9月14日(現地時間)に発表された「iPhone 13」シリーズについて、アスキーの執筆陣に想いを聞きました。
10代のスマホカルチャーに詳しいITライター・スマホ安全アドバイザー 鈴木朋子氏は「シネマティックモード」に注目しています。
私がお気に入りのアップル製品は、iPhoneとApple Watch。でも、昨年iPhone 12 Proを購入したので今回は見送るつもりだったこと、そしてApple Watch Series 5にも不満を感じていないため、穏やかな気持ちで発表を見ることができました。
近頃のスマホはカメラの進化が注目ポイントです。シャッターボタンを押すだけで美しい写真や動画が撮れるなんて、幸せな時代になりました。カメラの知識がない私でも、iPhone 12 Proを使って「ナイトモード」で暗闇にいる猫の写真が撮れますし、「ポートレードモード」で背景をぼかした写真も撮ることができます。
そして今回、iPhone 13シリーズで気になったのは「シネマティックモード」。動画モードに追加された機能で、映像にピントとボケを付与することができます。例えば、メインとなる人物にピントが合っている状態で人物が後ろを向くと、後ろの人物にピントが移動してメインの人物はボケます。これは、iPhoneのニューラルエンジンが映画撮影の技法やピント送りを学習しているため、自動的に処理されるとのこと。
ピントの位置は手動で変更することもできます。さらに、ボケ効果の強さは写真アプリやiOS用のiMovieで後から変更することもできるそう。すごい。
なぜシネマティックモードに感動したかというと、私はSNSや若者への取材を通して、写真から動画へのシフトをひしひしと感じているからです。スマホネイティブは、おいしい料理や美しい風景も動画で撮影します。静止画は動画をスクショすればOKですからね。
写真共有アプリ「Instagram」も、ストーリーズ、リール、IGTVと、動画を共有する機能を充実させています。女子高生は友達のお誕生日祝いに、その子が映っている動画をコラージュしてストーリーズに投稿することもしばしば。編集上手な子が人気を集めています。
短尺動画アプリ「TikTok」は、もはや若い女性がダンスを踊るだけのプラットフォームではなく、日常を記すVlogやグルメ情報、エンタメ動画などが盛りだくさん。さらにTikTokは新たなクリエイターを発掘する映画祭「TikTok TOHO Film Festival 2021」を東宝と開催するなど、短編映画への活用も推し進めています。スマホがあればプロへの登竜門が開ける時代が来ているんですね。
誰もが動画を撮影・編集する今、シネマティックモードはかなり重宝されそうです。私もどのようにピントが移動されるのか、機会があればあれこれ試してみたいです。
そして、もうひとつ注目したのは、「iPad mini」と「iPad」。なぜなら、文部科学省が推し進めている「GIGAスクール構想」では、Windows 10 Pro、Chrome OS、iPadOSの3つが採用されているからです。端末の選択は各学校の意向もあり、持ち帰り学習も実施されつつありますが、すでにiPhoneを使っていれば「家族用にiPadを買って学ばせよう」と考える家庭も多そうです。
子どもでも持ちやすいサイズながらハイスペックに進化したiPad mini、手に入りやすい価格が用意されているiPad、どちらも気になりますが、学習用には画面が大きいiPadが良さそうです。アップルもオンライン学習での利用シーンを用意していますね。インカメラが1.2メガピクセルから12メガピクセルへと強化されたことで、より鮮明なやり取りができるようになりました。
昨年に引き続き、マスク生活に対応したソリューションがなかったことが悲しいですが、子どもから大人まで楽しめる製品がさらに充実したことを感じます。そして正直に言いますと、Apple Watch Hermesの新作に心が揺れています。発売日までに気持ちを落ち着けなければ。