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GeForce GTX 1060搭載、Z370チップセット採用で第8世代Core搭載可能

ツクモの超小型PCはしっかりゲームできて排熱も拡張性もグッド!

2018年03月30日 17時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

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さらに熱の問題を掘り下げる
高負荷時でも問題ないものの風通しのいい場所に置くのがベター

 FF15ベンチ中のCPUやGPUの温度をチェックする前に、気になった原因となる本体の温度を見てみよう。温度を調べるのに使ったのは「FLIR ONE」という赤外線サーモグラフィーで、温度分布がわかる写真を撮影できるカメラ。温度が高いところほど明るく、低いところほど暗く表示される。最も明るい部分、つまりCPUのすぐ横にある排気口の温度を見てみると、なんと、56.0度にまで上昇してしまっていた。手で触れると熱くてびっくりしたというのも納得できる温度だ。

スマートフォンに取り付けて使えるサーモグラフィー「FLIR ONE」。iOS用途なるLightningコネクターと、Android用となるmicroUSBコネクターの製品がある

FF15ベンチ終了直後に撮影してみた。最も温度の高いところで56度、フロントのUSB端子近くは54.5度となっていた

 これだけ小さいケースに高速なCore i5-8400、GeForce GTX 1060を搭載し、かなりの負荷で動作させるのだから温度が高くなって当然だ。とはいえ、ケース温度で56度まで上昇するということは、CPUやGPUは一体何度まで上がっているのだろうか。少々心配になってくる。

 そこで、FF15ベンチ中に温度がどのように変化しているのかを、HWiNFOでログを取って調べてみた。その結果が次の通りだ。また、本体を横置きにした場合だけでなく、縦置きにした場合も含め2パターンで測ってみた。なお、HWiNFOでは負荷が高いときにログの取りこぼしがあるため終了が一致していないが、傾向を見るには十分なのでこのまま比較している。

温度は最高でも70度を少し超える程度。思っていたほど高くはなっていなかったが、横置きと縦置きに差があるのに驚いた

 CPUの最大温度はCINEBENCH R15の時ほど高くはなっていないが、それでも71度まで上昇していた。ただしこれは横置きの場合で、縦置きの場合はピークでも69度。グラフをみてもらえればわかる通り、全体的に数度低くなっているというのが興味深い。

 続いてGPUの温度も見ていこう。

GPUは横置きの場合でも80度まで行かない結果に。縦置きの方が温度が低いのはCPUと同じで、温度差も似たようなものだ

 CPUよりも温度が安定し、キレイな曲線になっているのが面白い。最大温度は横置きで79度、縦置きで77度だが、上昇中の温度は差4~5度、安定した後も1~3度ほど縦置きの方が温度が低くなっていた。温度差はあるといっても上昇傾向はまったく同じで、温度差によるスコアへの影響も誤差以上のものはみられなかった。縦置きでも横置きでも、どちらも性能に変化はないといえる。

 なぜ温度差があるのかを考えてみると、横置きにした場合は天面吸気の側面排気になるが、縦置きにすると側面吸気の天面排気になるのが影響していそうだ。熱は上へと逃げる性質があるだけに、縦置きの方が冷却効率が高くなりやすいのだろう。

 もうひとつの原因として考えられるのが、横置きにすると吸気口のひとつが底面になってしまうため、吸気が弱くなっていたというのが考えられる。とはいえ、温度差があるといってもほんの数度程度で性能への影響がないだけに、それほど神経質になる必要はない。

 なお、CPUとGPUの温度があまり上がらないのは十分な冷却性能があるからであって、発熱が小さいからではない。熱を逃がしにくい場所、例えば本棚やキャビネット内など周囲が囲まれているところは避けた方が賢明だ。小型だけにちょっとした隙間に設置したくなるが、熱を考えるなら風通しのいい広い場所、机の上などに置くのがベターだ。

 FF15ベンチ中は騒音が大きくなり、無視できないくらいの音はするものの、一般的なタワー型のゲーミングマシンと比べてうるさいと感じるほどではなく、むしろやや静かなくらいだ。小型パソコンだと騒音面でマイナスになる場合が多いが、G-GEAR alpha GS5J-B180/ZTは思っていた以上に静か。もちろん低負荷時はさらに騒音は小さくなり、よほど静かな部屋でなければ、ファンの音は気にならないレベルとなっていた。

小さなパソコンで3Dゲームを遊びたい人はもちろん
パワフルなメインマシンがほしい人にも

 最後にインターフェースをみてみよう。背面にはUSB 3.0端子×4、有線LAN端子、HDMI端子、DisplayPort、Mini DisplayPortを搭載。また、前面にUSB 3.0端子×2(うち1つはType-C)を備え、側面にもUSB 2.0端子×2がある。USB 2.0はUSB 3.0と比べると速度は遅くなるものの、ゲームコントローラーなど一時的に接続する入力機器には十分なため、かなり使い勝手がいい。

 また、スマホの充電などにUSB 3.0は使いたくないといったときにも活躍してくれるだろう。背面まで手を伸ばすのは使いにくくなるだけに、ちょっとした機器が接続できるUSBポートが多数あるのは大歓迎だ。

背面にはUSB3.0端子×4、有線LAN端子、HDMI端子、DisplayPort、Mini DisplayPortを装備。ちなみに電源はACアダプターとなる

前面はUSB 3.0端子×2(うち1つはType-C)、音声入出力端子。ゲームでよく使うヘッドセットも簡単に着脱できる

さらに、縦置きにした場合に左側面となる位置にUSB 2.0端子×2を装備。ゲームコントローラーなどの接続に便利だ

 G-GEAR alpha GS5J-B180/ZTは、コンパクトな筐体にも関わらず、高性能なCPU・GPU、内蔵可能なストレージ数、そしてUSBの数まで、貪欲なほど詰め込んだ1台。場所を取らないゲーミングパソコンとしてはもちろん、小さくてもパワフルなメインマシンがほしいと考えている人にもオススメできる製品だ。

試用機の主なスペック
機種名 G-GEAR alpha GS5J-B180/ZT
CPU Core i5-8400(2.8GHz)
グラフィックス GeForce GTX 1060(6GB GDDR5)
メモリー 8GB
ストレージ 250GB SSD
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)
インターフェース USB 2.0端子×2、USB 3.0端子×5、USB 3.0(Type-C)端子、HDMI端子、DisplayPort、Mini DisplayPort、有線LAN端子、音声入出力端子など
サイズ/重量 およそ幅82×奥行155×高さ213mm/約2.1kg
OS Windows 10 Home(64bit)

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