みなさん、おはようございます。ASCII(週刊アスキー+ASCII.jp)編集部の吉田ヒロでございます。さて今年も4月22日のアースディに向けて、アップルの直営店のリンゴマークのデザインが変わりました。リンゴの葉っぱの部分が、環境保護やエコを連想させる緑色に変わっています。この施策は全国各地にある直営店で実施されていますが、東京・渋谷と宮城・仙台一番町については、マークの変更はなくステッカーでの対応になるようです。
で、アップルが何をやっているかといいますと、自社のプロダクトに再生可能な素材を利用した部品を利用、使われなくなった電子機器を自社で分解→素材化、自社の活動に水力や風力などの再生可能なエネルギーを積極的に使う——といった取り組みを進めています。具体的に1つ1つ見ていきましょう。
アップルでは、自社の製品の製造や輸送、リサイクルなど一連の企業活動によって排出される温室効果ガスの量をCO2で換算する、いわゆる「カーボンフットプリント」の数値が年々下がっていることをウェブサイトで公表しています。二酸化炭素の排出量の増加が地球温暖化に影響を及ぼしているという現状を踏まえた取り組みです。
そして、以前のアップルの発表会で紹介された高性能な電子機器分解マシーンである「Liam」を使った資源再生については、iPhone 6を10万台分解した場合に金や銀、そしてコバルト、タンタル、タングステンなどのレアアースが回収できるそうです。
MacBookなどのボディー素材にアルミニウムを使うのも環境保護の一環です。アルミニウムは加工や再生がしやすい金属で、これを積極的に使うことで資源をムダをなくすことに貢献しています。一部で批判されていたアルミニウムの精錬過程における温室効果ガスの排出についても、化石燃料よりも水力発電などのクリーンエネルギーを使って精錬されたアルミニウムを優先的に使うなどして、最新の13型MacBook Proでは1世代前のモデルに比べて、温室効果ガスの排出量は48%減少したそうです。
こういった取り組みは、業績のいい企業の独りよがりになることもありますが、アップルでは取引のある企業とも協力しており、2018年までにアップル製品に使う部品の製造に100%再生可能エネルギーを使うと宣言した企業が7社もあります。Catcher Technologyというのは、台湾でiPhoneのボディーを製造している会社ですね。Compal ElectronicsはiPhoneの製造を請け負っている会社です。そしてイヒデンは日本の企業で、半導体パッケージなどをアップルに供給しています。イヒデンについては、以前ワタクシが「イビデンがアップル向け全部品を再生可能エネルギーで製造」という記事にしましたのでご覧ください。
アップルはウェブサイトで、iMessageやFaceTime、Siriについても再生可能エネルギーで動いているというメッセージを出してます。これは、各サービスを運用するためアップルのデータセンターにあるサーバーが、再生可能エネルギーで動いているという意味です。
自社が販売する製品の消費電力の低減についても公開されています。省電力化は環境保護というよりは、ユーザーの利便性向上が第1の目的かと思いますが、結果的に電力消費量が低減されたことで、カーボンフットプリントを減らすことに寄与しているわけです。アップルは、Apple Aチップだけでなく、モバイル向けのGPUについても自社開発するのでは?、MacがApple Aシリーズを搭載するのでは?などのウワサが絶えませんが、消費電力量の低減という観点からみるとウワサもあながち間違っていないのかも。
アップルに限ったことではないですが、人体に有害と認定されている素材については、徐々に使用を減らす企業が増えています。アップルでは、ベリリウム、水銀、鉛、ヒ素、PVC、フタル酸エステル、臭素系難燃剤については製品からの完全排除に成功しています。
なお、iPhoneやMacBookなどの製品別に温室効果ガスの排出量や製品に使用されている材料などは配布されいるPDFに詳しく記載されています。
鳥取の中学生がアースディ期間にフィールドワーク
アップル直営店のリンゴマークの葉っぱが緑になった初日である4月20日、鳥取大学付属中学3年生の5名が、Apple表参道にてフィールドワークを体験しました。
内容としては、絶滅が危惧されている動物の絵を、iPad ProとApple Pencilなどを使って描くというもの。中学生たちは、ペンギンやユキヒョウの写真を参考にしたり、トレースしたりしながら一生懸命作業を進めていました。
引率の先生に話を聞いたところ、現在東京に修学旅行中で生徒たちはグループに分かれて、官庁や出版社、クレープ店、メーカーなどに社会科見学に行っているとのこと。Apple表参道に集まった5人もその一環だそうですが、なんと自分たちからアップルに依頼して今回のフィールドワークが実現したとのことでした。
フィールドワークの終了後には、おなじみの修了証とUSBメモリーになっているバンド、そして生徒たちが着用している黄色のTシャツがプレゼントされていました。
なおアップルでは、アースディに向けた日本向けの動画をYouTubeで4本公開しています。
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