ただ赤いだけでないアップルの真の狙い
これまでもiPodや各種アクセサリーなどで採用されてきた(PRODUCT)RED。意外にもiPhoneでは初めての色だ。ほかの本体色に比べて彩度が圧倒的に高く、明らかに一線を画する色みであることで話題になっているが、このモデルはただ「赤い」だけでない。(PRODUCT)RED製品はその売上の一部がグローバルファンドである「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」に寄附される仕組みだ。アップルはすでに累計約144億7000万円(1億3000万ドル)以上を寄附している。これらの寄附によって、全世界のエイズ患者の3分の2が暮らすサハラ砂漠以南でARV(抗レトロウィルス)療法への治療が進められている。
ユーザーにとっては、意識するしないに関係なく社会に貢献できるプログラムだが、特に日本でシェアが高いiPhoneに適用されることで、この取り組みへの認知度や病気に対する正しい知識が広がることが期待される。
従来はアップルのオンラインストアや直営店の専売だった(PRODUCT)REDが、各キャリアショップで取り扱われるようになるのも大きい変化。ショップに掲示されるポスターなどで、基金と病気のことを知る人が増えるのは間違いない。
日本では新生活準備の絶好のタイミング
日本では新モデルが発売される秋に次いで、新生活を迎える3~4月はiPhoneが売れる時期。(PRODUCT)REDは絶好のタイミングでの投入となった。iPhone 7を含む全iPhoneの販売台数は過去最高を記録しているので、さらに数字を延ばしそうだ。
順当に行けば2017年秋に登場する見込みの次期iPhoneシリーズでも(PRODUCT)REDが用意される可能性も出てきた。iPhoneでの取り組みが成功すれば、iPadやMacBookにも波及するかもしれない。こちらも期待して待ちたい。
発売から半年経過で機能やサービスが充実
iPhone 7で使える機能やサービスは、2015年秋に新モデルとして登場したころから大幅に充実している。昨秋時点では利用できなかった「被写界深度エフェクト」もベータ版ながらiPhone 7 Plusに標準搭載されており、簡単に背景をぼかして被写体を強調できる。
Apple Payについても、当初よりサービスが拡充した。まず、アメリカンエキスプレスのカードブランドが使えるようになったのが大きい。世界最大のカードブランドであるVISAは、iPhone7を使った決済には使えるが、アプリ内やオンラインショッピングサイトでは使えないという制限がある。 FeliCaタイプの電子マネーについては、従来どおりSuicaのみの対応。
感圧式ホームボタンやデュアルカメラ、耐水防塵性能なども見逃せない特徴だ。