ESET/マルウェア情報局
デジタル革命を生き抜くために必要な5つのスキル
本記事はキヤノンITソリューションズが提供する「マルウェア情報局」に掲載されたデジタル革命で生き抜くスキルを培うためにを再編集したものです。
この記事は、ESETが運営するマルウェアやセキュリティに関する情報サイト「Welivesecurity」の記事を翻訳したものである。
デジタル化が急速に進み、私たちの生活はあらゆる面で大きな技術的進歩の影響を強く受けている。もちろん職場も例外ではなく、デジタル技術が発展することで、働き方や業務に必要なスキルも変化を遂げている。デジタル技術はいわば職場環境に革命を引き起こしたとすらいえる。実際、新たな職種や役割が次々に登場してきている。その一方で、単純な作業は自動化が進み、将来なくなってしまう恐れもある。
このデジタル革命時代を生き抜くにはデジタルスキルを磨くことが欠かせない。現在、あらゆる業務においてデジタルスキルが必要とされているが、十分なスキルを有する人材は供給不足に陥っている。例えば、ヨーロッパではデジタルスキルをまったく持たない労働者が14% 、スキルはあれど十分なレベルに達していない労働者が約40%と推定されている。労働市場ではこのようなミスマッチもあり、需要が供給を上回る状態が続き、多くの仕事で人材不足が慢性化しつつある。この記事をチェックしている人は、きっと「デジタル弱者」ではないだろうが、安堵するのは早計だ。
コンピューターセキュリティを含むIT領域において、仕事のための「才能」は確かに必要かもしれない。しかし、それは決定的な理由にはならない。むしろ、求められるスキルとのギャップを埋め、補充人員として採用されるためには「探究心」を持つことである。
では、デジタル革命で求められるスキルを獲得し、ブラッシュアップしていく方法とはどのようなものと考えるだろうか。「欧州サイバーセキュリティ月間 」(ECSM) 2週目のテーマは「デジタルスキルと教育を拡充するには?」だったが、これは自らに問い掛け、答えを捻り出そうとすることに意味があることを示している。ミック・ジャガー (Mick Jagger) はよく知られた曲でこのように歌っている。
「You can’t always get what you want, but if you try, sometimes, you might find you get what you need(欲しいものが必ず手に入るなんてことはない。だけど求め続ければ、本当に必要なものを手にできることもあるかもしれない)」。
まずは「始める」ことから
“欲しいものが必ず手に入るなんてことはない。 だけど求め続ければ、本当に必要なものを手にできることもあるかもしれない“
欲しいもの、好きなもの、必要なもののバランスさえ決まれば、目標とその達成への道筋を明確にできる。目標を持つこと自体は望ましいことだが、目標を決めただけでは終わりといえない。目標までの長い道のりを覚悟し、達成に向けた最初の一歩を実際に踏み出す決心が必要である。目標達成のためには学習や実習のために時間を確保しなければならない。日々の忙しい中、難しいことだが、時間を確保して進めていくことが重要なのだ。
永遠に「学び」続けること
学校に再び通うために徹夜で試験勉強する、というようなことは不要で、いまやインターネット上で事足りる。インターネット上にはさまざまな学習方法が存在するが、検討に値するのはオンライン講座とウェビナーだけだろう。
以前、サイバーセキュリティに関連したテーマで、おすすめの無料講座 を取り上げたことがあった。最近は、本来大学でしか学べなかったようなものに至るまで、無料や低価格で提供している講座が数多くある。しかも、その講座を担当する多くは世界のトップレベルの大学講師だ。確かな基礎知識を習得するのに最適なサービスは数多くあるが、その代表例として、Coursera、Udacity、EdX、Udemy、Lynda、MITなどが挙げられる。有償ではあるが、証明書を発行してくれる講座もある。
多読のすすめ
“どんな食事をしたかと同じくらい、どんな本を読んできたか、もう覚えていない。けれどもそれが私を作っている”
ラルフ・ワルド・エマーソン (Ralph Waldo Emerson)
「読むこと」に勝る学習方法はない。優れたものを読むことはいろいろな見識を与えてくれるだけではなく、デジタル領域でパフォーマンスを上げるための簡単な方法でもある。中でも、インターネット上の記事を数多く「読む」のは、技術が急速に発展しているデジタル領域において特に良い方法だといえる。
業界の最新情報を得るには、ニュースのウェブサイトやその他情報源 (メールの通知、Google News、ソーシャルメディアのニュースフィード、RSSフィード、ニュースレターなど) を利用する手もある。しかし、テクノロジー業界のトレンド以外の記事も抑えておいてほしい。業界の特性的にどうしても未来に目をむけがちだが、歴史からは教訓とすべき多くの真実を得られる。例えば、フランスが200年前に「サイバー攻撃」を受けたなんてことを知っているだろうか。
テクノロジー関連の優れた記事からは、多くの知識や意義を学ぶことができる。もちろん、インターネット上の記事ばかりでなく、紙の本を「読書」するという方法もある。良書に没頭するのは、非常に有意義な時間で学びも多い。最近は、インターネット上ですべての情報は収集できてしまうという声もあるだろうが、少なくとも関連するテーマについて「正しい方向への導き」を授けてくれる可能性を良書は秘めている。
コミュニティに参加する
インターネット上のユーザーコミュニティに参加してみるのもひとつの方法だろう。同じ目的を持つユーザーとともに学んだり、考えを共有したりできるはずだ。あるいはボランティアやインターシップへ参加することからも、何かしらの経験を得ることや、参加者たちとの関係構築も期待できるかもしれない。新しいスキルの習得(または、もっと崇高な目的の追及)のために時間を割くことで、キャリアをもう一つ上のステージへとランクアップできる。
展示会、カンファレンス、ワークショップ、セミナーなど業界のイベントにも参加してみよう。無料のものよりもはるかに優れた「価値」が得られるはずだ。同じ業界の「仲間」との会話からは現在のトレンドや自分が解決できていないことへのヒント、回答が見つかるかもしれない。
好奇心旺盛であれ
「Curiosity killed the cat(好奇心は猫を殺す)」とのことわざにもあるように、好奇心がなければ必要な答えはほとんど手に入れられないだろう。先のことわざには続きがある。「Curiosity killed the cat, but satisfaction brought it back (好奇心は猫を殺す、しかし、その分の満足も返ってくる)」というように、強い動機に裏付けられた行動は多くの果実をもたらしてくれるに違いない。
そして、最後になるが、懸命に勉強した結果としてデジタル分野の仕事に就いた際には、「あらゆるものへのセキュリティ」を常に忘れずにいてほしい。
「欧州サイバーセキュリティ月間」を取り上げた記事のひとつ目「Make it a cyber-habit: Five simple steps to staying safe online.」も合わせてご覧いただきたい。
[引用・出典元]
Tips for minding the digital skills gap by Tomáš Foltýn posted 12 Oct 2018 - 01:26PM
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