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ツールレスでメンテナンス性向上したFractal Designの「Define 7」採用

デュアル水冷でハイエンドパーツを静かに、強力に冷却! ゲーミングPC「G-Master Hydro X570A」はPCケース刷新でメンテナンス性も向上

2020年04月23日 14時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

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「G-Master Hydro X570A」

 高性能CPUやGPUの搭載にともなう発熱の増加を、2つの水冷クーラーで静かに、そして強力に冷やしてくれるのがサイコムの「G-Master Hydro」シリーズ。ゲームなどの遊びはもちろん、高性能パソコンとして仕事や趣味まで幅広く対応できる人気シリーズだ。

 とくにCPUにRyzenシリーズを採用した前モデルの「G-Master Hydro X570A」は、メニーコアによるCPU性能の高さと静音性とで、魅力ある1台となっていた。

 「G-Master Hydro X570A II」は、前モデルからPCケースが変更された新モデル。同じFractal Designケースを採用しているが、「Define 6」から「Define 7」へと進化しているのが大きな特徴だ。今回はこの新ケースの採用で、内部がどのように変わったのかを中心にチェックしていこう。

Fractal Designの「Define 7」を採用

試用機の主なスペック
機種名 G-Master Hydro X570A II
CPU Ryzen 9 3950X
グラフィックス GeForce RTX 2070 SUPER
メモリー 32GB(16GB×2)
ストレージ 1TB SSD(PCIe 4.0×4接続)
PCケース Define 7
マザーボード X570 AORUS ELITE
電源 SilverStone SST-ST75F-GS V3 [750W/80PLUS Gold]
OS Windows 10 Home(64bit)

シンプルなデザインは踏襲しながら
ツールレスでメンテナンスできるように!

 Fractal Designのケースはフラットでシンプルなデザインが特徴だが、この印象は新ケースでも変わっていない。では何が変わったかといえば、メンテナンス性の高さだ。具体的にいえば、側面パネルや上面、そしてフロントパネルまで、ドライバーなしに次々取り外すことができるのだ。

 自作PCであれば組み立て時に便利なものの、完成品のBTOパソコンであればユーザーに関係ない部分だと思われがちだが、実は違う。デスクトップパソコンを長く使うにはホコリの除去といったメンテナンスが欠かせないため、使いやすいケースは使いやすいBTOパソコンの必須条件ともいえる。

 底面やフロントの吸気口フィルターも従来通り取り外しが簡単なので、週に一度、月に一度の掃除も素早く、簡単に行なえるのがうれしい。

スライド着脱可能な底面フィルター。底面全体を覆い、ホコリの侵入を防いでくれる

側面のガラスパネル、そして上面パネルともに引っ張るだけで取り外し可能。吸排気口のホコリも簡単に除去できる

フロントには2つの大きな吸気ファンを装備。その手前に着脱可能なフィルターを装備している

ここまでやるのかと驚いたのが、フロントパネルも外せること。さすがにここまで分解することはないとはいえ、重メンテナンス時に重宝するだろう

シリーズ最大の特徴は、CPUとグラボに装着された水冷クーラー

 G-Master Hydro X570A IIのケース内部、PCの内部構成についても見ていこう。Define 7の黒モデルでは内装が白となっており、外観とのコントラストが美しい。ここに、サイコムらしいケーブリングで無駄のない組み立てが行われることにより、内部までスッキリとシンプル、そして美しい仕上がりとなっている。

内部は明るい白となっているのが特徴。ケーブルやパーツが黒で統一されていることもあり、明確なコントラストとなっているのがユニーク

 さて、この内部を見て気づいた人もいると思うが、120mmのラジエーターが上部と背面の2ヶ所に装備されている。上部のラジエーターはCPU、そして背面のラジエーターはビデオカードの水冷クーラー用だ。この2つの水冷クーラーを搭載しているのが、サイコムの看板ともいえるG-Master Hydroシリーズの特徴だ。

 ほかのBTOパソコンではほとんど見かけないのが、ビデオカードまで水冷化されている点。自作PCならユーザーが水冷キットを使って水冷化しているという例はあるが、これは完全に自己責任となる。G-Master Hydroシリーズでは、このビデオカードの水冷化をサイコムが実施。当然保証付きとなるため、安心感は段違いだ。

独自にカスタマイズした水冷クーラー搭載ビデオカード。外装を加工してあるため、まるで最初から水冷だったかのように見える

 ゲーム中はビデオカードに大きな負荷がかかり、ファン回転数が高くなり、結果驚くほどの騒音となることが多い。こういった騒音から解放されるというだけでも、G-Master Hydroシリーズを選ぶ価値がある。

さすがに水冷クーラーを2つ搭載しているとマザーボード付近が窮屈に感じるが、ケーブルは必要最小限となっており、空気の流れが阻害される心配はない

静音性もバッチリでメンテナンス性にも優れた1台

 水冷クーラーだからといって無音に近いわけではなく、常時ファンが回転するため、アイドル時はむしろ空冷のほうが静かなことすらある。しかし、水冷クーラーは高負荷時でもファン回転数はほとんど変わらないのに対し、空冷クーラーは急激にファンの回転数が跳ね上がり、騒音値が上昇。また、ファン回転数変化による音の変化が気になってしまいがちだ。

 水冷クーラーは急激な騒音の変化がないぶん、静かに感じられるというのがメリット。本体を机の下に配置したり、少し離れた場所に置けば、まず気になることはないだろう。

 性能にこだわったゲーミングPCが欲しいが、騒音が大きくなるのは困るというのであれば、G-Master Hydroシリーズは最高の選択肢。さらに、メニーコアによるCPU性能の高さも重視したいというなら、CPUにRyzenシリーズを搭載したG-Master Hydro X570A IIは、選んで後悔しない1台といえる。

 今回はシリーズの特徴と内部構造をメインにお伝えしたが、次回は実機を使った性能を中心に紹介していこう。

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