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池田信夫の「サイバーリバタリアン」 ― 第32回

国費投入の前に地デジの計画を凍結せよ

2008年09月02日 09時00分更新

文● 池田信夫/経済学者

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また出てきた国費投入2200億円


ワンセグ対応のF906i
ワンセグケータイを使っている人は多いだろうが、いつの間にか巨額の負担を強いられることをほとんどのユーザーは知らない。写真はワンセグ対応のF906i

 総務省は、来年度予算で地上デジタルへの移行計画に600億円を要求する概算要求を決めた。2014年度までに総額2200億円を要求するが、この財源のほとんどは携帯電話ユーザーの払う電波利用料を流用する。

 携帯業界は「去年から話はついている」というが、電波利用料の最終的な負担者はユーザーである。テレビ局のために使われる2000億円近い負担が携帯ユーザーに何のメリットがあるのか、総務省は説明する責任がある。

 2001年のアナアナ変換(アナログ局の周波数変換)のときは、710~770MHzを通信に渡すという携帯業界との裏取引で1800億円を流用したが、今度の国費投入の「見返り」は何なのか。

 イギリスの通信・放送を監督するOfcomは「デジタル化の配当」としてホワイトスペースを開放すべきだとの方針を打ち出した。総務省も、今回の2000億円の「配当」が何かを示すべきだ。



あと7%の世帯に9500局も中継局が必要か


 7月に行なった情報通信政策フォーラムのシンポジウムで、総務省の吉田博史・地上放送課長は「この3月末までに約2000局が開局し、全世帯の93%に地デジの放送が可能になった。残る7%を対象に約9500局を設置する」と述べて、会場を驚かせた。

 テレビの中継局は1本約1億円。小電力局はもう少し安いとしても、7%の世帯のために9000億円近い投資が必要なのだろうか。

 しかも、こうして約1万5000局を建てても、30万世帯以上が残るので、通信衛星(CS)でカバーするという。それなら最初から、7%をすべてCSでカバーすればいいではないか。今でも地上波局はCSに1チャンネルもっているので、それを使ってサイマル(同時)放送すればよいし、必要ならハイビジョン放送も可能だ。

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