Core i3-1115G4、8GBメモリー、128GB SSDを搭載

富士通が手がける国内メーカー初の純個人向け「FMV Chromebook 14F」はサブマシンなどに最適！

2021年12月15日 20時30分更新

文● 貝塚／ASCII

国産メーカーとしては初の個人向けChromebook

　「FMV Chromebook 14F」は、富士通クライアントコンピューティングの14型Chromebookだ。

　近頃、名前を聞く機会が増えてきたChromebook。その定義は単にChrome OSを採用したパソコンだが、2万円台や3万円台という価格でも手に入るため、GIGAスクール構想における一括導入などに向いているのも注目を集める理由のひとつだ。

FMV Chromebook 14Fは一見すると、同社のほかのノートPCにも似ている

　どちらかというと、海外メーカーが先行してたくさんのChromebookをラインアップしている。いくつかの国内メーカーも過去にChromebookはリリースしているが、それらは海外市場でのみ販売されていたり、教育機関や企業向けの一括導入を想定した販売方法がとられていたりと、入手方法は限定的だった。

　FMV Chromebook 14Fは、同社の直販サイト「富士通 WEB MART」で、ほかのWindowsマシンと同じ扱いで個人向けに販売されており、“いつでも誰でも買える国内メーカー製のChromebook”として、実は貴重な存在だ。

　同社は、個人向けに販売される国産Chromebookとしては、史上初めての製品だとうたっている。

トップカバー側から見ると、Chromeロゴでそれとわかる

　直販サイトでのラインアップはCore i3-1115G4、8GBメモリー、128GB SSD、14型（1920×1080ドット）ディスプレーを搭載するFMV Chromebook 14Fと、Core i3-1115G4、4GBメモリー、64GB eMMC、14型（1920×1080ドット）ディスプレーというスペックの「FMV Chromebook WM1/F3」という2種類。ディスプレーは、両モデルともタッチ操作に対応している。

　いずれも購入時のカスタマイズには対応せず、筐体デザインやボディーカラーも共通となる。それ以外に、プロセッサーにCeleron 6305を採用したAmazon.co.jp限定バージョンも用意されているが、こちらは富士通 WEB MARTでは購入できない。

充実のインターフェースと、安定感のあるキーボード

　外観は、Windowsのノートパソコン「FMV」や「LIFEBOOK」に通ずる部分があるが、トップカバーの左下に控えめに配したFMVロゴと、カラーでプリントされたChromeロゴは、全体的に加飾要素が少なく、シンプルにまとめたデザインなどから、Chromebookらしさも感じられる。

上下左右キーの周辺を拡張した、同社お馴染みのキーボード

　キーボードは78キーのJIS配列で、上下左右キーの周辺を斜めに拡張してスペースに余裕を持たせた、富士通クライアントコンピューティングおなじみのレイアウトだ。キーピッチはおよそ19mm、キーストロークはおよそ1.7mmと、同等サイズのWindowsノートパソコンと変わらない。実際に操作しても打鍵感はブレが少なく、操作性は優れていると感じた。

底面は無塗装のブラック一色で仕上げている

　インターフェースが充実している点もFMV Chromebook 14Fの特徴のひとつ。右側面にUSB 3.2（Gen2）Type-C端子、USB 3.2（Gen2）Type-A端子、3.5mmミニジャック、microSDカードスロットを、左側面にUSB 3.2（Gen2）Type-C端子、USB 3.2（Gen2）Type-A端子、HDMI出力端子を搭載しており、拡張性は高い。

　特に、左右ともにUSB 3.2（Gen2）Type-C端子とUSB 3.2（Gen2）Type-A端子を1系統ずつレイアウトしていることで、さまざまな周辺機器の形状や仕様、机上のスペースなどに対応できるのはうれしい。

右側面にUSB 3.2（Gen2）Type-C端子、USB 3.2（Gen2）Type-A端子、3.5mmミニジャック、microSDカードスロットを搭載

左側面にUSB 3.2（Gen2）Type-C端子、USB 3.2（Gen2）Type-A端子、HDMI出力端子を搭載

　直販価格は64GB eMMC、4GBメモリーのFMV Chromebook WM1/F3が7万9800円で、128GB SSD、8GBメモリーのFMV Chromebook 14Fが8万2280円。だが、FMV Chromebook WM1/F3は12月22日14時まで6万4800円で販売中だ（いずれも12月15日現在）。同等スペックのWindowsマシンに近い価格を実現しているが、FMV Chromebook WM1/F3はストレージのスペックを抑えることで、より手頃な価格を実現している。

　まとめれば、WindowsのFMVやLIFEBOOKに近い使用感、特にキーボードの打鍵感や、インターフェースの充実度を保ちつつ作ったChromebookと表現でき、同社のWindowsマシンのサブ機としての導入には抜群に向いている製品だ。また、業務内容によっては、置き換えも視野に入れた運用が可能だろう。

FMV Chromebook 14Fの主なスペック
CPU	Core i3-1115G4（2コア／4スレッド、最大4.1GHz）
グラフィックス	インテル UHD グラフィックス
メモリー	8GB
ストレージ	128GB SSD（PCIe）
ディスプレー	14型（1920×1080ドット）LEDバックライト付きタッチパネル式高輝度・広視野角、ノングレア
内蔵ドライブ	-
通信規格	無線LAN（IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax準拠、MU-MIMO対応）＋Bluetooth 5
インターフェース	USB 3.2 Type-C×2、USB 3.2 Type-A×2、3.5mmミニジャック、HDMI出力、microSDカードスロット
サイズ／重量	およそ幅323.8×奥行216×高さ19.9mm／約1.29kg
OS	Chrome OS