テレビに未来はない
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長く安定した利益を誇っていたテレビ業界に、異変が起きている。
2008年3月期決算で、日本民間放送連盟に加盟する127社のうち、30社が赤字になり、ついにキー局(日本テレビ・テレビ東京)まで中間決算で赤字に転落した。他社も50%近い減益で、広告の激減が続いているので、今年3月期にはテレビ朝日も赤字転落は確実とみられている。黒字を出しているTBSも、不動産事業の営業利益が本業の5倍にのぼり、「テレビも作る不動産屋」と言われるありさまだ(2009年3月期上半期決算より)。
また、2011年の地上デジタル完全移行を控えており、これからデジタル設備投資の負担がさらに重くなる。地デジ対応受信機は、11月末で4369万台(デジタル放送推進協会調べ)と、全国に1億3000万台あると推定されるテレビの3分の1だ。2011年7月までに地デジ対応テレビが4000万台売れるとしても、4000万台以上残る。このテレビの大部分は捨てられ、テレビの台数(アナログ・デジタル計)の数は、2011年7月をピークにして減少に転じるだろう。
つまりテレビには、もう未来はないのだ。アナログテレビは高収益で安定していたが、デジタルテレビはインターネットや携帯電話と競合する。ウェブ広告の単価は、マスメディアの1割程度と言われる。今まで地上波テレビはブラウン管の独占によって高い広告単価を維持してきたが、この市場にも競争が始まったのだ。テレビが衛星やケーブルやウェブの登場によって多チャンネル化し、DVDレコーダーによってCMも飛ばされるようになると、アナログ時代の無料放送モデルは全面的に崩壊する。
こうした状況は、10年以上前から予想されていた。テレビの次のビジネスとして、いろいろな「マルチメディア」が実験されたが、すべて失敗に終わった。おかげでテレビ局もすっかり保守的になり、電波利権を守ることを最大の企業戦略とするようになった。それは、ある意味では現実的な戦略だった。電波の独占という明確な優位があるのは、地上波だけだったからだ。
しかし最近の状況は、この戦略の見直しを迫っている。今までのビジネスを守るだけでは、生き延びられないことは明白だからである。















