12月14日に販売開始となった、ASUSのオールインワン水冷CPUクーラー「ROG RYUJIN 360/240」は、マザーボードやグラフィックスボード、周辺機器といった手広い展開でその名を知られる同社が、今年6月に開催された「COMPUTEX TAIPEI 2018」にあわせて発表した待望の自作系パーツだ。同社初の水冷クーラーということで、ASUSのハイエンドゲーミングブランド「ROG」らしい高機能製品に仕上がっている。
発売前にサンプル製品を借りることができたので、詳細をチェックしていこう。
ウォーターブロックのOLEDが強烈な「ROG RYUJIN」
「ROG RYUJIN」は、同社初のハイエンド簡易水冷クーラー。ラジエーターサイズが異なる「ROG RYUJIN 360(360mmラジエーター、3連ファン搭載)」と「ROG RYUJIN 240(240mmラジエーター、2連ファン搭載)」の2モデルを併売するが、今回取り上げるサンプル機は360mmラジエーター搭載モデルだ。
対応ソケットはインテルLGA 1150、LGA 1151、LGA 1152、LGA 1155、LGA 1156、LGA 1366、LGA 2011、LGA 2011-v3、LGA 2066のほか、AMD Socket AM4、Socket TR4でも使用できる(TR4で使用する場合、CPU付属のCPUクーラー取り付け用ブラケットが必須)。メインストリームだけでなく、最新のHEDT向け製品とも組み合わせられるのは嬉しい。
ウォーターブロックのカバーは取り外しができ、内部には小型の60mmファンが確認できる。水冷クーラーはその構造上、空冷のトップフローやサイドフローに比べてVRM部やM.2スロットの冷却面が弱くなりがちだが、こうしたファンを内蔵することで、CPU以外の部分も効率的に冷却できるというわけだ。
最大の特徴は、カラー液晶が目を惹く巨大なウォーターブロック部分だろう。液晶は1.77インチの有機ELディスプレー「LiveDash full color OLED display」。近年のASUS製マザーボードに内蔵されているLiveDashモニターでは、CPU温度や電圧、動作クロックといった数値のモニタリングが可能だったが、このディスプレーはそれに加えて、jpegのカラー画像やGIFアニメーション、テキストなどを表示可能になっている。
画像などの表示には、「LiveDash」ユーティリティーをインストールする必要がある。表示できるのは解像度160×128ピクセルのjpeg/GIF画像。ファイルサイズは最大で1MBまで。テキストの場合は短い文字列を4行まで入力できるが、日本語には対応しておらず、アルファベットのみで、記号も一部正しく表示されない。画像の場合は用意する手間はあるが、PC内部のカスタマイズにこだわりたいコアな自作ユーザー垂涎の機能と言っていいだろう。
ラジエーターは360mmモデルだとかなり大きいため、装着できるPCケースかどうかを事前にチェックする必要があるだろう。なお、搭載されるファンは、高級志向かつ静音の製品に定評があるNoctua製の「industrialPPC fan」。240mmモデル、360mmモデルのどちらも口径120mm、回転数2000rpmのファンを搭載している。
もちろん、おなじみASUS独自のLED同期機能「Aura Sync」にも対応し、LEDカラー・パターンの制御や他パーツとのLED同期が可能だ。
実売価格は、ROG RYUJIN 360が4万円前後、ROG RYUJIN 240が3万3000円前後。とにかくデザインや見栄えを意識したCPUクーラーなので、ROGブランドの製品を多く使った自作PCや、ユニークなMOD PCなどに採用するのが良さそうだ。特にウォーターブロック部分はカバーが取り外し式ということもあって、MODカスタムの余地も高そうだ。なかなかに高価ではあるが、最新CPUで水冷クーラーを検討しているユーザーはもちろん、PCのドレスアップに挑戦したいという人も一考の価値があるだろう。