長年愛用のワイヤードヘッドフォン
iPhoneで使うにはBluetoothレシーバーがおススメ
11月3日から発売される「iPhone X」は、既存のiPhoneユーザーも乗り換える人が多そうな注目機種だ。ただ、iPhone 6以前のユーザーが乗り換える場合、基本的に従来のワイヤード(有線)ヘッドフォンが使えなくなる。
ご存知かとは思うが、約1年前に発表された「iPhone 7/7 Plus」でヘッドフォン端子が省略された。これにより、ワイヤードヘッドフォンを捨て、Bluetoothヘッドフォンに乗り換える人も多い。これはもちろんiPhone 8/8 Plus」でも同じだ。
実際、Bluetoothヘッドフォンの売り上げは伸びている。最近は「AirPods」に代表される完全ワイヤレスと呼ばれる製品も続々登場。左右のイヤホンが完全に独立しているタイプで、その使い勝手の良さから注目を集めている。
しかし、長年ワイヤードタイプのヘッドフォンを使っているユーザー、特に音質にこだわりを持って使っていたユーザーは、Bluetoothヘッドフォンへの買い替えを躊躇する気持ちも起こるだろう。
もちろん、従来のワイヤードヘッドフォンを利用する方法もある。1番単純なのはiPhoneに付属している、Lighitning端子と3.5mmヘッドフォン端子を変換するアダプターを用いる方法。しかし、ヘッドフォン使用中はLightning端子が使えなくなるというデメリットがある。
そこで今回紹介するのは、Bluetoothレシーバー(受信機)を使用する方法だ。
iPhoneとレシーバーはBluetoothで接続され、レシーバーとヘッドホンは有線でつなぐ方式。レシーバーには3.5mmジャックがあり、好きなワイヤードヘッドフォンをつなぐことができる。
レシーバーは胸ポケットなどに入れておけば、iPhoneはカバンのポケットでも、ズボンのポケットでも、身近なところであれば好きな場所に入れておける。
いろいろなスタイルの製品が存在するが……AAC対応が少ない
上記のように、Bluetoothレシーバー、もしくは送受信が可能なアダプターは結構ある。デザインが違えば使い勝手も異なるので、使いやすいものを選ぶといいだろう。
ただし、注意が必要なのはコーデック。Bluetoothでのオーディオの送受信は圧縮方式がいろいろあり、送信機、受信機側で対応していなければならない。マストとなっているのは最もベーシックなSBC(SubBand Codec)と呼ばれる方式だが、音質があまりよくない。
このほかにAACやaptX、LDACといったコーデックがあり、これらは音質がいいといわれている。また、低遅延のaptX LLといったコーデックもあるが、iPhoneで使えるのはAACとなる。BluetoothレシーバーでAACに対応している製品が少なく、上記の製品ではSBCでの再生となる。
SBCでもiPhoneで再生すること自体に問題があるわけではないが、音にこだわるならばAAC対応製品を選びたいところ。
さて、実はこの秋に登場した2つの新製品はAACに対応するうえ、かなり特徴的な機能を持つ。そこで、その2製品――ソニー「SBH56」とオーディオテクニカ「AT-PHA55BT」を紹介したい。