リクルートワークス研究所は6月6日、全国15歳以上、約5万人の就業実態を毎年調査する「全国就業実態パネル調査」(第3回調査)を実施したと発表。この結果に基づき、働き方に関する独自指標「Works Index(ワークスインデックス)」の2017年(第3回)を公開した。
全国就業実態パネル調査は、働き方の実態を「質」と「量」の両面から総合的かつ詳細に測定するという。
Works Indexは結果に基づき、リクルートワークス研究所が開発した働き方を可視化する独自指標で可視化、検証し、その結果を毎年継続的に発表している。「Ⅰ 就業の安定(安定性)/Ⅱ 生計の自立(経済性)/Ⅲ ワークライフバランス(継続性)/IV 学習・訓練(発展性)/V ディーセントワーク(健全性)」の5つのインデックス(大項目)から成り立っているという。結果からわかったことは、以下のとおり。
Ⅰ 就業の安定は、前年から0.6ポイント上昇し63.6点。女性は全年代、男性はとくに55~64歳と65歳以上のシニア層でスコアが上昇し、就業の安定化が進んでいるという。
Ⅲ ワークライフバランスは、前年から0.6ポイント上昇し64.6点。性、年齢、就業形態別と区分を問わず、あらゆる層で上昇したという。
同インデックスを構成する4つのインディケーター(小項目)のなかでも、とくに「勤務時間や場所の自由度が高い」は1.9ポイント上昇。すべてのインディケーターのなかで最大の上昇幅だったとのこと。
雇用者の1週間あたりの労働時間は前年に比べ0.2時間減少。仕事時間の中身をみると、本来業務は4.7ポイント増加しているが、周辺業務の割合は3.2ポイント減少、手待ち時間の割合は1.5ポイント減少した。
IV 学習・訓練は、前年から0.5ポイント低下し31.3点。OJT(現任訓練)は、若年層および1000人以上の大企業に勤める人で、減少が顕著だったという。企業が労働時間を減らすとともに、OJTにかける時間も削減していると推察されるとのこと。リクルートワークス研究所は、就業者が自ら学ぶような環境を整備していくことが求められるとしている。