関西電力・中部電力「ポイントプラン」「おとくプラン」「とくとくプラン」「スマートライフプラン」
大手電力会社の電力自由化 関西電力と中部電力の新料金プラン
2016年09月08日 09時00分更新
電力小売り自由化が開始されて以降、大手電力会社もそれに合わせた新料金・新サービスを開始している。前回は最大手となる東京電力を紹介したが、今回はやはり居住者の多い関西地方と中部地方を管轄する関西電力と中部電力について紹介しよう。
電力小売り自由化以降も新しいプランを始めていない関西電力
以前新規参入企業紹介の1つとして関西電力の首都圏への電力供給開始について紹介した。電力自由化に伴って、地域を越えて電気を供給できるようになり、これまでの管轄地域以外に電気を販売できるようになったためだ。
そして、当然のように電力自由化のタイミングに合わせて新料金や新サービスの提供を開始しているかと思いきや、実は関西電力は現在のところ新料金などを開始していない。昨年10月のリリースによると、新しい電気料金メニューの検討を進めているということになっているが、その後、新しい情報は2016年8月末現在、発信されていない。
関西電力の新しい動きと言えば、電力自由化に続き、2017年4月に開始されるガス小売り全面自由化への参入だ。これは電力自由化と同様、ライフラインの1つであるガスの販売について、これまでのガス会社以外が参入できる仕組み。ガス会社が電気を一緒に販売し、そして今度は電力会社がガスを一緒に販売する。来年以降、ライフラインをめぐる顧客獲得はさらに複雑さを増すことだろう。
中部電力の新料金は提携会社でのポイント利用も
中部電力では、電力自由化に伴い、新たな料金プランが開始されている。電気使用量に合わせて「ポイントプラン」、「おとくプラン」、「とくとくプラン」の3つのプランが用意されているほか、電気を使う時間帯に合わせた「スマートライフプラン」がある。
「ポイントプラン」は比較的電気を使わない家庭向け。同社の電気の見える化サイト「カテエネ」に登録すると「カテエネポイント」がたまり、1ポイントを1円として電気料金の支払いに使用することができる。
「おとくプラン」は「ポイントプラン」同様のポイントに加え、毎月100円割引、カテエネ会員は50円プラスの150円割引となる。「とくとくプラン」はさらに、120kWhまでの単価が0.5円/kWh増える代わりに、300kWhを超えた場合の単価が1.4円/kWh安くなる、電気を多く使うほど得になるプランだ。
どのプランにも共通しているポイントについては、電気料金の支払いに使ったり、提携先のポイントと交換することができる。また、T-POINTやJALのマイレージなど、他社で貯めたポイントを電気料金に使うことができるのも特徴だ。
また、中部電力でも関西電力同様、首都圏向けに電力供給を開始している。首都圏向けの電力プランでは、東京電力の料金と比べ、基本料金で50円~100円安く、従量料金も120kWhまでが19.42円、120~300kWhが25円、300kWh以上が26円という単価設定となっており、300kWh以上では4円以上安いことになる。
首都圏向けプランについてカテエネポイントは中部電力管轄地域と変わらず付与されるので、そのサービスなども含め、新規参入企業のプランと比べて遜色ない電気プランになっていると言えるだろう。
大手電力会社はこのほか、北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力があるが、それぞれに新しいプランや、他地域へのサービスを開始しており、これまで電気を供給してきた安心感とともに、契約先切り替えの際にはぜひ検討すべき対象だと考える。
秋以降新規参入する企業もあり、まだまだ新サービスや新プランも登場すると思われる電力小売り自由化。来年のガス小売り自由化も含め、どの企業と契約するのが自分のライフプランに合致するか、いろいろと検討してみてほしい。