、カラーはエクリプスグレーとムーンライトホワイトの2色が存在し、上位3モデルには天板のミニLEDディスプレーにカスタマイズしたアニメーションを表示できる「AniMe Matrixディスプレイ」が採用されている。

 ほかのスペックは基本的に共通。ディスプレーは14型WQXGAカラー液晶(16:10、2560×1600ドット、ノングレア、輝度500cd/m²、DCI-P3カバー率100%、120Hz、応答速度3ms、Dolby Vision対応、Pantone認証)を採用。スピーカーはクアッドスピーカー仕様で、Dolby Atmosに対応する。ディスプレー上部には、Windows Helloに対応した92万画素赤外線(IR)カメラと3Dアレイマイクが内蔵されている。

 インターフェースはUSB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、映像出力、給電対応)×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、映像出力)×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI×1、microSDスロット×1、3.5mmコンボジャック×1を装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 6(11ax)とBluetooth 5.1をサポートする。本体への給電に対応するUSB Type-Cが左側面のみである点は留意しておこう。

 サイズ/重量はAniMe Matirixディスプレイ搭載モデルが312×227×19.5~22.61mm/約1.72kg、非搭載モデルが312×227×高さ18.5~21.74mm/約1.65kg。76Whのバッテリーを内蔵しており(Battery reportで確認)、バッテリー駆動時間はAniMe Matirixディスプレイ搭載モデルが約10.7時間、非搭載モデルが約11.7時間と謳われている。

本体底面。2022年モデルは両方のファンにダストフィルターが追加されており、ダストフィルターなしの製品と比較して、CPUは15%、GPUは4%高い電力で動作させられるという

ディスプレーは14型WQXGAカラー液晶(16:10、2560×1600ドット、ノングレア、輝度500cd/m²、DCI-P3カバー率100%、120Hz、応答速度3ms、Dolby Vision対応、Pantone認証)を採用

キーボードは86キー日本語仕様(RGBイルミネートキーボード)

本体前面と本体背面

右側面(上)にはmicroSDスロット×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、映像出力)×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、左側面(下)には電源端子×1、HDMI×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、映像出力、給電対応)×1、3.5mmコンボジャック×1を用意

ディスプレーは最大180度まで展開できる

パッケージには本体以外に、ACアダプター、電源ケーブル、説明書類が同梱

ACアダプターのコード長は実測117cm、電源ケーブルの長さは実測180cm

ACアダプターの型番は「A20-240P1A」。仕様は入力100-240V~3.5A、出力20V 12A、容量240W

本体の実測重量は1695g

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測724.5g

数あるノートPCのなかでも最も「ドヤれる」天面が魅力的

 ROG Zephyrus G14のユニークな装備がカスタマイズしたアニメーションを表示できるAniMe Matrixディスプレイ。このディスプレーには、ドットアニメを表示できる「アニメーションモード」、音に合わせて変化する「オーディオモード」、バッテリー残量などを表示する「システムモード」、バーチャルマスコットを表示する「オムニモード」、マウスで遊べる「ミニゲームモ-ド」など5つのモードが用意されている。任意の文字を表示することも可能だ。数あるノートPCのなかでも最も「ドヤれる」天面である。

ディスプレー天面には1449個の極小LEDが内蔵されている

AniMe Matrixディスプレイではアニメーションをカスタマイズしたり、任意のドット絵、テキストを表示させられる

 キーボードは86キー日本語仕様(RGBイルミネート)で、キーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.6mm前後。キーボードの剛性は高く、かなり強く打鍵してもたわみはほとんど感じない。打鍵音も比較的低めだ。オンラインゲームでエキサイトしてもしっかりと受け止めてくれるはずだ。

キーピッチは実測19mm前後

キーストロークは実測1.6mm前後

キーボードバックライトはRGBイルミネート仕様。キーボード全体のカラーを設定できる

ダイビングボード構造のタッチパッドのスペースは実測130×77mm

ディスプレー上部には、Windows Helloに対応した92万画素赤外線(IR)カメラと3Dアレイマイクが内蔵

室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影可能だ

 ディスプレーは14型WQXGAカラー液晶(16:10、2560×1600ドット、ノングレア、輝度500cd/m²、DCI-P3カバー率100%、120Hz、応答速度3ms、Dolby Vision対応、Pantone認証)と高いスペックを誇り、ASUSが定めた高品質ディスプレーの新基準「ROG Nebula Display」を満たしている。

