アップルは3月8日、サプライヤークリーンエネルギープログラムを日本で導入すること発表した。第1号となるのは部品メーカーのイビデンで、アップル向けの生産を再生可能エネルギーで100%まかなうとのこと。イビデンの部品は、アップル製品の半導体パッケージに使われている。
イビデンはこのプログラムに参加するため、20カ所以上の再生可能エネルギー施設への投資を実施する。この中には、国内最大級の水上太陽光発電システムも含まれているそうだ。
アップルの環境・政策および社会的イニシアティブ担当バイスプレジデントであるリサ・ジャクソン氏は、「再生可能エネルギーへの投資が環境とビジネスの双方に良いことを認識しておられるイビデンのようなサプライヤーとパートナーシップを組むことを誇りに思っています。当社はグローバル事業を100%再生可能エネルギーで行うべく日々努力していますが、その中で、製造パートナーも同じように、よりクリーンなエネルギー源にシフトするようお手伝いをし、他社が後に続くように手本を示すことはこれまで以上に重要になってきています」とコメント。
さらにイビデンは、同社がアップル向けに生産する部品に必要なエネルギーよりも大きい12MWを超える太陽エネルギーを発電し、日本の国を上げてのCO2排出削減に向けた取り組みをサポートするとのこと。
イビデンの社長兼CEOを務める竹中裕紀氏は、「これらの革新的なクリーンエネルギー投資は、社会的に責任ある経営を経済的に行うことへの当社のコミットメントを示すものです。当社の製品はAppleのデバイスがよりスマートに動作するのに役立っていますが、これからは当社の操業自体もよりスマートなエネルギーで行うことになります。Appleとパートナーシップを組み、日本のクリーンエネルギー目標の達成に向けて先頭に立って協力をすることは私たちの喜びです」とコメント。
アップルによると、同社とその製造パートナー各社を合わせると、2018年末までに年間25億キロワット時以上のクリーンエネルギーがアップル製品の製造のために発電されるとのこと。これは年間で40万台以上の自動車を道路上から削減するのと同様の効果があるそうだ。
アップルだけで見ると、同社は23カ国での操業を再生可能エネルギーで100%まかなっているほか、それ以外を合わせても93%の再生可能エネルギーを利用していることを公表している。
資金が潤沢にある世界的企業でないとなかなか達成できないことだが、こういった取り組みに賛同する企業が増えることで再生可能エネルギーの利用が促進されることを期待したい。