富士通の直販サイト「富士通 WEB MART」で、一体型デスクトップパソコンの新製品「ESPRIMO WF2/B2」の販売が開始されている。単体でも使える27型大画面ディスプレーと、ハイレゾ対応の2.1chスピーカーを搭載。加えて、CTOで3波テレビチューナーを内蔵できるなど、エンターテインメント機能が充実しているのが特徴だ。今回、ESPRIMO WF2/B2の実機を試せたので、使い勝手やパフォーマンスなどを2回にわたって紹介していこう。
狭額縁ディスプレーと大型スピーカーを搭載
ESPRIMO WF2/B2は、ディスプレーとパソコン機能が一体になったオールインワンタイプのデスクトップパソコンだ。家電量販店などで販売されている「ESPRIMO FH90/B2」のカスタムメイドモデルにあたり、富士通 WEB MARTで購入できる。購入時は用途や目的に合わせてメモリーの搭載量やストレージの種類・容量、光学ドライブの種類、テレビ機能の有無などを自分好みに変更可能で、最小構成時の価格は税込19万3104円(クーポン適用で16万9931円、9月5日時点)となっている。
一口に一体型パソコンといっても、エントリー向けに機能を絞ったシンプルなモデルや、省スペース性を重視したもの、高性能を追求したものなど、その種類はさまざま。ESPRIMO WF2/B2はエンターテインメント性を追求した「プレミアムパソコン」という位置付けになっており、基本性能の高さはもちろん、映像や音の質にも徹底的にこだわっているのが大きな特徴だ。
本体を見てまず印象に残るのが、ディスプレーの大きさと、その下に内蔵されているスピーカーの存在感だろう。ディスプレーのサイズは27型で、一体型パソコンとしては最大クラス。しかもベゼルが約7mmと細いため、動画などをフルスクリーンで再生すると視野を覆い尽くすように映像が広がり、非常に高い没入感が得られる。
ESPRIMO WF2/B2のディスプレーは視野角の広いIPSパネルを採用しており、本体のチルト機構を利用して画面の角度を変えたり、真横や上から覗き込むように観たりしても、画面の色味や明るさの変化はほとんど感じない。発色もよく、あざやかな色もくすんだりせずに美しく再現される。光沢パネルのため設置場所によっては映り込みが気になるときもあるが、暗部の階調がきれいで、黒が締まって見えるのは好印象だ。
素のままでも画質は悪くないが、プリインストールされている「ステータスパネルスイッチ」というユーティリティーの「画質調整」機能を使えば、シーンに応じて画質を最適化可能だ。たとえば、画質を「シネマ」に設定してDVDなどを見ると、色のあざやかさが高まってメリハリのある表示になると同時に、暗部のディテールも見やすくなった。もちろん画質調整の必要がない場合は、機能を「オフ」にできる。
ディスプレー下のメッシュカバー部分には、2.1chスピーカー(4W+4Wスピーカーと10Wサブウーファー)が内蔵されている。このスピーカーは富士通がパイオニアと共同開発したもので、ハイレゾ音源の再生にも対応している。また、ハイレゾ対応の音楽再生アプリ「Curio Sound for FUJITSU」もプリインストールされており、別途ソフトを用意しなくても、購入してすぐ高音質を楽しめる環境が整う。
実際にハイレゾ音源を再生してみたところ、中音域の豊かさに加え、高域や低域の表現力が高いのも印象的だった。バイオリンの伸びやかな高音やチェロの迫力ある低音も臨場感たっぷり。左右のスピーカーユニットはせいぜい30cmほどしか離れていないのだが、パソコン内蔵のスピーカーとは思えないほど立体的で奥行きのある音が聞こえるのに好感を持った。
なお試用機は、地デジ、BS・110度CSデジタルの3波に対応したテレビチューナーを内蔵しており、テレビ視聴や録画が可能だった。ダブル録画にも対応しているので、見たい番組が重なったときも片方を見逃さずにすむのはありがたい。テレビチューナーはCTOで1万800円(9月5日時点では期間限定割引が適用され8800円)と比較的リーズナブルなので、予算や必要に応じて検討してみてはいかがだろうか。