ゲーミング向けデスクトップPCでも、マザーボードにまでこだわる製品はさほど多くない。TSUKUMOの「G-GEAR mini GI7A-C194/EX1」は、サイズが183(W)×390(D)×300(H)mmのミニタワー型PCで、マザーボードにASUSの「ROG STRIX B450-I GAMING」を採用。マザーボードにMini-ITXながらもゲーミング向けにこだわっている点が非常にユニークだ。
では、このG-GEAR mini GI7A-C194/EX1のパフォーマンスはどの程度なのだろうか。Mini-ITXでも十分使い勝手は優れているのだろうか。そのあたりをテストにより明らかにしてみたい。
Ryzen 7 3700X+RTX 2060という組み合わせ
コンパクトだが高い機能性を装備
まずは、G-GEAR mini GI7A-C194/EX1の外観から触れておきたい。G-GEAR mini GI7A-C194/EX1は、ケースに「G-GEAR ミニケース(8M05)」を採用し、全体が黒一色にまとめられている。両側面に加えて、前面と天板すべてがメッシュ構造となっており、通気性の良さから、コンパクトなサイズながらも内部に熱がこもる懸念はまったく必要ない。前面右側にはUSB 3.0を2つと、ヘッドフォン出力、マイク入力を装備。これらの入出力端子はアクセスしやすく、使い勝手は上々だ。
CPUには、8コア16スレッドタイプの「Ryzen 7 3700X」を搭載。システムメモリはPC4-21300の8GBを2枚、計16GBと、かなり高性能なスペックを誇る。GPUは「GeFroce RTX 2060」を採用しており、ゲームにおける快適性も期待できそうだ。
マザーボードは前述のとおり、ROG STRIX B450-I GAMINGを採用。このROG STRIX B450-I GAMINGは、チップセットにAMD B450を搭載しており、BIOSアップデートにより第3世代Ryzenに対応している。自作する場合、このBIOSアップデートがハードルになりやすいのだが、BTOであれば当然最新BIOSにアップデートされているので、最初から安定動作が得られる点はありがたい。
また、LAN機能は1000BASE-T対応の有線LANと、IEEE802.11ac/n/a/g/b対応の無線LANを装備。さらに、Bluetooth v4.2もサポートしており、さまざまな周辺機器がアダプターを用意することなく利用可能だ。とくに、オーディオコーデックのS1220Aを核としたオーディオ機能「SupremeFX」は要注目で、8チャンネルサラウンドに対応するほか、デュアルオペアンプを備えるなど高い音質を実現する。
サイドパネルを外して内部を確認してみると、内部にもう1枚補強用にサイドパネルが装着されているのがわかる。大きく開いた窓からは、CPUクーラーの「Wraith Prism Cooler」が光っている様が見え、この光がサイドパネルのメッシュを通して漏れ出てくるあたりは、いい雰囲気を醸し出している。そのパネルをさらに外すとようやく内部にアクセスできるようになるわけだが、ミニタワー型というコンパクトなサイズながらも、内部空間は比較的ゆったりと確保されており、メンテナンスなどの作業性は申し分ない。
ただ、ゲーミング用途で考えると、ストレージにSSDを240GBしか用意されていない点は少々物足りない。しかも、Serial ATA 6.0Gbps接続なので、コストに余裕があるのであればBTOからNVMe接続の大容量タイプを選択したいところ。もし、コストが厳しいのであればHDDを追加しておくと、ゲーミング用途で困ることはないだろう。
なお、電源ユニットはHEC製で80PLUS SILVERの認証を受けた定格出力500Wのものを搭載。このあたりはミニタワー型であることに加えて、拡張性が制限されるMini-ITXのマザーボードを採用していることから妥当な選択と言えよう。