大阪・日本橋エリアにツクモの新店が相次いでオープン
大阪の日本橋は関西有数の電気街だ。「でんでんタウン」と呼ばれる一帯には、家電量販店や中古PCショップ、ホビーショップなどが軒を連ね、大阪だけでなく、兵庫や京都など、関西一帯から人々が訪れる。新型コロナウイルス感染症が流行する前は、海外からも団体観光客が集まる活気あるエリアとなっていた。
そのエリアで今年に入って存在感を増しているのが、自作PCやパーツ、周辺機器などを専門に取り扱うツクモだ。2月14日に、4フロア構成の「ツクモ日本橋店」を日本橋4丁目にオープン。
さらに、6月10日には日本橋3丁目の「ツクモなんば店」をリニューアル。エムエスアイコンピュータージャパンと共同で、ツクモ×MSIコンセプトストアをオープンした。MSIのコンセプトストアは日本初だ。
今回は、両店舗の店長を務める佐藤 岳英氏に、主な品ぞろえやライバル店との違い、新しく生まれ変わった店舗の運営に対する意気込みなどを聞いた。
※記事の写真は6月22日の取材時のものとなります。写真に写っている価格は変動する可能性があることをご了承ください。
日本橋エリアの他店より豊富な品ぞろえを誇る
ツクモ日本橋店
最初に紹介するのは、ツクモ日本橋店。各フロアの主な構成は、1Fに完成品PCやモニター・周辺機器、2Fに自作PC用の各種パーツ、3Fには、ゲーミングデバイスやPCケースをそろえている。4Fはイベントフロアとして開放している(新型コロナウイルス感染拡大の影響で、6月下旬の取材時点では閉鎖中)。
激戦区の日本橋エリアへ新店舗をオープンするにあたって佐藤氏が特に力を入れたのは品ぞろえだという。例えば、1FのPCコーナーには、ゲーミングPCだけでなく、dynabookシリーズやLenovoシリーズなど、ビジネスやプライベートにも使える国内外のPCも数多く取りそろえている。
「日本橋エリアで両方を取り扱っている店舗は少ないですが、オープン後はビジネス用途などでゲーミングPC以外を求めて立ち寄られるお客様も多く、両方のニーズに応えられるように用意しています」と佐藤氏は話す。
佐藤氏は、東京・秋葉原のツクモでも店長を務めていた経歴を持つ。秋葉原と大阪・日本橋の違いについて同氏は、「秋葉原では、ほぼ全メーカーの製品を一店舗でそろえている店が多いため、お客様は長時間滞在して、じっくり選んでいく傾向があります。それに対して大阪は、取り扱う製品や種類を絞っているケースが多いのですが、ツクモは、大阪でも秋葉原のように幅広い品ぞろえで、お客様をお迎えしたいと思っています」と意気込みを語る。
「PCショップの売り場としては、日本橋の他店と比べても広い」という同店では、取り扱うメーカー数だけでなく商品点数も充実している。ここ数ヵ月は、新型コロナウイルスの感染拡大によるテレワークの影響で、2~3万円前後の手頃なディスプレーが売れ行き好調だという。
取材当日も、本格的なe-Sports用から、とりあえずディスプレーが使えれば良いという人向けの手頃なモデルまで、ディスプレーだけでも数十種類の製品がズラリと並んでいた。自作PC用のパーツなども可能な限りそろえるようにしているという。
「メーカーから取り寄せになると、お届けするまでに数週間から1ヵ月程度かかることもあります。特にディスプレーは、今の時期はその場で持って帰りたいというお客様も多いため、できる限り品ぞろえを充実させるようにしています。もちろんスペースに限りはあるため、PCパーツを含めてまだまだ置けていない製品はありますが、トレンドやニーズを考えながら、在庫切れにならないようにコントロールしています」(佐藤氏)
さらに、ツクモ日本橋店では、店内での居心地にもこだっているという。主にPCパーツを取り扱っている2Fでは、フロアの真ん中にCPUやメモリーの価格表が掲載されている。
通常は、レジカウンターの上に掲載している店が多いが、佐藤氏の発案で位置を変更した。「レジカウンターの上だと、お客様と店員の視線がぶつかって、お互い気まずくなってしまいます。お客様は店員の目が気になりますし、店員は声をかけるべきか迷ってしまうため、じっくり見られる場所に変更しました」と佐藤氏は話す。
店内では、店員とマンツーマンで相談をしながら自作PCのパーツを一から選んでいる人も。「ベテランのお客様はもちろん、初めて自作PCにチャレンジするお客様にも気軽に足を運んでほしいと思います」と、来店しやすい空気作りをしていると佐藤氏は話した。