
富士通の「ESPRIMO WF2/B2」
単体でも使用できる27型ディスプレーとハイレゾ対応スピーカーを搭載し、CTOでテレビ視聴機能も内蔵できる富士通の全部入りデスクトップ「ESPRIMO WF2/B2」。パソコンとしての基本性能も高く、CPUにはインテルのクアッドコアプロセッサー、Core i7-7700HQを採用している。前回は同製品の外観や装備、使い勝手などを中心に紹介したが、今回はESPRIMO WF2/B2の気になるパフォーマンスをチェックしていこう。
第7世代Core i7プロセッサーを搭載
ESPRIMO WF2/B2は、富士通の直販サイト「富士通 WEB MART」の専売モデルで、購入時にメモリー容量やストレージなどの構成をカスタマイズできる。もっともベーシックな構成の場合、CPUはインテルCore i7-7700HQ(4コア/8スレッド/2.80~3.80GHz)、グラフィックスはCPU内蔵のインテル HD グラフィックス 630、メモリーは4GB、ストレージは1TB HDDとなっている。このうち、メモリーは最大32GBまで搭載でき、ストレージは3TB HDD/256GB SSD+1TB HDD/256GB SSD+3TB HDDの選択肢も用意されている。
今回試したマシンは、メモリーが8GB(DDR4 SDRAM PC4-19200)、ストレージが3TB HDD(Serial ATA、5,400回転/分)という構成になっていた。ちなみに、メモリースロットはパソコン部のカバーを開けると比較的容易にアクセスできるので、後から自分で増設も可能だ(メモリースロットは2基あり、標準構成の4GBの場合は空きが1基、それ以外は空きなしとなっている)。
スペック表を見る限り、一体型パソコンとしては不満のない性能だが、実際のところはどうなのだろうか? そこで、ベンチマークソフトで性能をチェックしてみることにした。まず、Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、次のような結果になった。
WinSAT.exeの結果 | |
---|---|
プロセッサ | 8.4 |
メモリ | 8.4 |
グラフィックス | 6.3 |
ディスク | 5.9 |
Core i7-7700HQは、ゲーミングノートへの採用が多い高性能なCPUなので、「プロセッサ」のスコアも8.4と高めの結果になっている。テレビ視聴やW録画、写真現像、映像編集など、ある程度負荷の高い処理も余裕を持ってできると思われる。「ディスク」のスコアはHDDを搭載したパソコンとしてはほぼ最大値の5.9となったが、CrystalDiskMarkで確認したところシーケンシャルリードが120~130MB/s程度だった。際立って高速というわけではないが、特別遅いわけでもなく、普段使いには十分な性能だとはいえそうだ。
続いてパソコンの総合的なパフォーマンスを計測するPCMarkを試してみたところ、図のようにPCMark 8 Home Acceleratedが3817、PCMark 10が3326という結果になった。なおPCMark 10のスコアの詳細を見ると、PCの基本性能を示す「Essensials」が6009、ビジネスアプリでの性能を示す「Productivity」が5603と高い数値になっているので、日常的な作業でストレスを感じることは少ないはず。
クリエイティブ系の性能を示す「Digital Content Creation」は2967と、前2項目よりも低めのスコアだが、PCMark 8の結果と合わせて考えると写真編集やちょっとした映像編集程度なら十分快適にできそうだ。
次に「CINEBENCH R15」を試したところ、CPUのマルチスレッドが733cbとなった。ノートや一体型パソコンなどに採用されるCPUとしてはかなり高いスコアで、これを見てもCPU性能の高さがわかる。
なお初めにも書いたが、ESPRIMO WF2/B2は単体グラフィックスを搭載しておらず、CPU内蔵グラフィックスのみとなっている。そのためゲーミングパソコンほどのグラフィックス性能は期待できないが、どれくらいのパフォーマンスがあるのかは気になるところ。そこで3DMarkを試してみたところ、次の結果になった。
3DMarkスコア | |
---|---|
Time Spy | 399 |
Fire Strike | 964 |
Sky Diver | 4454 |
Cloud Gate | 8502 |
Ice Storm Extreme | 49647 |
Ice Storm | 71472 |
ゲーミングパソコン向けの「Fire Strike」が964、ミドルレンジ向けの「Sky Diver」で4454、「Cloud Gate」で8502となった。ゲームを快適に楽しむのは厳しいが、メインストリームのパソコンとしては十分な性能を持っているのがわかる。
