8月10日、コーレルはmacOS上でWindowsなどのOSを動かすソフトウェアの新バージョン「Parallels Desktop 17 for Mac」を発表した。今年4月にM1 Macに正式対応した「Parallels Desktop 16.5 for Mac」が発売されているが、メジャーアップグレードとしては本製品が初。今年後半に登場予定の新OS「macOS 12 Monterey」と「Windows 11」への対応が表明されている。
現在、MacにはApple M1チップ搭載のM1 Macとインテル製CPU搭載のインテルMacの2系統があるが、Parallels Desktop 17が動作する「ホストOS」は両Mac上のmacOSとなる。具体的には、M1 Macでは現行のmacOS 11 Big Surとリリース後に正式サポート対象となるmacOS 12 Monterey。インテルMacでは、macOS 10.13 High Sierra以降となる。 一方、Parallels Desktop 17上で動作する「ゲストOS」は、M1 Maccでは同チップ(ARM64)対応のOSが、インテルMacではx86_32(x86)およびx86_64(x64)対応のOSとなる。
このようにM1 Mac上のParallels Desktop 17のゲストOSはARM64対応版のみで、x86/x64版のWindowsは動作しない。だが、ARM版Windows 10にはx86アプリを動かす機能があるほか、x64アプリへの対応をマイクロソフトが進めている。結果的にParallels Desktop 17とARM版Windows 10を用意すれば、M1 Mac上でも(ARM版が存在しない)x86/x64版Windows用の膨大な数のアプリケーションが利用できることになる。
Parallels Desktop 17では、性能向上も図られている。まず、OpenGLのグラフィックパフォーマンスは最大6倍高速化するほか、2Dグラフィックスは最大25%の高速化。また、WindowsとLinuxのレジュームが最大38%高速化している。M1 Macでは、Windows 10 Insider Previewの起動が最大33%、ディスクパフォーマンスが最大20%高速化し、DirectX 11のグラフィックスパフォーマンスは最大28%向上しているという。
価格はParallels Desktop 16から変更はなく、新規パッケージが9818円、アップグレードが5204円、サブスクリプション版が8345円/年。また、上位製品のParallels Desktop for Mac Pro Editionおよび同 Business Editionが共に9818円/年。