このページの本文へ

RX 590搭載グラボ「ROG-STRIX-RX590-8G-GAMING」はフルHD環境ならお買い得な選択肢

2019年01月09日 11時00分更新

文● 林 佑樹 編集●ジサトラショータ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ROG-STRIX-RX590-8G-GAMING。実売価格4万2000円前後

 現在のPCゲーミングシーンにおいては、4K HDRやリアルタイムレイトレーシングといったワードがホットだ。とはいえ4K、かつHDRや最高設定のグラフィックスでゲームを遊ぼうとすると、相応のスペックのPCを用意する必要があるし、レイトレーシングは対応グラボやタイトルがまだまだ少ない。

 そうした事情もあってか、フルHD~WQHD解像度で満足なパフォーマンスが発揮できるミドルクラスのグラフィックボードは依然として根強い人気だ。今回チェックするASUSのRadeon RX 590搭載グラフィックボード「ROG-STRIX-RX590-8G-GAMING」は、実売価格4万2000円前後で冷却性能を重視したもので、上記のようなユーザーをターゲットにする狙いがよく分かる。またVRAM容量が8GBであるため、複数モニター環境を検討する人にもオススメしやすい。

ROGブランドおなじみの黒い大型クーラー。3連ファンで冷却も十分だ

追加のファンコネクターを備えており、負荷状況にあわせた回転数のコントロールができる

 ROG-STRIX-RX590-8G-GAMINGの外観は、ASUSのゲーミングブランド「ROG STRIX」シリーズのデザインを踏襲したもので、ブラックの大型クーラーが特徴。ヒートシンクも大きく冷却面の心配は少ないが、購入にあたってはまずPCケースに入るかどうかを確認したいところ。サイズは約298mm×134mm×52.5mmということで、とくに約30cmのカード長に対応するPCケースであるのかが重要だ。

 先に述べた通り、見た目だけでなく冷却性能もミドルクラスとしては強力なものとなっている。3連ファンを搭載し、巨大なヒートシンクは側面からもよくわかる造りだ。これは、ROG-STRIX-RX590-8G-GAMINGの高い消費電力への対応のほか、3つのウイングブレードファンでノイズレベルの低減や0dBモードの実現といった狙いもある。

出力は、DisplayPort 1.4×2、HDMI 2.0b×2、DVI-D×1。

 また最近のASUS製品にならって、同社のLED同期機能「Aura Sync」にも対応し、ファンが見えている側だけでなく、バックプレート部分のROGロゴも点灯する。ミドルクラスであってもライトアップ需要にもちゃんと応えているのは、ROGらしい部分と言えるだろう。

バックプレート部分の大きなROGロゴは通電により点灯する。Aura Syncによる他パーツとの同期にも対応

側面のロゴと文字にも点灯する部分がある

 出力は、DisplayPort 1.4×2、HDMI 2.0b×2、DVI-D×1。ゲーミング環境ではシングルモニター中心であるケースも多いが、マルチモニター環境が構築しやすいのはメリットだろう。またVRAM 8GBである点はゲームだけでなく、モニター×4といったシーンでも効果的であり、予算を押さえてVRAMの多いGPUを探すといった場合にもROG-STRIX-RX590-8G-GAMINGはちょうどいい。

ゲームタイトル次第ではGTX 1060に逆転されるが、VRAM容量では優位性アリ

 ではベンチマーク結果を見ていこう。ベンチマークは、3DMark v2.6.6238とFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク v1.2を実行した。比較対象としては似た価格帯であるGeForce GTX 1060搭載の「ROG STRIX-GTX1060-O6G-GAMING」を用意して、同様のベンチマークを実行している。計測環境は、Core i7-8700K、メモリー16GBで統一した。なおドライバーバージョンは、ROG-STRIX-RX590-8G-GAMINGが18.12.3。ROG STRIX-GTX1060-O6G-GAMINGが417.35。

3DMarkのスコアー

 3DMarkから見ていくと、ROG-STRIX-RX590-8G-GAMINGは、Time Spy、Fire Strike、Fire Strike Extreme、Fire Strike UltraのいずれにおいてもGTX 1060を上回る結果となった。おおむね10%程度のスコアー増となっており、価格帯からすると良好な性能と言ってよさそうだ。とはいえFire Strike Ultraのスコアーを見ると、フルHDベースで大半のゲームは最高設定で遊べるが、ヘヴィ級のタイトルでは設定を下げる必要があることも分かる。この点は次のFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークでも同傾向だ。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークのスコアー

 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークは、NVIDIAのGeForceに最適化されているため、こちらでは逆にGTX 1060のスコアーが高くなってしまった。標準品質プリセットではクリティカルな差ではないのだが、高品質プリセットでは下記グラフの通り、小さくない差が生じている。GPUのパフォーマンスはゲームの最適化状況によってかなりの影響を受けることが分かる結果と言えるだろう。このあたりはゲーム次第というほかないが、今後フルHD環境でもより多くVRAMを使用するタイトルが増えてくれば、RX 590搭載グラボの優位性は高くなるかもしれない。また同ベンチマークはヘヴィ級タイトルに近い負荷があるため、GPU性能が追いつかないと感じた場合は、まず標準設定から特定の項目設定を高くするといい。

 総合的に言えば、価格帯からすると性能は高く、お買い得な1枚である。極端に負荷の高いゲームよりは、中負荷のゲームをよく遊ぶのであれば、ほどよい存在だろう。またVRAMの多さも特徴といえるため、マルチモニター環境やVRAM量がモノをいうアプリケーションを使用しているのであれば、検討してみるといい。

■関連サイト

カテゴリートップへ