気づいたら「出版社スタイル」になっていた
―― チームブログは個人ブログに比べて運営スタイルを固める手間があると思います。誰かが指揮をとって、役割を決めているんですか?
ぜろんぱ リーダーはいないですね。特に明確な取り決めもしていないのですが、基本としては、らばがライターで僕が編集、こうしがシステム管理や広告などの対外業務をこなすという感じになっています。出版社の構成と似ているとよく言われますが、本当に偶然このスタイルになっていたんですね。
らば そういう意味では、本当にラッキーでした。ただ、全部が私の書いた記事というわけでなく、全体の6~7割程度だと思います。残り3割くらいがぜろんぱ、残りはこうしや記事投稿といった感じかな?
ぜろんぱ ガンダムのネタとか、そういう男目線の記事は彼女じゃちょっと無理じゃないですか。そういう系の記事を僕が書いて、男女の視点を混ぜるというメリットは感じていますね。ただ、バランスを細かく計算しているわけでなく、それぞれ出せるものは出していこうみたいなノリです。
こうし 僕はIT系が好きなんですけど、記事が堅すぎて、らばQに合わないんじゃないかといつも思っているんですよ。だから、広告記事以外は、ごくたまにしか書きませんね。記事は2人に任せて、僕はそれ以外のことをやるというのがメインです。
―― 運営上のルールみたいなものは特にないわけですか。
ぜろんぱ あるのは――1日4記事載せる。これだけですね。らばにいつも4記事書いてもらうというわけでなく、たとえば、らばが手のかかる記事を書いている場合は残りの3記事を僕が書くとか、スカイプで相談しながら柔軟に決めています。
らば 10分で書けるものから、1週間以上かかるものまでバラバラなんですよ。どの記事も単なる翻訳ではなく、色々な記事を調べてまとめたりするので、とにかく読む量が半端じゃないくらいになっていまして。ただ、それでもノッているときはサクサク書けるんです。そうじゃないときもやっぱりあって……。
そういうときに2人に助けてもらえるのが、チームでやっている長所ですかね。特にぜろんぱはモチベーション優先主義で、私が落ち込んでいるときはモチベーション上げ役に回ってくれるんです。
ぜろんぱ 基本、落ち込んだら褒めあってますね(笑)。やっぱり長く続けるためには、それぞれのモチベーションが上がらないと駄目ですし。
こうし その一方で、ケンカも相当してますけどね(笑)。溜めこむのは良くないので。
ぜろんぱ スカイプ会議の中で、遠慮のない言い合いはしょっちゅうしています。だけど、お互いに自分じゃ出来ないことをやってもらっているということがあるので、それを踏まえた上での言い合いにはなっていると思います。
―― ぜろんぱさんの編集が入ってから掲載されるわけですが、らばさんとしては不服に感じることはないですか? 「私の記事なんだからそのままのニュアンスで載せてくれ!」という。
らば 最初の頃はよくありました。自分の文章が変更されていると、ちょっと納得できなくて「それ、ヤダ」と文句も出るじゃないですか。だから、ぜろんぱが編集した記事を私に戻してもらって、また変更するとか。そういうことはよくやっていましたね。
でも、そういうケンカを続けていくうちに、最近は「ここは編集されるだろうな」という部分が分かってきて、「ここは変えておいて」という意味を込めて適当に書いたりして(笑)。やっぱり長くやっていると、ぜろんぱの編集傾向が把握できるから、ストレスは減っていきますね。
―― あと気になったのは、記事に署名がついていないことです。読者はどんな媒体であれ、書き手の人格を想定して記事を読むと思うのですが、らばQの記事には男性目線と女性目線の記事があります。そこで書き手の揺らぎみたいな問題は起きませんか?
ぜろんぱ (目線の分散に対して)そうなんですよね。だから、最初期は名前を分けていたんです。だけど、記事はらばの文章を僕が編集して載せたものが多くなってきたので、なんとなくつけなくなったという感じですね。
らば どうせコラボ記事なんだし、個人名を載せなくていいかなと。あと、ブログだと誰が書いても別に気にされないとか、そういう部分もあると思うんですよね。古田さんはライターだから気にされるというのはあると思いますけど。
こうし 現状では、読者からの反応で、書き手を意識するコメントは何もないんですよね。らばQとしても、書き手の考え方を盛り込まないようにしているので、あくまで情報としてみている人が多いのだと思います。
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