本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「産業向けラズパイ4搭載「reTerminal」開発者向け情報からサイネージのデモまで徹底解説」を再編集したものです。
目次
reTerminalとは?製品のキーポイントと注意点をご紹介!ライブデモで解説!reTerminalを使ったサイネージ
reTerminal をSORACOMで使う方法とは?
①セルラー経由の方法
②Wi-Fi経由の方法
ソラコム松下とSeeed松岡様が、いただいた質問に回答!
最後に
みなさんこんにちは、ソラコムの熊崎(nao)です。
先月開催されたSORACOM Device Meetup #6 -ラズパイ搭載産業用デバイスreTerminal特集のレポートをお届けします。当日の動画も公開しているので、お時間がある方はこちらもぜひご覧ください。
reTerminal(リ・ターミナル)の製品紹介に始まり、実際に製品を使ったライブデモ、SORACOMとの繋げ方、視聴者からの質問に回答するなど、学びの多い時間になりました。購入を考えている方や、産業用IoTデバイスに興味がある方に役立つ内容です。
IoTデバイスの概要や技術情報、活用事例を通じて、IoTで何ができるのか?どんなことに使えそうか?を皆さんと考えていく勉強会です。IoTデバイスの利活用や開発方法を学んだり、購入前の情報収集として参加いただけるイベントです。
reTerminalとは?製品のキーポイントと注意点をご紹介!
本製品を製造、販売するSeeed株式会社の松岡様にご登壇いただきました。
reTerminalは、ラズパイ財団が提供する組み込み向けラズパイ「Raspbery Pi Comupte Module 4」を搭載、タッチスクリーン付属で、産業現場で安心してご利用いただけるデバイスです。IoTでの利用に特化しており、センサーの取り付けが可能です。
Raspberry Pi 4との違いは、ヒートシンクや堅牢なケース、ブザー、光センサー、加速度センサーなどが最初から搭載されている点になります。また、Raspberry Pi 4標準搭載のmicro-HDMIポートが2から1に減っていたり、USBポートの数が2と少なくなっていますが、reTerminal自体にタッチパネル対応LCDモニターが付いていることから実用上の問題は無いのではないかということでした。
利用する上での注意点もご紹介いただきました。いくつかあるので、実際に購入される方は、動画の13:16あたりと、後述のスライド資料を見ていただく事をお勧めします。
- I2C通信を利用するセンサーを接続する際には、reTerminal搭載済みのI2C通信センサーのアドレスとの重複に注意 (スライド P9)
- GPIOピンヘッダの割り当てが通常のRaspberry Piと異なる (スライド P10)
- 本体利用に必要な部品はお客様で購入 (スライド P11)
- ACアダプタは必須です。マウス、キーボードは直接操作したい場合に必要です。USB接続型をご用意ください。
- 電源入れた後に、Update softwareのポップアップが表示されますが、ここはスキップを選択(アップデートをするとディスプレイが表示されない問題が発生するようです) (スライド P12 / reTerminalの初回セットアップ手順もご覧ください)
- OSを初期化したい場合は、rpiboot + Raspi Imagerを使いOSイメージを入れ直す (スライド P13 / reTerminalのeMMCを初期状態に戻すもご覧ください)
- 内部にもWi-Fi/BLEアンテナを搭載しているが、外付けのCM4アンテナキットも利用可能 (スライド P14 / reTerminalのEthnernet/Wi-Fi通信速度もご覧ください)
- 製品の箱は捨てずに保管してください! (スライド P15)
- ※製品リリースのタイミングによりその時点で最新のファームウェアが搭載されています。お手元の製品のファームウェアの状態知るために、製品の箱に書かれたリリース日を確認いただく必要があるとのことです。
ライブデモで解説!reTerminalを使ったサイネージ
ワンフットシーバス田中様は、reTerminalに元々入っているセンサー機能を使い、その場でNode-REDでプログラミングをするライブデモを披露していただきました。
フローベースの直感的な、オープンソースのプログラミングツールです。Webブラウザ上で、ハードウェアデバイスやAPI、クラウドサービスなどを線でつなげて一連の流れ(フローと言います)を作ることができます。
ライブデモの様子は、動画19:30からを見ていただくのが一番わかりやすいと思いますが、簡単にご紹介します。
- reTerminalに付いている光センサーに手をかざすと、明暗を検知し画面に表示される画像が変わる
- ケースについているボタンをクリックし、どのボタンが押されたかのデータを取得
- 加速度のデータ(x、y、z軸)を取得
- LEDを点灯
- タッチパネルを触った位置を取得
田中さんが作成したNode-REDのノードは公開されているので、ぜひお試しください。reTerminalに標準搭載されている光センサー、加速度センサー、タッチ位置、ブザー、独自ボタン、LED点灯がご利用いただけます。
reTerminalで実際にどのようなことができるのか、イメージは湧きましたか?田中さんもお話しされていましたが、デジタルサイネージとしての利用に有効だといったコメントも視聴者からいただきました。Node-REDのダッシュボードを使うことで、簡単に可視化もできるため、試行錯誤がしやすいですね!