 実際カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で実測したところ、sRGBカバー率は100.0%、AdobeRGBカバー率は88.4%、DCI-P3カバー率は98.9%という広色域を確認できた。

 画面比率は16:10と縦に長く、描画は120Hz/3msと高速、そして広色域・高輝度ということで、仕事、ゲーム、クリエイティブとさまざまな用途に活用できるディスプレイだ。

実測したsRGBカバー率は100.0%、sRGB比は135.5%

AdobeRGBカバー率は88.4%、AdobeRGB比は100.4%

DCI-P3カバー率は98.9%、DCI-P3比は99.9%

2560×1600ドットと解像度が高く、高輝度、広色域のROG Zephyrus G14のディスプレーは、画像、映像を臨場感高く表示できる

AAAタイトルにも対応できるパフォーマンスを発揮

 Ryzen 9 6900HS、Radeon RX 6800Sがタッグを組んだROG Zephyrus G14はどのぐらいのパフォーマンスを発揮するだろうか? まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」で13919pts、「CINEBENCH R20」で5455pts、「CINEBENCH R15」で2312cbを記録した。

 「AMD Ryzen 9 5900HS」、「NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU」を搭載する「ROG Zephyrus G14 AW SE GA401QEC」が13154pts、5094pts、2226cbだったので、2022年モデルは約1.06倍、約1.07倍、約1.04倍の性能を発揮したことになる。

ベンチマークは「Armoury Crate」で動作モードを「Turbo」に設定して実施している

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は13919pts、CPU(Single Core)は1572pts、「CINEBENCH R20」のCPUは5455pts、CPU(Single Core)は613pts、「CINEBENCH R15」のOpenGLは192.99fps、CPUは2312cb、CPU(Single Core)は253cb

 3D性能は、「3DMark」のTime Spyで9154、Fire Strikeで23464、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)で11775(とても快適)を記録した。

 「ROG Zephyrus G14 AW SE GA401QEC」が6197、13241、5736(やや快適)だったので、2022年モデルは約1.48倍、約1.77倍、約2.05倍の性能を発揮したことになる。2022年モデルが搭載するディスクリートGPU 「AMD Radeon RX 6800S」は、AAAタイトルにも対応できるパフォーマンスを備えている。

Time Spyは9154を記録。

Fire Strikeは23464

Port Royalは4239と出た

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)は11775(とても快適)

 ストレージ速度は、「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で3603.44MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で3460.44MB/sを記録した。本製品には「Micron_2450_MTFDKBA1T0TFK」が搭載されている。その仕様書にはシーケンシャルリードが3500MB/s、シーケンシャルライトが3000MB/sと記載されているのでスペックどおりだ。

「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は3603.44MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は3460.44MB/s

 バッテリー駆動時間は、ディスプレー輝度40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ9時間12分動作した。Zen 3+アーキテクチャーでは省電力化が図られているだけに、ゲームやクリエイティブ系アプリで高負荷をかけなければ、モバイルノートPCとして活用できるスタミナ性能を備えている。

ディスプレー輝度40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行した際のバッテリー駆動時間は9時間12分

ゲーミングノートPCとして優れ、ノートPCとしてもバランスがいい一台

 Ryzen 9 6900HS、Radeon RX 6800Sを組み合わせたROG Zephyrus G14が、AAAタイトル、クリエイティブ系アプリを余裕で動作させられるパフォーマンスを備えていることはベンチマークが証明した。また、画面比率が16:10と縦に長く、描画は120Hz/3msと高速で、広色域・高輝度なディスプレーはさまざまな用途に柔軟に対応できる。そして、RAM32GB、SSD1TBというスペックでも、29万9800円という希望小売価格はお買い得感が高い。さらに、AniMe MatrixディスプレイはASUSだけの唯一無二な装備だ。

 ROG Zephyrus G14はゲーミングノートPCとしても優れているが、それに加えてノートPCという大きなカテゴリーでも非常にバランスのいい一台なのである。

 

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