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17.3型ゲーミングノート「ROG Zephyrus S17 GX703HS」レビュー 独自の冷却設計でGPUもSSDも超高速だ

2021年08月16日 11時00分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 編集● ASCII

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 ASUS JAPANが7月15日に発表した17.3型ゲーミングノートPC「ROG Zephyrus S17 GX703HS」、その最大の特徴はキーボードのリフトアップ機構だ。

 ディスプレーを開くとキーボードがせり上がり、その下の給気口が開放される独自冷却システム「Active Aerodynamic System Plus」を採用しており、ハイパフォーマンスCPUとディスクリートGPUを効率的に冷やし、ピークパワーを引き出すことが可能だ。

ASUS JAPAN「ROG Zephyrus S17 GX703HS」希望小売価格49万4800円

CPUは「Core i9-11900H」、ディスクリートGPUは「GeForce RTX 3080 Laptop GPU」を採用

製品の高い性能を考慮すれば、2.75kgは携帯に値する

 ROG Zephyrus S17 GX703HSに用意されているのは「GX703HS-I9R3080U120」という型番の1モデルのみ。OSは「Windows 10 Pro 64ビット」、CPUは第11世代(Tiger Lake)の「Core i9-11900H」(8コア16スレッド、2.5~4.9GHz)、ディスクリートGPUは「NVIDIA GeForce RTX 3080 Laptop GPU」(16GB)を採用。メモリーは32GB(DDR4-3200)、ストレージは当然のごとくPCIe 4.0 x4接続の2TB SSDを搭載している。

 もちろんRepublic of Gamersの最新ゲーミングノートPCだけに、CPUは、温度を最大10度下げると謳われているThermal Grizzly製液体金属グリスで取り付けられており、前述の独自冷却システム「Active Aerodynamic System Plus」と相まって、ハイパフォーマンスが期待できる。

 ディスプレーは、17.3型4K液晶(3840×2160ドット、500cd/m2、100% DCI-P3、リフレッシュレート120Hz、応答速度3ms、Dolby Vision対応、Pantone認証取得)。高速描画と広色域を兼ね備えたプレミアムなディスプレーだ。またサウンド面についても、ふたつのツイーターと4つのウーファーを組み合わせ、バーチャルサラウンド技術「Dolby Atmos」に対応した6スピーカーシステムが採用されている。

 インターフェースは、Thunderbolt 4(データ転送、映像出力、本機への給電対応)、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、映像出力、本機への給電対応)、USB 3.2 Gen2 Type-A×3、HDMI、有線LAN(1000BASE-T)、3.5mmコンボジャックと豊富に装備。本体のディスプレーと合わせて最大4画面のマルチディスプレイ環境を構築可能だ。ワイヤレス通信機能は、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.1をサポートしている。

 シャーシはフルメタル製。ボディーサイズは394.9×264.3×19.99~22.5mm、重量は約2.75kg。急速充電に対応した90Whのバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は約5.5時間、充電時間は約1.8時間だ。バッテリーベンチマーク結果を先にお伝えしてしまうが、ディスプレー輝度40%でバッテリー残量2%までという条件で、カタログスペックを上回る6時間7分20秒動作した。

 Thunderbolt 4とUSB 3.2 Gen2 Type-C端子はUSB Power Deliveryによる充電に対応しているので、サードパーティー製小型USB Power Delivery対応充電器と組み合わせれば、モバイルノートPC的に活躍させることも可能だ。もちろん「軽快に持ち運べる」とは言えないが、本製品のハイパフォーマンスを考慮すれば、約2.75kgボディーは携帯に値すると筆者は考える。

シャーシはオールメタル製。Republic of Gamersのロゴは質感の高い鏡面仕上げだ

本体底面。せり上がったキーボードの下から吸気する冷却機構を採用しているため、底面の放熱口の面積は狭めだ

ディスプレーは17.3型4K液晶(3840×2160ドット、500cd/平方m、100% DCI-P3、リフレッシュレート120Hz、応答速度3ms、Dolby Vision対応、Pantone認証取得)。狭額ベゼルにより画面占有率は88%を実現している

