本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された『広範な動作温度の「産業用LTEルーター」他、計2機種を販売開始』を再編集したものです。
こんにちは、ソリューションアーキテクトのtakiponeこと大瀧です。
IoTデバイスやSIMカードをひとつから購入できる通販サイトSORACOM IoT ストアで、アイ・オー・データ機器製LTEルーター2機種の販売を本日より開始しました。本ブログ記事では、各機種の特徴とIoT用途でのSORACOMサービスとの活用例をご紹介します。
LTEルーターの産業向け/一般向けの違い
両機種ともアイ・オー・データ機器が製造するLTEルーターですが、WN-CS300FRは一般向け、UD-LT1/EXは産業向けに位置づけられています。具体的にどの辺りに違いがあるのか、各製品の特徴から読み解きます。
形状と動作温度
まずは製品の外見を比べてみましょう。
左方のWN-CS300FRはソフトな印象のプラスチック筐体でオフィスにも溶け込みそうな外見なのに対して、右方のUD-LT1/EXはネットワーク機器然とした頑強な印象のメタリック筐体です。この外見の違いは動作温度に表れていて、WN-CS300FRの0~35度と比べてUD-LT1/EXは-20~60度と幅広いことがわかります。産業向けは工場や事業場などの低温/高温環境下での利用を想定しているわけですね。
また、UD-LT1/EXには付属のアンテナの他に、別売りの外付けアンテナも用意されています(注: SORACOM IoTストアでは現時点で扱っていません)。LTEルーターを金属製の扉やボックスの中に収納する場合、それらによってLTEの電波が遮蔽されてしまうことがあります。外付けアンテナを組み合わせて、アンテナを外に設置することで電波環境を確保できるのも産業向けならではというところでしょうか。
無線LAN(Wi-Fi)はWN-CS300FRのみ
LAN側のインターフェースはUD-LT1/EXが有線LANのみなのに対して、WN-CS300FRは有線LANと無線LAN(Wi-Fi)が利用できます。一般向けにはPCやスマホを無線LANで接続するニーズがあると思いますので、納得の仕様です。
UD-LT1/EXは有線WANポートとLTE回線による通信経路の冗長化が可能
UD-LT1/EXは、有線WANポートによる固定回線経由のインターネット接続もサポートしており、LTE回線と併用可能です。例えば普段の利用には有線WANポートを使い、バックアップにLTE回線を用いる「通信経路の冗長化」をこれ1台で構成できます。
LTE回線にSORACOM IoT SIMを利用することで従量課金、すなわち未使用時の通信料を最低限に抑えることができます。
もちろん、宛先(ルーティング)に応じた両回線の同時利用も可能です。
これまでの内容を表にまとめました。選択の基準にお使いください。
産業用LTEルーター UD-LT1/EX | LTEルーター WN-CS300FR | |
使用温度範囲 | -20~60度 | 0~35度 |
外付けアンテナ | 対応(別売) | 本体内蔵アンテナのみ |
LAN側インターフェース | 有線(RJ-45) | 有線(RJ-45)、無線(802.11b/g/n) |
WAN側インターフェース | セルラー(LTE/3G)、有線(RJ-45) | セルラー(3G/LTE) |
通信経路の冗長化 | 可(同時利用も可) | セルラーのみ |
販売価格(送料別) | 2万9700円 (2200円分のソラコムクーポン含む) |
1万4850円 (1500円分のソラコムクーポン含む) |
SORACOM IoT SIMのプランが動作確認済
両機種とも複数のLTE通信網が利用できるマルチキャリア対応ですので、 SORACOM IoT SIMの複数のサブスクリプションを選択いただくことができます。対応するSIMカードのサイズが異なるのでSIMカード発注の際はご注意ください。
産業用LTEルーター UD-LT1/EX | LTEルーター WN-CS300FR | |
SIMカードのサイズ | 標準サイズ | マイクロサイズ |
対応サブスクリプション | plan-D(D-300MB 含む) plan-DU plan-K plan01s plan01s-LDV planX2 planX1 planP1 |
plan-D(D-300MB 含む) plan-DU plan-K plan01s plan01s-LDV |
ポートフォワード機能とSORACOM NapterやSORACOM Gateを組み合わせてリモートアクセス
LTEルーターということで、LANに接続するIoTデバイスからのインターネット接続に活用できるのはもちろんですが、SORACOMサービスとの組み合わせで、IoTデバイスへの安全なリモートアクセスに利用することもできます。
両機種とも特定ポート番号宛の通信をLAN上のIPアドレス、ポート番号宛に転送する以下の機能があります(いずれもWeb管理画面での設定項目名です)。
・WN-CS300FR : [詳細設定] – [ポートの開放]
・UD-LT1/EX : [転送設定] – [DNAT]
そこで今回、UD-LT1/EX による PLCのリモートアクセスの手順を解説する IoT レシピを公開しました。
まとめ
SORACOM IoTストアで販売開始したLTEルーター2機種をご紹介しました。様々なIoTプロジェクトでご利用いただけることを期待しています。こんなIoTデバイスを扱って欲しい、こんなサービスがあったら便利かもなどの要望があればソラコムまでお知らせください。
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