試しにゲーム系のベンチマークもいくつか実行してみた。まず、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver1.4k」は次のようになった。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver1.4k スコア | |||
---|---|---|---|
グラフィック設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
低品質 | 1280×720ドット | 10388 | すごく快適 |
標準品質 | 1280×720ドット | 9092 | とても快適 |
最高品質 | 1280×720ドット | 7694 | とても快適 |
低品質 | 1920×1080ドット | 5908 | 快適 |
標準品質 | 1920×1080ドット | 5004 | 快適 |
最高品質 | 1920×1080ドット | 3718 | 普通 |
同様に「FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編」も試してみた。
FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編 | |||
---|---|---|---|
1280×720ドット | 標準品質(デスクトップPC) | 5845 | とても快適 |
1280×720ドット | 高品質(デスクトップPC) | 2614 | やや快適 |
1280×720ドット | 最高品質 | 2608 | やや快適 |
1920×1080ドット | 標準品質(デスクトップPC) | 3022 | やや快適 |
1920×1080ドット | 高品質(デスクトップPC) | 1381 | 設定変更が必要 |
1920×1080ドット | 最高品質 | 1381 | 設定変更が必要 |
スコアを見てわかるように、解像度や品質をおさえればそこそこ快適に遊べるくらいの性能は持っている。気晴らしにちょっとゲームをしてみようかという程度なら、ESPRIMO WF2/B2のグラフィックスパフォーマンスでも十分だといえそうだ。
これ1台で必要なものがすべて揃う
単体でも使える高品質大画面ディスプレーとハイレゾ対応スピーカーを搭載し、パソコンとしての基本性能も高いESPRIMO WF2/B2。これだけの機能を持ちながら、富士通 WEB MARTでは最小構成時だと19万104円(15%OFFクーポン適用で16万4138円、9月11日時点)という20万を切る価格で購可能だ。
ちなみに、富士通 WEB MARTではCTOで地上・BS・110度CSデジタルチューナー2基の内蔵や、光学ドライブをBDXL対応 Blu-ray Discドライブにカスタマイズできる。これらを選択して搭載すれば、パソコン、テレビ、レコーダー、スピーカー、単体ディスプレーなど、エンタメを楽しむのに必要なものが1台ですべて揃う。
テレビ機能は事前設定すればスマートフォンやタブレットで出先からライブ視聴や録画番組の視聴が可能。また、SeeQVault対応のmicroSDカードに録画番組を書き出して、出先での閲覧も可能。1台であれもこれもしたいという、欲張りな人にはぴったりの製品だ。
試用機の主なスペック | |
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製品名 | ESPRIMO WF2/B2 |
CPU | Core i7-7700HQ(2.8GHz) |
グラフィックス | インテル HD グラフィックス 630 |
メモリー | 4GB(標準)/8GB/16GB/32GB |
ストレージ | 約1TB HDD(標準)/約3TB HDD/約256GB SSD+1TB HDD/約256GB SSD+3TB HDD |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ(標準)/Blu-ray Discドライブ |
ディスプレー | 27型(1920×1080ドット)、スーパーファインVX液晶 |
テレビ | なし(標準)/地上・BS・CSデジタルチューナー(ダブル録画対応) |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.1 |
インターフェース | USB 3.1端子×2、USB 3.0端子×2、HDMI出力端子、HDMI入力端子、マイク・ラインイン兼用端子、ヘッドフォン・ラインアウト兼用端子、有線LAN端子、SDカードスロット、アンテナ入力端子、miniB-CASカードスロット |
内蔵カメラ | 約92万画素ウェブカメラ |
サイズ/重量 | およそ幅616×奥行227×高さ480mm/約12.5kg |
OS | Windows 10 Home(64bit) |