95キー英語光学メカニカルキーボードを採用。ディスプレー奥にはステレオスピーカーが配置されている

本体前面(上)と本体背面(下)。本体前面中央にはディスプレーを開きやすいように突起が設けられている

右側面にはUSB 3.2 Gen2 Type-A×2、左側面には電源端子、HDMI、有線LAN(1000BASE-T)、USB 3.2 Gen2 Type-A、Thunderbolt 4(データ転送、映像出力、本機への給電対応)、USB 3.2 Gen2 Type-C(データ転送、映像出力、本機への給電対応)、3.5mmコンボジャックを用意

ディスプレーの最大展開角度は実測131度。ディスプレーを開くとキーボード面に5度の傾斜がつく

キーボード面が持ち上がることで通気口が大きく開き、冷却効率も向上する

パッケージには、本体、ACアダプター、電源ケーブル、説明書類が同梱

ACアダプターのコード長は実測179cm、電源ケーブルの長さは実測117cm

ACアダプターの型番は「ADP-280BB B」。仕様は入力100-240V~3.2A、出力20V 14A、容量280W

本体の実測重量は2794g

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測1004g

画面を見ながら手探りで操作できる「マルチホイール」が便利

 本製品のキーピッチは実測19mm前後、キーストロークは1.9mm。F4キーとF8キーの右に間隔が空けられており、テンキーも備えている。英語配列な点は人を選ぶが、フルサイズのキーボード感覚だ。

 また、メカニカルキーボードのオプティカルスイッチは、0.2ミリ秒で作動するとされており、最大1億回の打鍵に耐える耐久性も備えている。もちろんNキーロールオーバー対応だ。なによりキーボード面の剛性が非常に高く、打鍵感も良好。やや打鍵音は大きめだが、ノートPCのキーボードとしては相当上質な部類に入ることは間違いない。

 ユニークな装備がキーボード左奥に設置されている「マルチホイール」。デフォルトでは音量調節が割り当てられているが、長押しすると表示されるメニューから、縦スクロール、マイク、ディスプレーの明るさ、キーボードのバックライト、タスクスイッチャー、HyperFanモードなどを選択し、調節できる。キーボードの機能キーと異なり、画面を見ながら手探りで操作できるので、画面から目を離せない対戦ゲーム時に重宝するはずだ。

 ノイズを低減する「2DNR+3DNRテクノロジー」を採用したASUSの最近のウェブカメラは画質がいい。2DNRでシーンの静的要素を処理し、3DNRで動く物体を最適化しているとのことだが、たしかに室内灯下で明るく、自然な発色で、低ノイズに撮影できる。92万画素と解像度自体は決して高いとは言えないが、ビデオ会議用途なら外付けウェブカメラは不要だ。

 ディスプレーの色域については、カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測してみたが、sRGBカバー率100%、sRGB比138.9%、AdobeRGBカバー率89.2%、AdobeRGB比102.9%、DCI-P3カバー率99.7%、DCI-P3比102.4%という広色域を確認できた。リフレッシュレート120Hz、応答速度3msを生かしたゲーミング用に留まらず、動画のカラーグレーディングにも活用できるプレミアムなディスプレーなのである。

キーピッチは実測19mm前後

キーストロークは1.9mm

キーボード左奥にある「マルチホイール」では、音量やディスプレーの明るさを直感的に調節できる。デフォルトは音量調節

マルチホイールは「Armoury Crate」の「デバイス」からカスタマイズできる

個別に色を設定できるオールキーRGBイルミネートキーボードは明るさを3段階に調節できる

タッチパッドの面積は実測130×85mm

ディスプレー上部には92万画素ウェブカメラと3Dアレイマイクが内蔵。カメラインジケーターの明るさは控えめだ

92万画素ウェブカメラにはノイズ低減のために「2DNR+3DNRテクノロジー」を採用。室内灯下でも明るく、自然な発色で、かつ低ノイズに撮影可能だ(これはWindows 10標準のカメラアプリでHDRをオンにして撮影した写真)

ディスプレーの輝度は500cd/平方m、色域は100% DCI-P3。Pantone認証を取得しており、正確に色を表示できる

実測したDCI-P3カバー率は99.7%、DCI-P3比は102.4%

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