田中さんのブログでもイベントの様子をご紹介いただきました。
reTerminal をSORACOMで使う方法とは?
さて、続いてはソラコムのソリューションアーキテクト今井が、reTerminalとSORACOMプラットフォームの繋げる2つの方法をご紹介しました。
①セルラー経由の方法
こちらの方法では、SORACOMのSIMカード、3G/LTE USBドングルを用意します。reTerminal上で、ソラコムが用意しているsetup_air.sh をダウンロードし実行。ドングルにSIMカードを入れて、reTerminalに挿すだけで繋がります。
SORACOMのセルラーに繋がるために必要なパッケージがインストールできるスクリプトです。udevによりUSBドングルを検知し、pppの設定をし、SORACOMの接続を確立してくれます。詳細はこちらをご覧ください。
USBドングルは、さまざまな種類がありますが、ソラコムでもご用意がありますので、購入を考えている方は下記をご覧ください。
もちろんドングルを使わずに、Ethernet/Wi-Fiを使ってソラコムへ接続することも可能です!
※ドングルを利用する上での注意点
USBドングルを1つ挿すと、サイズの関係上もう片方のUSBポートが利用できなくなります。複数のUSBを取り付けたい場合は、ハブを利用していただくことをおすすめします。
②Wi-Fi経由の方法
WireGuardというVPN技術を使ったSORACOM Arcを利用することで、Wi-Fi含め有線・無線で接続が可能です。
実際の利用については、ソラコムが提供するSORACOM Arcのクライアント「soratun」をインストールいただければ、 reTerminalのWi-Fi(もしくは有線LAN)でSORACOMプラットフォームに接続して、IoT向けサービスが利用できます。
ソラコム松下とSeeed松岡様が、いただいた質問に回答!
動画の1:00:44から、約30分かけて、ソラコム テクノロジー・エバンジェリスト松下とSeeed松岡様が、視聴者の皆さんからお寄せいただいた疑問にお答えしています。側面についているネジやボタンは何用?Micro SD スロットは何に使えるの?工場内の具体的なユースケースは?など多数の質問をいただきました。こちらはぜひ動画でご覧ください。
最後に
産業用で使えるIoTデバイスをもっと知りたい方向けに、1/26(水)19:00〜SORACOM Device Meetup#7 産業現場で使えるIoTハードウェア特集!を開催します。
本ブログでご紹介したreTerminalに加え、PLC機器をIoT化する時に必要なIoTルーターやゲートウェイの特徴や機能を、アイ・オー・データ機器、金沢エンジニアリングシステムズ、ホクレア・システムズからゲストにお越しいただき解説します。工場や事業場のIoT化を検討中の方や、PLC機器のデータを取り出すデバイスを検討している方に役立ちます。
こちらもご参加お待ちしています!
― ソラコム 熊崎(nao)
投稿 産業向けラズパイ4搭載「reTerminal」開発者向け情報からサイネージのデモまで徹底解説 は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
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