4コア→6コア進化でCPU性能は前世代と別次元に
スペックの話を始めるにあたり、まずはあらためてPCの構成を確認しておく。
「G-GEAR GA7J-J92/ZT」の主なスペック | |
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CPU | Core i7-8700K(6コア/12スレッド、3.7~4.7GHz) |
マザーボード | TUF Z370-PLUS GAMING(Intel Z370) |
OS | Windows 10 Home |
メモリー | 16GB(8GB×2、DDR4-2400) |
グラフィックス | GeForce GTX 1080(8GB) |
ストレージ | 500GB SSD(SATA)+2TB HDD(SATA) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
電源 | 650W(最大700W、定格650W、80PLUS BRONZE認証) |
本体寸法 | およそ幅190×奥行き475×高さ435mm |
重量 | およそ12kg |
販売価格 | 22万6584円(税込) |
本製品でもっとも注目すべきは、やはりCPU性能だろう。前述の通り、Coffee Lake世代のCPUはi3、i5、i7いずれも前世代から物理コアが2つ増加しているのが最大の特徴だ。i3シリーズは2コア / 4スレッドから4コア / 4スレッドに(コア数増に伴い、ハイパースレッディングには非対応となった)、i5シリーズは4コア / 4スレッドから6コア / 6スレッドに、i7シリーズは4コア/ 8スレッドから6コア / 12スレッドになったわけだ。特にi7シリーズは4スレッドもの論理プロセッサー増を果たし、マルチスレッド性能は前世代と比較にならないほど向上している。
「G-GEAR GA7J-J92/ZT」は、Coffee Lake世代最上位の「Core i7-8700K」を搭載。動作クロックは3.7GHzで、ターボブースト2.0時には最大4.7GHzとなる。コア数が増えたぶんベースクロックは前世代よりも低くなったが、そのぶんターボブースト時のクロックが高いため、発熱や電力に余裕がある場合は従来を超えるクロックでの動作も可能なわけだ。
では、実際にCPUのベンチマーク結果を見てみよう。CPU性能を計測するベンチマークソフト「CINEBENCH R15」で、本製品に搭載された「Core i7-8700K」と前世代の最上位「Core i7-7700K」のスコアーを比較したのが以下のグラフだ。
結果は「Core i7-8700K」のCPUマルチスレッドテストのスコアーが1444cb、シングルスレッドテストのスコアーが206cbと、いずれも「Core i7-7700K」を上回る結果となった。マルチスレッドテストでは両者のスコアーに500cb近い差が生まれており、物理コア増の恩恵がいかに大きいかが分かる。動画エンコードや配信といったクリエイティブ用途で使う場合、マルチスレッド性能を100%活かせるため、エンコード時間の短縮やより高画質での配信を実現できるだろう。
また、「Core i7-8700K」がシングルスレッドテストでも前世代CPUを上回ったのは、前述したターボブースト2.0時の動作クロックの高さが影響したものと思われる。従来の物理4コアを超えるCPUは、「コア数が多いぶんシングルスレッドの動作クロックが低い」というのが常で、シングルスレッド性能が快適さに結びつきやすいDirectX 11以前のゲームタイトルでは、4コア / 8スレッドCPUよりもゲーム内フレームレートが伸びないといった場合が多かった。「PCゲーム用途ならCore i7-7700Kが鉄板」という評価が定着していたのはそのためだが、「Core i7-8700K」はそうした欠点を克服しており、どのような用途でも活躍できると言っていい。